西都モノクローム

西都大好きな市議会議員が、徒然なるままに街のこと、写真のこと、空手のこと語ります。

議会閉会日、市民からの請願と私の賛成討論そして結果

2023-06-30 18:34:28 | 日記

今日のブログは新聞にも載りましたが、閉会日の請願についてお知らせいたします。

一般質問や今週の活動等は¥まとめて後日報告します。それでは・・・

 

今議会において、市民からの請願が出ました。

私はその願意を理解し、紹介議員となりました。

議案として、所管する文教委員会に付託されました。

文教委員会(私は文教委員会ではないので、後で報告を受けました)では、議論があり採決となりました。

採決は可否同数で委員長採決となり、文教委員会で了となり、委員長報告と共に本会議に臨むこととなったのです。

 

さて市民から出された請願は次の通りです

「令和二年から三年にかけて、地方独立行政法人西都児湯医療センターの常勤医が5名退職され、その結果市民の願いでもある中期目標に沿った脳疾患や内科疾患における二次救急医療体制が脆弱化しました。

 更に令和5年3月末には前理事長が任期を残し辞任され、宮崎大学医学部より派遣されていた常勤および非常勤医師が引き上げ、夜間急病センターにご尽力いただいていた西都市西児湯医師会が撤退し救急医療の危機に遭遇しています。

このような西都児湯医療センターの不安定な状況・機能低下により、西都児湯医療圏の住民の安全安心な生活が損なわれております。

よって、西都市議会による医師確保に向けての宮崎大学医学部及び西都市西児湯医師会への働きかけを要望する。 以上  」

 

「西都児湯の地域医療を守る会」が請願団体で代表は水本明男さんです

紹介議員になって欲しいという願いを受けた私は水元さんと会い、その請願の中にある思いを伺い、紹介者となることをしました。

一部議会の機能以上の部分が見受けられ、多分そこは議員議論のもとになるのでは思いましたが、請願は国民の権利であり、そして何より「安心安全な救急医療を再建してほしい」という市民の気持ちを受けました。

何とかこの請願を議会として認めてほしいという思いから、理解してもらうために賛成討論をしました。

以下当日述べた賛成討論です

 

「請願第一号に対し賛成の立場から討論いたします。

私はこの請願の紹介者であります、なぜ紹介するのかという考えも含めて討論させていただきます。

地方独立行政法人西都児湯医療センターは2019年から2020年の新病院建設の用地問題に端を発し、2020年の理事長公募において市側と病院側の対立が決定的になり、この請願に書かれている通り優秀な常勤の先生方が心ならずも退職されました。

この経緯は2019年12月18日のセンター常勤医の先生方の悲痛な話を聞いた当時の議員は周知の事と思います。

それによって西都児湯二次医療圏内での緊急を伴う急性期の脳疾患や内科疾患が脆弱化したのはこの請願に書いてある通りです。

2019年ごろから、議会における質問等でこの問題を多くの議員が取り上げました。もちろん私もそうです。

それは、医師不在により、センターの存在価値ともいうべき急性期疾患に対する対応が難しくなった現状を苦慮し、それを何とかしようという思いからでした。そして立つ位置は違えど各議員それぞれの立場、考え方で質問を通じて意見や要望を申したものだと私は思います。

私は2007年の5万6千人の西都児湯医療センター、旧名西都医師会病院を存続させたいという署名、2020年の3万5千人の救急医療を崩壊させないで欲しいという署名、それらが民意つまり西都市及び五町一村、新富町、高鍋町、木城町、川南町、都農町、西米良村の住民の声を表している信じます。

よって救急医療を何とかしてほしいという強い民意があることを我々は理解せねばなりません。

そのうえで議員は、議会は何をなすべきかを考えました。

議員は市民から選挙によって選ばれた二元代表制の中での重要な存在です。つまり首長、議員という住民から選挙で選ばれたもの同士が、住民の安心安全と幸福、自治体の健全な発展という同じ目的を持ちながら議論をし、予算や条例等のチェックをし、ある時はけん制しあい、またある時は一緒にタッグを組んでやっていくものだと私は理解しています。

地方議会の存在意義、つまり議会は住民自治の基盤であることを忘れてはいけません。民意を集約して自治体としての意思を決定するという大切な役目です。そして大切なことと思うのですが、議会は何をやるものかという命題は当然ながら時代と共にブラシュアップ(磨き上げ)していかねばと考えます。

わかりやすく言うと議会、議員は住民から遠い存在ではなく、身近であるべきだという事です。

四角四面の各種縛りのみで活動をしていたならば、たとえそれが議員、議会の役目であったとしても、住民の理解と関心が得られにくいのではと考えます。

それは活動する姿が見えにくいからです。

二元代表制であるから、健全な意思決定をなすためには、議会は首長に比肩する力を持つべきであると思っていますが、現状はどうでしょうか?市民は議会や議員を近い存在と思ってくれているでしょうか?議会や議員の活動を本当に理解してくれているでしょうか?

