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Amrita Organics

薬膳・美容・掃除・畑つくり

Amrita

2009-05-12 10:25:55 | 古典
アムリタ(Amrita)は、インド神話に登場する神秘的な飲料の名で、飲む者に
不死を与えるとされる。乳海攪拌によって醸造された。

神話によるとアスラ族との戦いに疲弊した神々が、アスラ族に協力させて
造ったとされる。乳海と呼ばれる海に様々な素材を投げ入れ、マンダラ山を
攪拌棒に、ヴァースキ竜王を綱として1000年の間攪拌した末に、ダヌヴァンタリ
神がアムリタの入った壺を携えて出現した。神々とアスラたちはアムリタを
自分たちだけのものにしようと争ったが、ヴィシュヌ神の機転によって神々の
ものとなった。しかし神々がアムリタを飲んでいるとき魔神ラーフがまぎれ込ん
で盗み飲みした。ラーフはヴィシュヌ神によって首を切り落とされたが、アムリタ
の力で死なず、ラーフとケートゥという天の遊星となり、日食、月食を起こす
悪星となった。

その後、アムリタは神々によって厳重に保管されたが、ガルダがこれを略奪
した。またナーガはアムリタの壺が置かれていたところを何度もなめたために
舌が二股に分かれたとされる。

仏典では阿密哩多と音写され、漢訳では中国の伝説の飲料甘露の名で呼ばれた。

仏教でいう不死とは、いつまでも死なないということではなく、死を(正確には
生死を)超越するということであり、言葉を変えれば、生死の輪廻から解脱する
こと、涅槃にいたることであろう。