マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

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第27話 ファントムⅢの恐怖 前編

2016-10-02 09:05:48 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【シューター小隊とバジル小隊の哨戒ルートの進行先の宙域】

アポロ基地から新統合宇宙軍の輸送挺Aー52は・・・
ムーンライズ中隊2個小隊の護衛の元、クラビウス基地に向かっていた。

出発してから現時刻に至るまで敵の襲撃はなく・・・
途中クラビウス基地からアポロ基地に向かう民間のシャトルと護衛隊・・
更に友軍の機動戦艦隊を見た。

ライド「後少しでクラビウス基地ですね、中隊長」
新統合宇宙軍.ライド・ランドベール中尉

バーナード「そうだな、輸送挺を送り届ければ任務は終わるな」
新統合宇宙軍.バーナード・マッケンジー少佐

ライド「はい、しかし平穏過ぎて不気味に感じます。」

バーナード「不気味だとしても、何もなければいいもんだ。」

ライド・ランドベール中尉は平穏過ぎるこの任務に不安がってた。
何も起こらずに順調に進みすぎて君が悪いと・・・・

普通だったらはぐれゼントラーディや反統合勢力がいてもおかしく・・
輸送挺の物資を奪おうとしたり、遭遇戦が発生したりするのが普通・・
その普通が今のところない

ベストな環境だろうけど、逆に不自然
正直いい事よりも、悪い事が起きそうな予感しかしない。

不安がるライドだが、隊長のバーナード・マッケンジー少佐が笑いながら

バーナード「まぁ最近、月面における反統合勢力やはぐれゼントラーディの掃討戦がつい最近、激しさ増してると言う理由があるな」

ライド「激しさですか?」

バーナード「あぁ機動艦隊や特務部隊を結構投入しているらしいって話だ」

今の状態になった原因をさらっと答えた。

不気味な環境になっている原因は新統合軍による掃討戦が強化されたからであり
機動艦隊の戦力や特務部隊が次々に投入され、どんどん反統合勢力など鎮圧されていき
反統合勢力やはぐれゼントラーディが減っていった。

それどころか反統合勢力の残存勢力は月面における拠点を放棄し撤退を始めており
月面は新統合政府による完全な統治下になろうとしていた。

ライド「それならば安心ですね」

「前方に友軍編隊です。」

バーナード「あぉクラビウス基地の連中だな、こいつはありがたい。我々は彼らに輸送挺を預けアポロ基地に戻るか」

ライド「はっ」

そうこうしているうちにシューター小隊やバジル小隊とのランデブー

もうそろそろクラビウス基地に輸送艇が到着する見込みだし
シューター小隊らに引き継いで自分達はアポロ基地に帰ろう・・・
とバーナード小隊は考え始めた。

しかし

突然、隊員の報告により事態は緊迫化した。

「待ってください、レーダーに反応。IFF反応のない編隊5機確認!」

バーナード「なんだと!?」

突然レーダーにIFFの反応がない未確認の編隊が映った。

編隊の機数は5機で数的にはこちらが有利だが・・・・
バーナードはとてつもなく嫌な予感がした。

この時期に敵編隊が現れると言う事は死を覚悟した部隊であり
とてつもなく強力な攻撃を仕掛けてくる可能性が高く・・・・
部隊隊員に多数の戦死傷者を出す事が想像できた。

「輸送艇より連絡、アンノン5。」

「アンノン5だと!?早くスミス少尉とベルタリア曹長を呼び戻せ!」

「ハッ」

シューター小隊やバジル小隊も輸送艇からの連絡により敵機来襲を知り・・・
カルカ達を迎撃していたラウラ達を呼び戻そうとした。

別の方面からまさか敵の増援が来ると思ってなかった・・・・
シューター小隊とバジル小隊はラウラ達を呼び戻して部隊を再編成し・・
未確認編隊に対しての迎撃準備にとりかかろうとした。

