蔵象(ぞうしょう): 「蔵」は「臓」と通用することができますので、「蔵象」
を「臓象」と言っても良いです。「蔵」とは、内蔵する意味で、体内にある臓腑
のことを指します。「象」とは、臓腑の正常機能及び病理変化が外への反映
(現象)です。つまり、身体の形体組織と証候から、ある兆しが診られ、それ
が体内にある臓腑(営・衛・気・血・精・神・津液なども含む)機能の変化を
反映されます。これらの変化を参考にし . . . 本文を読む
募原(ぼげん):膜原(まくげん)とも言います。『素問・挙痛論』に「寒気客
于腸胃之間、膜原之下……」との記載がありました。王氷は「膜とは、膈の間の
膜であり、原とは、鬲肓の原である」と解釈しました。この膜原は胸膜と横隔膜
の間の部位を指します。
膏肓(こうこう):膏は心臓の下部にあり、肓は心臓の下、横隔膜の上にあり
ます。主に病位が深く隠していていることを指します。薬物も鍼灸も至り難い
ことで . . . 本文を読む
血海(けっかい): ①衝脈のことです。十二経脉が集まるところとされている
からです。②肝臓を指します。肝臓が血液を貯蔵と調節する機能を持つからです。
③経穴名です。膝蓋骨内縁の上2.5寸の処にあり、足の太陰脾経に属します。
気海(きかい): ①部位の名称です。膻中は上気海といい、宗気が集まる
ところです;臍下の「丹田(たんでん)」は下気海といい、男女の精気が集まる
ところです。
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君主之官(くんしゅのかん):出典は、『素問・霊蘭秘典論』で、心のことです。
「君」とは古代国家の元首のことです。心は五臓の中で最も重要な臓であり、
神明を主り、人体生命活動の主宰であるから、君主之官を呼ばれています。
神明(しんめい):高級中枢神経の機能活動である、人の精神・意識・思惟活動
を指します。
心包絡(しんぽうらく):心包ともいい、心の外膜であり、絡脈が附随し、
気血が流れる通路で . . . 本文を読む
◎相生作用
そこで相生作用により、肝、胆がよくなると「心」、「小腸」がよくなり、心、
小腸がよくなると「脾」と「胃」がよくなり。脾と胃がよくなると「肺」、
「大腸」がよくなる。
肺、大腸がよくなると「腎」と「膀胱」がよくなり。腎、膀胱がよくなると「肝」、「胆」がよくなる。これは五行の我々の肉体における相生作用で
あります。
◎相剋作用
相剋となりますと、木剋土ですから、肝、胆を悪くすると . . . 本文を読む
1、「纏振り」(自律神経活性化体操)下段と上段。
足を肩幅に開いて、①、体を左に振って右足のかかとを見る。②、体を右に
振って左足のかかとを見る。③、①~③を1回と数えて50回繰り返す。
続いて、両手を肩の高さにあげ、④、体を左に振って、腰(90度)・肩
(180度)・頭(225度)を意識しながら、目線を270度水平移動する。
⑤、体を右に振って、腰(90度)・肩(180度)・頭(225 . . . 本文を読む
腰痛の弁証には、まず表裏、虚実、寒熱を見分けること。外邪を受けたものは
表症と実症が多い。そして発症が急である。治療原則はきょ邪通経、寒湿と湿熱
による分別をして施治する。腎精虧損による者は、裏症と虚症が多く慢性的な
反復発作が多い。
治療原則は補腎益気である。外邪が身体の中に滞り、腎気を損傷し実症と虚症
が混在する状態になる。腎気が久虧して、衛陽不足、その上外邪を受け、虚症
に実症が混在する状 . . . 本文を読む
腎虚;下半身に位置する臓器の働きが低下した状態をさし、様々な全身症状を
もたらします。腎の精気不足です。
腎陰虚:陰が虚して相対的に陽が亢進し熱を帯びます。
腎陽虚:陽が虚して冷えや精力減退を伴います。
●なんとなく身体がだるい、根気が続かないなどの倦怠感が、まず目立ちます。
●それから腰痛と肩こり、また、手足がしびれたり、冷感を覚えることもあります。
●よく水を飲んだり(口渇)、夜中に何度 . . . 本文を読む
ぎっくり腰
東洋医学的解説 西洋医学的解説 気になる予算は?
漢方には「不通則痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。
これは「流れるべき所が詰まってしまうと痛みが出る」という意味です。
ぎっくり腰は、悪い姿勢や動作によって腰に負担がかかることで起こりますが、
これも負担がかかることで気(き)や血(けつ)がスムーズに流れず、滞って
しまったために痛みが出ると考えられます。
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今回は、五行説にある治療に関する用語を紹介しましょう。
五行の病理関係から見れば、疾病の伝変はほとんど一つの臓器より、他の臓器
に及ぼすので、治療の際、病の臓器を治療するだけでなく、五行の生克乗侮の
法則によって、其の時の状況に応じて各臓器を調節しなければいけない。
* 虚則補其母、実則瀉其子(虚すれば其の母を補い、実すれば其の子を瀉す):
それは、相生法則により疾病を治療する時の基本原則 . . . 本文を読む
五行の相乗・相侮とは、五行の相克状態に異常が発生した時の現象で、病理関係
である。
* 相乗(そうじょう):
乗とは強いものが弱いものを凌ぐの意味で、五行の一行はもう一行に制約しす
ぎて、一連の異常相克反応が発生する。
相乗の原因は二つある。一つは、五行の一行は自身が強すぎ、制約する行に
制約しすぎることによって、異常になる。例えば、木が強すぎ、土を制約しす
ぎるから、土が不足となる。これは . . . 本文を読む
五行に関する病理関係を紹介します。それが相生関係の伝変で、母病及子
(ぼびょうきゅうし、母病が子に及ぶ)と子病及母(しびょうきゅうぼ、
子病が母に及ぶ)という二つです。
* 母病及子(ぼびょうきゅうし):
母病が子に及ぶというのは母になる臓器から子になる臓器に伝えるという具合
のもので、例えば腎が水に属し、肝は木に属す。腎は母臓で肝は子臓、腎の病気
が肝に伝わるというのは母病及子ということに . . . 本文を読む
くしゃみ(噴嚏)
*本症は、くしゃみのことを指すが、五臓の失調や六淫の侵襲によって
おこる持続的なくしゃみが治療の適応となる。
単発のくしゃみや、異物や気体の刺激などによっておこるくしゃみは
本症の範囲外と なる。なお、くしゃみは中医では噴嚏(ふんてい)と呼ぶ。
1.風寒による噴嚏
:病因病機
起居の不注意、もともと衛気が虚弱な人、気候の変化などによって
風寒の邪を感受し、風寒の邪が . . . 本文を読む
*五行(ごぎょう):
五行とは木・火・土・金・水の五種類の物質の運動をいう(「五」は木・火
・土・金・水の五種類の事物で、「行」は運動である)。中国古代の哲学理論
の一つであり、古人が物質の属性及びその相互関係に対する認識である。
中国古代の人々は長い生活や生産活動の中から、木・火・土・金・水はなく
てはならない基本の物質であることを認識し、最初は「五材」と呼んでいた。
中医学理論体系の . . . 本文を読む