tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

うぇいと 27

2018-07-21 00:18:50 | うぇいと

少しだけ興味があって・・・自分が前から抱く違和感の確認と、栗原海斗は街へ入り込んだ。

半年前にネットで知り合い・・・待ち合わせた場所がココだった。
同じ思いを抱いて生活している人達がいる街・・・だからか一歩入れば気にもならなくなった。

取り合えず、腕を組んで歩く・・・誰かの視線さえ気にならない不思議な街だった。
楽し気で・・・嬉しそうで・・・何より幸せそうな笑顔があり羨ましかった。

歳を誤魔化して入ってから数年・・・時々、その笑みに出逢う事が増えた・・・自分よりも大人だけに、群がる人達の表情は明るく・・・自分を生きているようで羨ましかった。

いつからか・・・彼を探すように街へ入る・・・やっと会えたと眺め笑みを浮かべながら見れる幸せに浸る。

偶然の視線が流れる・・・ほんの一瞬でもいい・・・記憶に自分を止めたくて、緊張しながらも、不意に合った視線は外さなかった。


知らない誰かに捕まる・・・それがコレなのだろう有無はない力強さで、自分は奥へと連れ出されそうだった。

待てと言っても、後でと言っても聞く耳はない・・・自分へ甘く囁く言葉は途切れる事なく、腰を抱かれ・・・肩を抱かれ、囁かれながら歩いた。

少し先にあるドア・・・そこから入り、もう一つのドアを潜れば・・・もう逃げようもない個室だ・・・それまでに何とかしたいと、手を離し肩を離しと断ってもいた。

聞きいれない・・・払った手はスムーズに、元の場所へ戻る。
キスをされそうな勢いは、すんでで交わして次へ備えるように見返した。

緊張は高鳴る・・・ドキドキと波打つようにヤバいと次のドアは近付く・・・諦めるしかないのかと自分へ伸びた人の手を掴みギリギリで防いだ。

最後の扉が開く・・・が・・・
何が起きたか分からなかった・・・逃げれる・・・そう思えた瞬間、身はグッと引かれた事で諦めた・・・絡み付く唇・・・それは想像より優しく・・・驚き見返せば違う人だった事に驚いた。

自分を連れ出した人はドア口の手前で誰かに狙われ、弄ばれていた。
両脇から挟まれ弄られた中で果てていった・・・

塞がれた唇・・・力が抜けそうな自分の腰を支えてくれる・・・優しい笑みで自分へ口付ける彼を見返すだけの海斗だった。

笑みながら頭を撫でて離れる・・・友達か恋人なのか一緒にいた人達は、しでかした加賀谷の行動に笑いながら出ていった。

スタッフが慌てて自分を店の外へ連れ出した・・・何だと見返せば・・・ホッとした顔つきだった。

『君は複数の人達に狙われてるようだ。だから暫くは来るな』
『 ・・・なんで』
『知らない誰かと寝れるか? レイプ状態でも平気か?』
『 ・・・』

『抱きたくて拐う計画はされてたそうだ。だから街へ入るな。本当に連れ出されても知らないぞ』
『あの・・・さっきの・・・助けてくれた人の・・・』

『たまたま聞いたから、スタッフにまで教えてくれたんだ。
そうそう助けは入らないさ・・・この街は自己責任だぞ?』
『そんな街と・・・』

『ウチなら、一夜の関係だ。2回目はない(笑)。君は回されてくんだぞ?』
『そんな・・・』

『(笑)触りたい男たちが集まり始めてる・・・だからね(笑)・・・暫く・・・』
『わ、分かりました。ありがとうございます・・・』
『いいか、狙われた噂は暫く消えないから気を付けろ』

