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(旧)yoyo的日記

台湾での生活について、シェルターから受け入れた黒猫姉妹について、台湾で暮らして10年のyoyoが書いています。

台湾的ローカル美容法:「挽面」初体験

2011-09-04 | 台湾事情
どこの国でもそうだと思いますが、女性はおしゃれ大好きだし、いろいろとローカルな美容法というのもありますよね。
台湾には「挽面」という顔の産毛処理の美容法があります(中国にもあるみたいです)。
伝統的には下の写真のような感じで、「道路上」でおばちゃんがやっているものなので、そのまま歩道の端っこで椅子に座ってやっていただく感じです(つまり道行く人に見られながら)。


もちろんこういうローカルな感じだと若い女の子なんかは「道ばたでやるのはちょっと・・・」な感じですよね。というわけで、基本的には「おばさんが道ばたで気軽にやる美容法」的な感じで、実際私の周りでも同世代の人は一人もやったことがないと言っていました。

でもなにしろ「いったいどういう美容法なのか」よくわからないのにちょくちょく道で見かけるので、けっこう好奇心をそそられていたんですよね~

知ってる人は知ってると思いますが、私今月日本での結婚式を控えております。それで美容院のお姉さんに「三日くらい前までには『お顔剃り』に来てくださいね」と言われていました。
それでひらめいたのが、「挽面してもらえばいいんじゃないの?」という考え。だって、顔剃りも結局はメイク乗りをよくするための産毛処理ですよね。方法は多少違っても、目的は同じなんだからいいかも、と思ったわけです。いったん思いつくと人類学者の血が騒いで試してみずにはいられない気になりました
もちろん私もon the streetはちょっといやですが、幸い最近通っているエステサロンでも挽面をしてくれる、というのも後押しになったんです。

というわけで、予約を入れて初めての「挽面」体験!
自分でやってみるとよくわかるのですが、原理は結局「糸(デンタルフロスのような弾力のあるもの)を顔の産毛にからめて抜く」ということだと思います。
だから顔剃り(台湾ではむしろ顔剃りというのは聞いたことがありません)よりも毛根から抜けてきれいになるし、定期的に続けて行くことで産毛もだんだん細くなっていく、とエステのお姉さんも言っていました。
さらに角質を除去する効果もあるので、顔色が明るくなるしもちろんお化粧乗りもばっちり、といいことづくめ

これは台湾の報道で出て来た「挽面」です。



ですが、実はこれ、めっちゃ痛いんですよ~~~!!
どれくらい痛いかというと、処理をする前にお姉さんに「はい」とティッシュを手渡され、「?」と思っていると「涙が出たらこれで拭いてくださいね」って。涙が出るんかい!(そんなに痛いなんて事前にはいわなかったじゃんか

でも、本当に出ましたよ、涙
全部が全部痛いわけじゃなくてほとんど痛くないところもあれば、ピンポイントで「ちょっとタイムタイム!!」って感じで、お姉さんにいったんストップしてもらわないとダメなくらい痛いところもありました。具体的には髪の生え際とかですかねぇ~。もみあげのへんとか「髪だか産毛だかわからない」ような毛があるじゃないですか、あのへんを引っこ抜くとまじで涙が出るほど痛いです

挽面そのものは30分くらいで終わり、エステらしく、ちゃんとその後もお顔のパックとか炎症をしずめる処置とかをしてくれます。
痛い思いをしただけあって、翌日は確かに顔色がワントーン明るくなり、化粧水を使ってもすごくよく吸収されるし、触った感触もつるっとしてました。
「おぉ~」とちょっと感激して、痛い思いをしてもリピーターになる人が多いというのもうなずけるなぁと思いました。といっても、一番痛いのが初回で後は産毛がだんだん細くなるのであまり痛くなるそうですよ



日本でも最近はあるんですかね。YouTubeに「糸脱毛」で動画が載っていました。この動画の方がやり方がよくわかると思います。本当にすっごい細かいところまできれいに取れるので、けっこうすごい技術だと思います。それにしても、このモデルさん、ちっとも痛くなさそうな顔をしていますが、ほんとですかね~~どっちにしろ台湾でやるぶんには「相当痛い」と覚悟しておいた方がいいと思います。

でも実は後日談がありまして、この挽面をして三日くらいしてからばーっと吹き出物ができちゃったんですよ~
ダーリンにも「結婚式前に慣れないことをするな」と怒られちゃいましたよ別に挽面だけのせいじゃなくて、そのあとすぐフィールドに行って、衛生面でやや問題があったとか、身体が疲れていた、とかいろいろ原因はあったと思います。ただ、やっぱり挽面で肌に刺激を与えすぎたのも一因だろうなぁと思ったり
早く吹き出物治りますように

台湾の披露宴事情

2011-08-20 | 台湾事情
以前にも「台湾の結婚式事情」で書きましたが、台湾式の披露宴と日本の披露宴はずいぶん雰囲気が異なります。だいたい全体的にそうですけど、中国系の人たちにとっては「人が大勢でにぎやか」なことこそが「福」でそれが一番大事なことです。なので、披露宴も「とにかく大勢友達集めて飲んで騒いで祝ってもらう」感じです

