西都モノクローム

西都大好きな市議会議員が、徒然なるままに街のこと、写真のこと、空手のこと語ります。

思ったこと

2010-06-12 23:01:44 | 日記
やはり昨日の殺処分の現場はショックでした(その時は、一部感覚が麻痺しましたけど)。
処理の現場では大まかに2つの作業に分けられます。
1つは殺す作業、もう一つは埋める作業です。私は殺す方の作業に加わりました。
私の仕事は農家の皆さんの補償の対象になる牛を確認する作業です。
25のます目の書いたペーパーを担当者(この現場の責任者です、県の家保の方でした)から頂き、それに殺された牛の耳票(牛の耳にとりつけてあるプラスチックの票です、これでこの牛の全てがわかります。
10桁の数字で表されています)を正確に書き込むものです。
2班に分け、もう一班は中武議員が行いました、私は吉野元近議員と恒吉議員でグループをつくりました。
どのように進行したか書いていきます。
まず牛の扱いに慣れた方(経済連、農家)が牛を移動します、今回は大きな牛舎だったので(リフトが牛舎内に入るほどです)ほんの数メートル移動するだけでした。

白装束(作業する物全員がタイベックス、デュポンのつなぎを着ます、もちろん私たちもです)の獣医さん達が来ます。

ちょっと話しをもどして、どのようにこの場所に入ったか書きます。
朝早く集合して、作業服一式を渡されます。白い防疫服を着、長靴(支給)を履き、ゴム手袋をはめます。
長靴手袋と衣服の境はガムテープでぐるぐると巻き密閉させます。
靴以外全てそこにおき、バスに乗り込み現場に向かいます。
現場は明確な線引きがしてあり、(一旦その線を越えたら、そこを出るのに全身消毒等しなければいけません)清浄地区に靴を置き、ヘアーキャップをかぶり、マスクと防塵眼鏡をもって現場内に入ります(当たり前ですが、非常に厳密です)。

話しは戻って数班に分かれた獣医さん達は、それぞれ牛のそばに行きます。
まず牛のお尻に鎮静剤の注射を打っていきます(牛を苦しませないためです)、黄色のマーカー(鎮静剤済みの印)をしていきます。
鎮静剤が効いたら、牛の首の所の静脈に殺処理用の薬を打っていきます。
針を刺し、血が注射の中に流れたら正確に静脈に入っている事になります。
声をかけていきます、「1本目打ちます、2本目打ちます・・」どの牛に何本打つのか獣医さんは経験でわかっているみたいでした(あえて聞きませんでした、というか、作業中私たちは他の作業をしている方と話しをしませんでした。話せる雰囲気じゃ無く、ただ機械的に作業を進めるしかなかったです)。
暫くすると(1分もかからない)牛は倒れます、元近議員が耳の番号を読み上げ(牛が重なって倒れたときなど、死んだ牛をどかさなくてはいけません、大変でした)私が書き込みます、間違いないか私が復唱してOKなら、牛に赤のペイントスプレーで印を書きます。
恒吉議員がつないであったロープを牛から放していきます。リフトに乗った処理班は赤の印のついた牛を積み、トラックに入れます。
トラックの牛を消毒します。
牧場の隣では建設業のボランティアが0.7のBH(大きいユンボー)4mの深さに穴を掘ります。
市役所、農協、議員がその穴にブルーシートを敷きます。
トラックで運ばれた牛はそこで降ろされます。作業員(市役所、農協、市議会)は牛の前足にロープをかけ、BHの爪に掛けます。
オペレーターはゆっくりと正確に丁寧にブルーシートの上に並べていきます。
並べ終わったら石灰を掛けシートを掛け土をかぶせていきます。
地上より約1M、上盛りしていきます(牛の上に、5m土が盛ってあることになります。これなら臭いが出る心配は無いでしょう)そういった工程でした。

ほとんどの牛は苦しむことの無く死んでいきましたが、何頭かは効きが悪く、手足をばたつかせました。
すると獣医さんは頭を優しく撫でます、落ち着かせて再度注射を打ちました。
苦しませないように、早く楽にさせようという気持ちが伝わってきました。
その牧場の全ての殺処理が終わった後、獣医のリーダーが言いました「獣医全員集合」皆さん集まりました、そして「黙祷を捧げます、黙祷!」病気から助けるために、また何より動物が好きだから選んだ職業である獣医であったはずです。
それが命を奪うことをしなければならない苦しみと、無念さをその姿を見て思いました。
帰りは、全身に消毒液を掛けて、支給された物をそこで全て脱ぎ捨てます、集合場所に帰り、シャワーをあびて着替えて消毒して帰宅しました。

・・それにしても大変な状況です・・。

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