四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

のがみのウニの話

2016-09-09 23:35:00 | のがみの〇〇の話
のがみのウニの話今、築地今、築地バフンウニ(いがに入ったまま)とバフンウニ(中身だけ箱詰めしたもの)です。今、店今、築地ムラサキウニ(いがに入ったまま)とムラサキウニ(中身だけ箱詰めしたもの)です。いがの中に入ったままのもの、箱やトレイにならべたもの、瓶入りのもの、いろいろありますが主人が「これだ」と思うものだけを厳選して仕入れています。今、築地今、築地特によく仕入れるのはロシア産根室加工の無添加バフンウニです。今、築地仲買さんのところにも週に一度か二度、3箱から5箱くらいしか入荷がないものです。何年か待ってようやくコンスタントにいただけるようになりました。今、築地今、築地今、築地今、築地今、築地おかみノート ウニの店

店を始めるというのはどこか転校生と似ていると思う。地元の業者さん同士は古くからの知り合いで、地元のお客様同士も知り合いで、そして業者さんとお客様も知り合いで。そんなコミュニティがすっかり出来上がっているところに新規参入するというのはけっこう大変なことなんだなと思った。いざ店をオープンさせてからしばらくはどうやって自分たちのことを知ってもらうか説明ができず困っていた。周囲の方はもっと困っていたようだった。せっかく新しく出来た若い板前さんの店を盛りたててやろうと心を砕いてくれるのだけれど、寿司屋を始めたというだけで私たちが何か語る糸口になるようなことをひとつも出さないので何がどうなんだか情報が掴めない。主人はもともと多くを語らない上に仕込みや調理などやらなければいけないことがいっぱいでそんなことをアピールできるわけがない。残る私はといえば始めたばかりのこの店のどこを具体的に伝えればいいのか、他の店との違いは何か、想いは強くても言うべき言葉が出てこなくてずっとオウオウと唸っていた。しばらく経って皆さんが会話の中から導き出してくれたのが「ウニにはうるさい店」 だった。六月中旬、北海道利尻島の蝦夷ばふんウニの漁が解禁になってからおよそ二ヶ月、ウニ漁が終わるまで仕入れてあと九月から五月は質と仕入値の折り合いがつかない限りウニは置かないと決めて主人はそれをお客様に説明し続けた。「ウニの店」 というキャッチフレーズはその後の 「かんぴょう巻と煮タコがうまい店」にシフトするまで続いた。