四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子はコハダに。新いかはまだ新いかで。いくらは塩から出汁醤油漬けに。すじこも登場。新秋刀魚、ブリと、もう秋です。

鯵の小骨を抜く

2009-08-31 16:03:00 | 04 つきじ(いけす)

032 「小さい鯵を三枚におろしてから骨抜きで小骨を抜く際、注意するポイントが二つある」と主人は言います。

まず写真のように頭の方向に潜っている骨が数本あるので、忘れないように抜いておくということです。

もうひとつは裏ワザ的なことです。

鯵が小さければ小さいほど骨は細く判りにくい。それなのに無理にズバッズバッと抜いていけば、骨はおろか大事な身まで持って行きかねない…。そんな時は人差し指の側面に小鯵を横たわらせます。すると身が少し反り、小骨が自然と浮き出る感じになって抜き易くなります。

ただし、素早く処理しないと指の熱で鯵が温まってしまうかもしれませんのでご注意を。

ちなみにこの方法は二十年くらい前、清二さん(主人の実兄・八丁堀寿司処のがみ店主)から教わったものなのだそうです。


お義父さんのメモ

2009-08-23 16:28:00 | 07 みせのこと

003 先日掃除をしていたら、開業準備の時に使っていたノートが見つかりました。そこには四ツ折りにした紙が挿んでありました。開いてみると文章は一切無く、『のれん・ネタケース・お茶・茶コシ…』など店を始めるのに必要なものがひたすら書かれたメモでした。

おかみノート『メモ』にその時のことが少し書いてあります。もしよかったら読んでみてください。


冬菇(どんこ)

2009-08-16 16:27:00 | 04 どんこ・しいたけ

100「自分の店を持ったら、納得のいく太巻を出したい」と以前から語っていた主人。オープンから一年半くらい経ってからでしょうか。少しずつ太巻の具を作り始めた時の話です。

と言っても、すでに玉子焼・キュウリ・かんぴょうは常備してありましたので、あと具材としては「おぼろ」と「椎茸」を加えたいということでそれぞれに着手しました。おぼろはいわゆる白身の魚を茹でてさらし絞ったものに着色料を加えた桜でんぶではなく鮮度の良い芝海老を殻から一尾ずつ剥いて作るおぼろにしようと決めました。椎茸は味の濃さと肉厚さから冬菇(どんこ)を採用しました。冬菇ならではの歯応えを感じてもらいたく切り方はあえて一センチ幅とかなり太めで臨みました。味付けは醤油と砂糖とみりんをそのまま食べておいしいと感じるより気持ち濃いめに。他の具材とシャリと海苔とのバランスを考慮し導き出した結果です。

そうして太巻きは完成しました。

どんこ巻という、この椎茸だけを細巻の具にしたものがメニューにあります。

わさびを入れても入れなくてもおいしいです。


イクラの季節

2009-08-09 17:01:00 | 01 いくら(さけこ)

003_3お盆前後くらいからイクラが出始めます。皮が軟らかく食べていて口に残らない写真のようなものは、沖獲りの良質なものです。

ピンポン玉のように皮が硬く、噛んでもスルスルと口の中で逃げ回ってしまうようなイクラもあります。それは産卵準備に入ったものです。鮭が川に近づき淡水を含むとその真水がスイッチとなって皮を厚くするのだそうです。

海、それも川から遠い沖の方で獲れるものをお出ししています。

当店では出汁醤油漬けにしています。


鮭の骨の位置

2009-08-02 23:27:00 | 01 いくら(さけこ)

027三枚におろしてから骨抜きでダーッと横一直線に抜いていくあの骨の名前を知らなかったのですが、それが“血合い骨”だということが調べて分かりました。

扱う魚のほとんどの血合い骨は、写真下から指し示している真ん中の溝のようになっている部分にある、と主人は言います。ですがサケの血合い骨はそこより少し上の、左指で上から指している位置に走っているのだそうです。