あれだけ熱心に議論しても議事録をどれだけの方が熱心に見てくれているでしょうか?

国内のみならず宮崎県内のある自治体でも議員は多すぎるとか、報酬をもらい過ぎだとか、はたまた議員の権利である、ある政治活動を制限しようとか、市民もしくは市民グループが声を出したという報道等も目にします。

我々議員当事者からしてみれば、議員活動の何たるかを知らないから、それらの方々はそういう声を出すのだと思いがちです。ですが最大の問題は議会、議員が働いている姿を見せる努力を怠たこと、はたまた見せにくい事にあるのではと思います。

町村等の中でも小さい自治体では議員のなり手不足であると報道がなされ、民意を示す最大の市民の権利であるはずの選挙でさえ、投票率は回を年を追うごとに下がっています。

議会は真摯にこのことを受け止めなければいけません。

つまり議員の在り方、言い換えれば住民から求められる議員像の議論が必要な時代になったと私は感じます。

皆さん思い出してください、宮崎県、そして西都市を襲った口蹄疫の時を。

我々議員は無報酬で深夜から朝方まで、感染地からの車の交通整理やりました。それは西都市に口蹄疫を入れたくないという強い民意を感じたからじゃありませんか。各農家に配る消毒薬の配布も手伝いました。

それにもかかわらずワクチン接種となり殺処分が決まったとき、悲しみにくれる畜産業者、また不幸にもヤギ等偶蹄類のペットを持った方々の姿、涙をわれわれは見ました。

そして我々西都市議会議員はつらい殺処分場に赴き、殺処分の手伝いをしました。

不要不急の行動に対する規制が出て、市内商店街、飲食業者、ホテル、大規模宴会場は大きなダメージを受けました。

その時私も含め議員で経済復興のためは地元で使える割引付きの商品券や飲食券などの発行の段取りしそれが受け取れるよう飲食店を回るなどして手伝いました。

市や畜産業者、商店主は大きな傷を受けたけど、数か月後には口蹄疫は幸いにも収まりました。

あれだけの災害だったのに、市民から「議員は何してる」と言った非難の声は聞こえてこなかったと思います。

口蹄疫で行った我々の議員の行動は議会とは何ができるのかという、法律等には厳密にいうと外れているかもしれないけど、あれは市民にみてもらえた、議員の議会の姿だったと私は今でも思います。

今回の請願の主たる願意である「西都児湯医療センターの不安定な状況、機能低下により、西都児湯医療圏の住民の安全安心な生活が損なわれております」「だから医師確保への働きを我々に願っているのは」私は議会がくみ取るべき市民の声だと判断しました。

だから紹介議員となった次第です。

働きかけって、議会がすることなの、何をするの?と思われるかもしれませんが、私は議会としてできることをはあると思います。

行政と大学や医師会との関係性の修復を願った環境づくり、医師集めは理事長の仕事ならば、理事長がやりやすいような、またやる気が出るような市民の声を上げてもらう活動、そのような議員が議会が側面からサポートしていくこと、また特別委員会を作り、議会はこの問題に対し真摯に向き合い、10年後の西都市、児湯住民のために考え、決断し、働いている姿を見せること、それら市長、センター理事長と共に医師確保に向けて議会も頑張って欲しいという思いが、この請願に含まれた願意だと考えます。

どうか西都市が一丸となって救急医療の再構築に向かって欲しいという、市民の切なる願いの声を聞いていこうじゃないですか。

そのためにやれることは、皆で話し合いましょう、作り上げましょう。

市民の願はそれです。

議員皆さん!良き判断をされることを心から願っています。

長くなりましたが、以上が私の賛成討論です。

よろしくお願いします、そしてありがとうございました。」

今日の宮日新聞に書いてある通り、請願は不採択になりました。

賛成7 反対7で可否同数となり、議長が反対に転じ不採択となったのです。

とても残念です。

でも、市民は表記のような願いを持っているという思いを汲み取り、これからも頑張っていきます。

 

母です、大腿部、骨盤骨折、そして呼吸器官疾患から退院した時の写真

家族が病院のお世話になると、救急医療の大切さが身に染みてわかります。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする