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都は混乱の極みでした。
民は、皆都から逃げ出そうとしていましたし、食料を買い込んだりして、収拾がつかない状況になりました。
ゲシは、光海君ば心配でならないようです。
都の混乱を聞くにつけ、不安は増しています。
光海君は、この混乱を抑えるため、民と直接会って話をする場を設けようと考えました。
周囲は止めました。ここまでの混乱、いくら王であっても、話をできる状況にはないと思えます。
でも、光海君はやはり出兵したくないのです。
今出兵したとしても、明が後金にとって代わられる事は近い将来必ず来ると予想できました。そうなった時、明への援軍は後金に責められても仕方が無いわけです。
明だの後金だとじゃなく、朝鮮独自に国を運営していきたいわけです、光海君とすると。どこの国からも干渉されない強い国を作りたいわけです。
「この無意味な戦いで朝鮮の民の血を流させたくは無いのだ。」
光海君の悲痛な思いです。
公主は、初めて光海君の本音を知りました。国や民のことを一番に考えていると言う事を知ったのです。
公主はこれまで光海君の事を誤解して来たと思うようになっていました。
ヌンヤン君の元に人々が集まりました。
ヌンヤン君が宮殿の門前で訴えていたことに共感し、今後、志を一つに・・・と言うのですが。
ヌンヤン君は、光海君に散々蔑まれて来たところでしたので、これは本当に嬉しかったようです。やっぱり自分はひとかどの人物なんだと自惚れてしまいましたよ。光海君の見方が間違っているんだと。
でもこれ、もしかしたら、ジュソンの仕業かも・・・。
表だって援助するのではなく、お金で雇った人たちをヌンヤン君の協力者としたんじゃないかな?
ヌンヤン君は、この集団を“一心会”と名付けました。これ、イルチメと読むらしいです。“イルジメ”は『一枝梅』でしたよね?
一心会は、松明を持って宮殿に押しかけ、出兵を要求しました。
暴動に近い状況になってしまいました。
大変な事になる前に・・・と、兵が投入され、集団は力で抑え込まれました。
光海君が命令したのではありません。
目の前で民が殴られているのを見た光海君。自分が収めようと平服で出て来たところだったのです。
ショックを受けました。
ヌンヤン君は・・・と言うと、自分の身が危ないとなると、民を見捨ててとっとと一人逃げましたよ。やっぱり自分の為に動いているだけなのね
明の皇帝から勅書が届きました。
来月末までに出兵しないと、責任を問う・・・という内容です。
光海君は悩みました。
そして思い起こしていました。自分が王となった日のことを。
これまでとは違う国にすると誓いました。明や後金の力を頼る事無く、自らの力で強い国になるようにしてみせると。反対を押し切って火器都監を作ったのもその一環でした。
なのに、今は何も成し遂げられていないばかりか、国を滅ぼしてしまいかねない状況になっています。
涙がこぼれ落ちました。自分の力を過信していたのだ・・・と。
その時、公主が入って来ました。
火器都監の職人一同の血判の押された嘆願書です。
職人たちは、国の一大事に自分は何ができるかを考えた時、出兵して火器を使って戦うことだと結論を出したのです。
「出兵を許可してください、王様。これ以上国が混乱しないよう、これ以上王様が重荷を背負われぬよう。これが国を守るために残された道ならば、王様の民である職人一同は、喜んで戦地に赴くと決意しました。」
これを敗北とは思われませんように。民を守れなかったと悲しまないでください。私たちは王様が誰よりも民の為に尽力されたことを存じています。
「ですから、王様。苦渋の決断を迫る不届きモノの私どもをどうか許して下さい。」
光海君は嘆願書を握り締めて泣きました。
こんな忠誠心を持った臣下を死地に赴かせなくてはならない自分を責めたのかもしれません。そして、公主が自分の思いを理解してくれた事に感謝する気持ちもあったでしょう。
これまで、ここまで正確に理解してくれた人はいなかったのかもしれません。ゲシでさえも・・・。
悩みに悩んだ末、光海君は自説を曲げ、出兵を決めました。
民は、やっと明の攻撃を止められると喜んだのですが・・・。私とすれば納得できませんね。
兵もやはり民です。単に職業が兵士だと言うだけです。商人とも職人とも同じ民です。彼らは、仲間を戦地に行かせることを、あそこまで強硬に訴えることに疑問を抱かないのでしょうか。
彼ら兵士の命を盾に、自分たちの生活を守ろうと考えていると言えます。これって・・・おかしくないですか
いやいや・・・思わず熱く語ってしまいました。ドラマドラマ・・・
ヌンヤン君の周りに人が集まって来始めました。
彼が訴えたから、王様の意志も替えた・・・と皆思いますからね。
そしたら、それまでヌンヤン君を無視して来た重臣なんぞも、突然手のひらを返したように協力を申し出て来たりしてます。節操無いよね、全く
ヌンヤン君は、すっかり有頂天。
街で偶然公主に会った時、また大妃に挨拶に行くと言いました。
今じゃ、都で注目の人ってことで、堂々と大妃や公主と手を組もうと考えているのでしょう。
でも、公主はきっぱりと断りました。
ここでまた大きな問題が起りました。
公主が火器都監の職人として一緒に戦地に行くと言ったからです。
女で公主で・・・と、皆、あっけにとられてしまいました。
光海君は勿論、大妃は泣きながら止めました。
でも、公主の気持ちは変わりませんでした。
イヌも、その話を聞き、驚きまして、ジュウォンの元に怒鳴りこみました。
ジュウォンが火器都監にいる事を許したからこうなったんだ・・・と。
でもね、その時、ジュウォンだって、必死に公主を止めようとしていたし、後悔していたんです。同じ道を歩もうと言った事を。
イヌは、その足でゲシを訪ねました。
はっきりと言いました。公主を自分の傍に置いておきたい・・・と。
さぁ、どーするの?ゲシ。
光海君は、公主を戦地に送る事は流石に許可できません。でも、公主は言いました。
「誰に何を言われても良い、王さまも反対されたことをしてきました、孤独にひたすら。一国の王として。王様の孤独な戦いをお支えしたいのです。民が抱える苦労を共に背負いたいのです。どうか私にその機会をください。」
「だが、私を許せるのか?」
と、光海君は問いました。永昌大君にしたこと、そして王座でしてきた数々のことを・・・。
「理解するように努めます。」
大きな歩み寄りです。それだけで光海君は感動したでしょう。
「王様が一身に背負った王座の重みゆえに、兄上はご自分を捨てざるを得なかったのだと。」
うんうん・・・と思わず頷きそうになってしまいましたよ、このセリフ。そーなんです、光海君は、王ゆえ、自分の感情や意志を捨てざるを得なかった事が多かったのです。
ジュウォンは、公主の気持ちが理解できないわけじゃありません。
職人として、一緒に働いてきた仲間と共に戦いたいし、自分だけ公主だからと安全なところに逃げ込みたくは無いわけです。
でもね、愛する人なのです。公主なのです。
死ぬ危険が待ちかまえているところに連れて行きたくはないですよね。
「二度と公主様を失いたくないのです。」
と、気持ちを変えるよう言うジュウォン。泣きだしそうです。
公主は、そっとジュウォンの手をとりました。
「いいえ。あなたは私を守ると言う約束を破ってはいません。だから、今までのように同じ場所で、いつもすぐ隣で私をお守りください。」
ここからが長い・・・
ジュウォン、さっさと抱きしめなよ・・・と私は言いたかったです。
やっと抱きしめられ、公主はほっと一つ息をもらしました。
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