昨日は早起きして市ヶ谷ルーテル教会のホールへ。
波多野睦美さんによる「朝コンサート」
ひえ~っ!
午前中からコンサートするなんて!
実はこのシリーズ、前からやっているのは知ってはいたが、出かけて行くのは初めてだった。
しかし、今回のテーマは
だったので、ぜひ行きたいな・・・とチケット入手。
あいにくの雨だったが、会場には100人以上の人が入っていた。
相変わらず根強いファンをお持ち。
雨の中をお客も大変だったが、ご本人は昨日肉離れしたとかで、おみ足を引き摺り、椅子に座って歌唱。
すさまじいテクの伴奏者と2人で、例の人懐っこい天上の声を難なく。
ジャズ・・と言っても「朝のジャズ」とのことで、確かにわたくし達が日頃、これがジャズ・・と思っている雰囲気とは全然違うのだが、もしかしたら作曲された当初はこんな感じだったのかも。
明るくて抜けるような青空みたい。
しかし、朝っぱらからよくこんなに澄んだ声が出るもんだ・・と感心。
やはり生活の節制度合が違うんだろう。
昼休みを挟んで、午後は公開レッスン
6名の強者が、それぞれピアニストを連れ波多野さんと聴衆の前で歌唱する。
聴衆は朝コンサートより年齢層が若くなり、皆さんクラシックを勉強中の人たちのよう。
6名の選曲はWウオルトン、Hパーセル、ヘンデル、バーンスタイン・・・・と時代も様々な作曲家の作品だが、共通点としては、「英語の歌」という点である。
そもそも、クラシックの世界で「英語」というのはマイナーだそうで、イタリア語やドイツ語やフランス語に比べたら圧倒的に少ないが、素晴らしい曲が多いのも事実。
6名の方たちは、それぞれプロか、あるいはそれに準ずる位のテクニックをお持ちなので、今更発声だの共鳴だの音程だの・・のアドバイスは無し。
そういうことは出来て当然の上でのレッスンだったので、共鳴について知りたかったわたくしはチト残念だった。
とは言え、メリスマ(クラシックの歌唱で装飾的に細かい音符をすさまじく早く上がり下がりすること)の話とかも聞けたし(自分でやるつもりはない)、大変面白い3時間だった。
アドバイスのポイントは
1 通奏低音(ベース音。ピアノのばやいは左手)とどうコラボするか。
2 朗唱(ジャズだとバース。シャンソンだとルバートと呼ばれる部分)は楽器奏者と会話するように。自分のこの音はこうやって出す・・という自分の因襲に囚われず、和音(コード)から感じたままの声を出す。
3 自分が歌っている曲の中の人物になる。今自分は何歳で、どんな場所に立ち、何を見ているか。
4 英語の発音は子音(気息音)が大事。
などに絞られていたと思う。
そう考えると、もしかしてそれって、ジャズやシャンソンの歌手が日ごろやっていることを言っているのでは?
と思ったりもして。
ひょっとしたら、クラシックシンガーの方たちは難易度の高いことをやり過ぎていて、歌唱技術に終始してしまいがちなのかも。
う~む。
不思議だ。
しかし波多野さんのレッスンはポイントをよく突き、ざっくばらんで面白い。同時に語彙が豊富で分かりやすい。
こういうレッスンをしたいものです。
ご本人が「声」や「言葉」に対して飽くなき探求心を持ち続けていらっしゃるのも素晴らしい。
この方に誠実なファンが多いのも分かる気がする。
夕方は合唱部のリハーサル。
また新しい曲の練習も始まって、ストイックなわたくしたちは自虐的に歓んでおります。
よっしゃ!