ラウラ「敵の増援ですか?」

『5機だが、嫌な予感しかしないんだ。早く戻れ!』

ラウラ「了解です。ただちに戻ります」

シューター小隊本隊から帰投命令が出されると・・・
ラウラは僚機と共に大人しく命令に従った。

戦闘はまだ終わってないが、命令は絶対・・・・
敵が残っていても、切り上げて本隊と合流するしかない
僚機が本隊に向かうとラウラも後に続いて行こうとしたが・・・

カルカ「待て!まだ私は戦える!」

ラウラ「くっ、しつこい!」

「ベルタリア曹長どうした?」

ラウラ「敵が追撃してきます。しつこく追いかけてきます。私が食い止めます」

「・・・・そうか頼んだぞ」

放置されたカルカが追撃してきた。

カルカの攻撃は執拗でしつこく、最後尾にいたラウラを追いかけ・・・
ラウラと僚機の距離はかなり離れてしまった。

執拗な追撃に対しラウラは僚機と共に本隊合流する事を諦め・・・
追撃に対し反撃しカルカを撃墜を前提とした殿軍を務め・・・・
離れてしまった僚機と合流しようと考えた。

殿軍を務める事になったラウラに僚機は戸惑ったが・・・
しっかり考えた上で殿軍を認め本隊合流を急いだ。

ラウラ「早めに落とさなければね、だけど相手も中々の強敵・・・」

僚機から離れ殿軍を務めたラウラはカルカの撃墜についていろいろ考えた。

カルカは落とした1機よりも強敵と言えるエースであり・・・
そう簡単に落とせる相手ではない。

自身より劣る部分の印象が強い相手ではあるが油断できない。

カルカ「舐めやがって!私一人でも陽動くらいは出来る!」

一方のカルカの方は戦闘途中で離脱するラウラ達に怒っていた。

先程までは僚機を撃墜され怯んでいたが・・・
自身を蔑ろにし戦場から離れたラウラ達を見てプライドを傷ついたと感じ
そこからラウラ達に一矢報いろうと死を覚悟し迫った。

カルカ「そこだ!統合政府の犬ども!」

ラウラ「くっ、さっきより強くなっている。死を覚悟したわけか!」

カルカ「せめて1機でも落としてやる!それまではやられないんだよ!!」

猛攻はラウラの予想以上だった。

ファイター形態とバトロイド形態を上手く活用した戦術はラウラを追い詰め・・・
ラウラ近くまで接近しガンポッドで至近距離から発砲し・・・・・
左脚部を少し被弾させ破壊すると言った活躍を見せた。

予想以上の強さにラウラは恐怖を覚えた。

ラウラ「くそぉ、突破するのは厳しいか。予想以上に強いと思いどおりに行かないくそぉ」

カルカの強さに恐怖を覚えたラウラだが・・・・
このままでは味方と合流が出来ないと焦りを感じ始め焦り暴言を吐くようになった。
焦りがラウラの精神状態を狂わせ、感情的に荒くなってしまう。

何度も落ち着かねばと思っているが焦りを押さえるだけの理性は持ち合わせていなかった。

「ぐやぁぁぁぁぁ」

レミア「遅いね、新統合軍ども!」

その頃、本隊とムーンライズ中隊はレミア率いる部隊に翻弄されていた。

既にバジル小隊とムーンライズ中隊1個小隊が壊滅し・・・
残った残機はレミアや僚機の攻撃を避けるのに精一杯だった。

圧倒的な強さを誇るレミアに翻弄され、なんとか逃げれても僚機に喰われる。

ライド「なんとしても輸送挺を守れ!ここでやられるな!」

バーナード「残機は3機、残りは撃墜または戦闘不能だ。あちらさんも厳しいぞ」

ムーンライズ中隊2個小隊は輸送挺を守ろうと防戦していた。

戦況は厳しく8機いた2個小隊は3機しか残らず
残りは撃墜または戦闘不能に陥り戦線離脱と、壊滅的打撃を被った。

それでもバーナード指揮の下、輸送挺護衛に奮闘していた。

レミア「輸送挺か・・・落ちてもらわねばね」

バーナード「くそ、強奪されたVFーXー8を止めろ!なんとしてもだ!」

シューター小隊やバジル小隊の過半数を撃墜または戦闘不能にしたレミアは・・・・
ムーンライズ中隊残機が守る輸送挺を狙いを定め突撃した。

レミアの乗る機体はVFーXー8と呼ばれる新星インダストリー製の試作機である。

制作された試作機の一つがゲラム一派により強奪され開発が中断され・・・
ゼネラル・ギャラクシーのVFーXー10が正式採用が決定され・・・・
新星インダストリーはゼネラル・ギャラクシーを控訴する騒動になったのだが・・

