
上海家庭料理「蔡菜食堂」(サイサイショクドウ)
ご店主は上海生まれの蔡才生 氏。
「蔡菜食堂」とは蔡家の家常菜(家庭料理)がいただける気取らない店ということだろう。
中野駅南口、三菱UFJ信託銀行脇からレンガ坂を物色しながら向かう。
店は中野マルイ裏手あたりの路地裏。
駅から徒歩3分というが、土地勘がないため正直、迷った。
暗い夜道にノスタルジックな「上海料理」の看板文字が浮かぶ。
また、店の並びにはお稲荷さん。
ミステリアスな雰囲気漂う路地裏のロケーションだけで気持ちがどんどん盛り上がってくる。
食べログ情報によると、席数は16。 そのため、予め予約をして連れ(寝太郎さん)と来店。
小ざっぱりとした店内に足を踏み込むと、付近の人気店らしく席は8割方、埋まっていた。
席はすべて2人掛けテーブル席ですが、来店される人数により卓のレイアウトを変えて対応。
にこやかな店のお母さん(奥様)の指示で壁際に沿う片側ベンチシートのテーブル席に着く。
隣との間隔は狭く、会話も当然 丸聞こえ。今回、両脇に挟まれ少々窮屈だ。
「荷物、後ろに置いていいですよ」
お母さんの言葉に振り向くと背には、ホワイトボード。手書きでメニューが記されている。
この脇のスペースに置いて構わないとのこと。 ありがとうございます。
テーブル・セッティングは、割り箸(箸袋入り)。
着座後にメニューとタオル地のおしぼり(トレー置き)をいただく。
厨房には、白Tシャツ姿の店主(お父さん)と女性。
フロアはお母さんが一人で、注文を取り、空いた皿をさげ、料理を運んだりと、忙しそうだ。
料理は検討するにしても、飲み物だけ先に注文しておこう。
サッポロラガー(中瓶)@600
その後、甕出し紹興酒(ボトル)@2,200 を注文。
甕出しのため、瓶に入れて提供。 瓶ビール同様、普段使いに丁度良いグラス。
おつまみセット@500
サーブ時には説明なし。グランドメニューとボードからの推測になりますが
揚げピーナッツ、新緑ザーサイ、地鶏の老酒蒸し、お麩と木耳の醤油煮、ロースの焼豚、
ジャガイモアンチョビカレー風味の5種と盛りだくさん。
この値段で、品数豊かに提供していただけることに驚きを感じた。
また、箸をつけると、どれも好感を持てる真摯な味わい。
中でも、ほんのりと老酒の香るしっとりした地鶏、
燻製にしたように旨味が濃縮されている焼豚が滋味深く印象的。
青菜の水餃子(3コ)@300→4コ@400
「個数を増やせますよ」 とお母さんからサジェストあり。
大喜びで4つにしていただいた。 すると2個ずつ取り分けてサーブ。
肉餡には青菜にニラ、シャキシャキとした快活な素材の食感が活かされ、
手作り感がたっぷりで心地良い。
刻みネギの散らされたスープに口をつけると、
味つけの加減が、あの「上海わんたん」さんとおんなじだ。 旨い。
ナチュラル感のある水餃子。これなら、一人3個でも容易くいただける。
むしろ、そうすべきだった。
鶏の手羽先豆豉炒め@1,000
手羽先のほか具材は、ニンジン、木耳、ネギ、ピーマン。
家庭的なビジュアルに思わず頬が緩んだ。
手づかみで手羽先にしゃぶりつく。柔らかい。
豆豉(トウチ)自体に塩っ辛さがなく、味つけには生姜や唐辛子も一役かっている
ようですが、お父さんの人柄が表れるようなまるみのある優しい味わい。
(ノブロー) トウチ、豆マメしくてうめえよ。
青菜炒め@800
色見を備えた炒めもの。 具材は、ほうれん草、トマト、木耳、厚揚げ。
味つけは薄く控えめで、素朴な食味。
鶏のレバーパテ@700
レンガ坂あたりには、お洒落なワインバーも多く、場所柄、そうしたことが関係しているのか、
中国料理店としては変わったメニューもあった。
当店のワインはボトル2,800円からのラインナップ。
私達も紹興酒から、ジェイコブス・クリーク(白)@2,800にチェンジしレバーパテを注文。
薄くスライスし、軽くトーストしたバゲットと共に。
目先が変わることもあってか、意外とこの料理も他の客卓にでていた。
食後には、お茶のサービスあり。プーアル茶と紅茶のブレンドとのこと。
お会計は、1人当たり5,000円(千円未満四捨五入)
退店時には、お父さんも手を休め厨房から顔を出し
「ありがとうございました」 と親しみやすい笑顔を向けてくれた。
店には常連さんも多く、地域の方々に愛される理由がわかる気がする。
肩肘を張らない、とても真面目な家庭料理だ。
近かったら、ちょこちょこ中華飲みに寄らせていただきたい、温かみの伝わる店でした。
※満足度数は、3.7~5.0
蔡菜食堂 (サイサイショクドウ)
東京都中野区中野3-35-2
TEL 03-5385-6558
営業時間/ 17:00~23:00(L.O 22:45)
定休日 月曜日 -店舗情報「食べログ」より-