強面のスタッフが呟く・・・親切にもタクシーを捕まえられる道まで送ってくれたが・・・親切な声と一緒に、自分を撫で回していた手もあった。

あーこれが街の怖さかと苦笑いだった・・・塞がれた唇の感触は消えなかった事で、触られた人の手は錯覚したように気にもならず歩けた自分がいたのだった。

優しい笑み・・・格好いい笑み・・・その容姿・・・いつ来ても頭に過り無意識に彼を探す。

今回は助けてくれた・・・許せる範囲は遥かに超えそうで、それでも驚き自分から逃げれず力も出なかった。

優しいキス・・・少しずつ深まる口付けは一瞬だけだった。
その笑みは自分が探していた人だった・・・間近な笑み・・・心の奥から嬉しかった・・・

思い出すだけで体まで熱くなる・・・心の中から温まり幸せという熱さで自分を包みだした。

家へ帰れた事にホッとしたが、自分の唇に触れた彼の事が頭から離れなくなった。


会いたくて・・・触れたくて・・・重ねたくて・・・優しい声が聞きたい・・・
自分の全部が求めている気がして・・・それだけで熱くなる自分に笑うのだった。

それでも、一緒に街へ行った男と 試しと身を重ねたが・・・どうにも違和感はあり、触れた唇は直ぐに離して謝った。

『君は・・ 本当は違うんだと思う・・・僕と同じじゃない・・・抱くのも・・・抱かれるのも無理なら・・・君はノーマルだ。
女を抱いてみたらいい・・・』

『したさ・・・違和感は残って最後まで出来なかった・・・そんな衝動はあったけど、普通・・・(笑)それはどんなか、比べた事もないけど・・・それでもSexしたいと思う事も少なかった』

『それは、緊張じゃないか?誰かを抱く緊張(笑)。寝る事の違和感・・・』
それじゃないかと声にした彼を眺めた。

自分に目覚め昂る事は少なかった・・・触れた気持ちよさは誰にでも起きる事はなかったのだ。

本当に自分はゲイではないのかと考える・・・学校の友達の噂で、人気の女の子を眺め観察もした・・・緊張しながら声をかける・・・返る言葉に自分から言ってみる。

普通に話せた自分・・・羨ましがられても、普通に女の子と話をしただけで・・・それは友達と話をする事と同じ・・・それ以上でも、それ以下でもなかった。

性的な部分へも 沸かない自分もいた・・・ならばと気になる男の子に目を止めたが・・・可愛いだけで、格好いいだけで、仲がいいだけで・・・Sexへとは繋がらなかった。

ならば今はいいと、目指す先だけを見つめる事にした。
それだけへ目が向けば、誰が誰と付き合おうが・・・ホテルでという話で盛り上がろうが気にもならなくなった。

自分はと聞かれれば、今は必要ないと濁し場を離れていた。

いつかの男性の姿は気にはなっていた・・・心のどこかで、憧れがあったのだろう・・・いつかは自分もと目の前の事へ集中していった。


彼女との待ち合わせに使うカフェで、時間になるまで暇だと誘われ珈琲を飲みに行った。
お洒落な雰囲気でもあり、出されているモノも美味しそうだった。

テラスに座り話しながら飲む・・・旨いと呟けば友達が笑い、トイレと席を離れた。

店内の香りが心地良い・・・優しい香りがすると思えた・・・友人が選んだ席はテラス・・・彼女が来たら分かるようにと友達が探し座った。

あちこちを眺めながらカップへ口をつけ、少し飲んでは辺りを眺め観察をした。
いつかは・・・自分もしたいと眺めていれば・・・柔らかな笑みの人が やって来て店の奥へと入っていった。

まさかと思った・・・そんなに偶然は重ならない・・・見合ったはずの彼の目は自分が視界に入っても通り過ぎていった。

記憶に止まらなかった事に気づいた。
胸が痛くなり・・・それはショックを受けた時のような気がした事に自分が驚いた。

自分勝手な解釈・・・それは日を置いて、一人で来たり友人を誘い珈琲を飲みに来た。

会いに行けば話せるチャンスがある・・・そんな気もしたが、それは一度も訪れる事はなく・・・覚えていないのか、お礼を言うチャンスも なかった。


顔見知り・・・それほどに来ていた自分に可笑しくなった。
店長という人が、それほど好きなら働けと誘われ・・・自分からも頼みバイトをする事にした。

2店舗目・・・そこへのスタッフとしてと言われ了解をして始めた。

自分の中で巡る色んな思いさえ忘れるほどにのめり込む・・・バリスタという人へ、暇があれば張り付くように眺め教えを乞うた。

日々は楽しく、予備で始めた勉強さえ両立出来た自分に笑う・・・どんなに疲れても楽しい事なのだと。

過ぎていく事の日々は気にもならなくなった・・・