実際はゲラム一派に強奪されており、今新統合軍に襲いかかっている

「うわぁぁぁぁたいち・・・・」

バーナード「早い、1機でこうも・・・・・」

レミア「もらったよ!お前!」

バーナード「こ・・・こんな奴らにぃぃぃぃ」

レミアの駆るVFーXー8は素早く接近しバトロイドに変形し1機を落とし
輸送挺近くにいたバーナード機を撃墜した。

月面において圧倒的に優位だった新統合軍の一員である自分達が・・・
数的にも圧倒的に劣り5機しかいない敵機に翻弄され壊滅した。
こんな事はありえない

バーナードは意識が薄れゆく中で最後まで現実を否定し続け戦死した。

ライド「貴様ぁぁぁぁあがっ・・・・・」

レミア「雑魚は引っ込んでろ!」

バーナードが戦死する所を見たライドは激昂したがまもなくレミアに潰された。

潰された機体は輸送挺にぶつかり誘爆・・・・
レミアは更に追い討ちをかけるようにガンポッドを激突地点に向けて発砲
輸送挺から大きな爆発が一つ上がった。

「コントロール不能!コントロール不能!」

「バカなこんな事がうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

爆発した部分がエンジン部に近かった事もあり・・・
輸送挺はコントロールを失い月面に激突した。

その姿を見たシューター小隊とバジル小隊残機は後退を始め・・・
一目散にレミアらゲラムの私兵集団から逃れようとしたが・・・・
それを逃そうとしないレミアは追撃を開始した。

ラウラ「もうしつこい、いつまで続くのよ!」

その頃、ラウラはカルカとの戦闘を続けていた。

どんどんカルカを追い込んではいるが撃墜には至らず・・・
一進一退の攻防を繰り返していた。

ラウラはカルカに止めを刺そうとマイクロミサイルを発射した時・・・・

早瀬亜樹『ラウラ、本隊が壊滅したわ!早く残存機合流して!』

ラウラ「本隊が壊滅!?それって!?」

早瀬亜樹『とにかく合流して!まもなく来ると思うから!』

ラウラ「で・・・も・・・」

亜樹から通信が入った。

バジル小隊とシューター小隊が壊滅し残機が撤退し向かって来ており
ラウラは早く残機に合流してもらいたいと・・・・

部隊はレミアにより多数撃墜撃破され、残機は戦線離脱を決意
残機はスミス少尉と合流しクラビウス基地第8防衛エリアに撤退開始
カルカと交戦中のラウラと合流しようとしていた。

小隊の事情を知らないラウラは突然の本隊の壊滅と合流命令に困惑し・・・
現在のカルカとの戦闘を理由に異義を訴えようとしたが・・・・

「ベルタリア曹長!」

ラウラ「スミス少尉!それに・・・」

「事情は後だ!隊長が戦死、バジル小隊残機は1。シューター小隊は・・・」

ラウラ「少尉!」

撤退してきたシューター小隊とバジル小隊残余が合流し・・・
あまりにもボロボロな姿を見たラウラは異義を訴える気力を失い絶句した

ラウラの僚機を務めていたスミス少尉機はボロボロではなかったが・・・・
他の機体は中破と言ってもいい程の損傷で、いつ墜落しても不思議ではなく・・・
辛うじてスミス少尉の機になんとかついていける程損傷していた

スミス少尉はラウラに事の顛末を話そうとしたが、直後爆発し撃墜された。

あまりにも突然の出来事にラウラは青ざめた。

レミア「残り4機、まだ生き残りは来たか!残りは落ちろ!」

ラウラ「あっ!そんな」

青ざめたラウラへの追い討ちにレミアが現れた。

レミアはスミス少尉を撃墜し意気揚々と戦場に現れ・・・・
バトロイドに変形し、次々と死にかけた機体を手にかけた。

一瞬にして友軍機が殲滅され残りはラウラのみとなった。

ラウラ「くっ・・・・最終日に限って・・・・」

圧倒的な力を見せつけたレミアにラウラは恐怖し・・・
最終日に可変戦闘機パイロットになってまだ幼い時期に・・・
ヤバいエースと出会った自身の運の無さを恨んだ。

だが

ラウラが取るべき道は一つ・・・・・
今いる敵を突破し生き延びる事である。

こんな所で死ぬわけに行かない・・・

唇を噛みながらラウラは恐怖を押さながら決心した。
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