前述のエントリにも書いたとおり、台湾の披露宴では一般的に正確な人数が把握できません。例えば、私が仲の良いお友達Aちゃんを招待して、彼女も「喜んで参加するわ」という返事をくれたとします。このご招待の段階では彼女はシングルだったのが、結婚式前に新しい彼氏ができたとします。そうすると「当然」その彼氏も連れてきます。その彼氏が新郎新婦と面識がまったくなくてもノープロブレム!なのです
こんな感じでそれぞれが彼氏彼女や妻子を連れて来たりこなかったりするので、人数の把握が大変なんですよね~
日本人の感覚からすると「でもそうしたらお料理の数が決められないじゃん」と思いますが、中華料理的に回るテーブルで大皿で出て来るので、人テーブルに一人や二人増えたところで全然関係ないんですよ。おおらかです~

そして、先ほどの例でいえば、Aちゃんと彼氏は二人セットで一つのご祝儀を包みますし、家族で来ても一家族で一つのご祝儀。なので、「人数=ご祝儀袋の数」では全然ありません。で、これで採算が取れるかというと、取れるんですよね~なぜなら披露宴のお食事が日本よりもはるかに安いから
「一テーブルいくら」で換算するのですが、そこそこいいホテルで一テーブルだいたい15,000元でしょうか。日本円で40,000円くらいです。一テーブルは10人がけなので、日本式に一人おいくらで換算すると一人4,000円くらいですよ。安いですよね~そんなわけで、一テーブルで3、4人くらいがご祝儀を包んでくれればだいたい元は取れる、という感じです。

さて、今回面白いなと思ったのが、こちらでは披露宴の前に「試食」をさせてくれるということ私も来月の披露宴に向けて、今回試食をしてきました~
試食と言っても私たちが考えるよりもずっと「正式」なもので、つまり「一テーブル分」丸々作ってもらいます(一テーブル分のお金を払って)。だから試食も普通は新郎新婦だけじゃなくて、親族も一緒に行くんですよ。
今回、私も私の台湾の家族といえる人たちと一緒に8人で一テーブルを囲み、全部で12品のお料理を試食してきました。デザートも含めて12品!しかも田舎の方はばーんとけっこう豪快な量が出るので、私はだいたい4品目くらいでもうお腹いっぱいになってしまいましたが(^^;

お料理はこんな感じ


さすがに「お肉がどーん」な感じで出ます。でもこの豚肉とろっとろになっててとってもおいしかったです


こちらは私のフィールドの当たりのお料理。「刺葱」というちょっと変わった香りのする香味野菜を使います。
私の大好きな味です~


このスープもおいしかったけど、私がどうしても食べたい別のスープがあったので、これは換えてもらうことにしました。

こんな感じで12品まるっと食べて「これはおいしいからキープ」「これはこういうのに換えて」などと注文して
最終的にお料理が決定できるわけです。
考えてみたら合理的なシステムですよね
日本でも新郎新婦が試食できるようになっているのでしょうか?


台湾の婚約事情

2011-03-06 | 台湾事情
台湾の結婚式について以前書きましたが、婚約については書いたことがありませんでした。今回、自分自身がそういう立場になり、いろいろとおもしろかったので書いてみます

日本でも伝統的には「結納」という儀式がありますが、今はどうなんでしょうね?今もちゃんと結納をやる人ってけっこういるんでしょうか。こちらにも結納にあたるような儀式はあり、そのまま「婚約式」のような名前で呼ばれています。ただ、こちらでは「婚約式」をきちんとやる人は今ではかなり少数派になっており、「結婚式と婚約式をいっしょにやった」というのも(日本人的にはわけわかりませんが)よく聞きます。

日本の結納であろうとこちらの婚約式であろうと、意図することはあまり変わりはなく、要するに両家で結婚の約束を正式にして、お互い顔見知りになっておく、みたいなことですよね
日本にも「結納品」がありますが、こちらでも婚約において「交換する品物」があります。6品目あるいは12品目と言われていますが、「餅」、アメ、衣服、「金飾」さらに豚肉や鶏肉などの品物が交換されます。男性側はさらに女性側に結納金のような現金も渡します。台湾では婚約式をするならそのときに結婚指輪も交換してしまいます。

おもしろいのが、日本ではこういう結納品などは「縁起の良い」奇数の数で交換されますが(7品とか9品とか)台湾では必ず偶数、しかも「6」という数字が大事なんですよねー。
まぁこの他にも「新婦(になる予定の女性)が新郎側の人々にお茶を出すとかいろいろ細かい決まりがあるのですが、ここでは省略。
「金飾」というのは新郎側の母からお嫁さんへと贈られる金のアクセサリーです。ネックレス、イヤリング(2つと数える)、ブレスレット2本、指輪、でこれも「6」品でそろえられます。



一般的なのってこんな感じなんですが(写真は一般台湾人のブログ記事より。私ではありません。笑)、見て分かるように、なんというか一般の現代の日本女性からすれば「いや、こういうのは私ちょっとつけませんが・・・」という感じですよね。そもそも私たちにとってなじみのある素材はプラチナや18Kであって、こんな黄色い金のアクセサリーなんてつけたことないです

こっちでも若い女性はこういう金のアクセサリーばかり付けるわけではないのですが、それでも金は「財産」として必要なんですよねー。お金に困ったら売ればいいし、みたいな

さて、前述の六品目の「餅」ですが、これは日本のおもちではありません。中国語で「餅」というのは小麦粉で作った平べったいお菓子のようなもののことを指します。特に婚約式に使うものでは「喜餅」(xibing)と呼ばれ、新婦側が親戚や友達に結婚のお知らせをすると同時に配るものとされています。
この「喜餅」というのを先日買いに行ったのですが、伝統的なのはこんな感じ。


中にはあんことかの甘いのもありますが、肉が入っているおかずっぽいのもあります。とにかく「重い」です
でも最近ではこういう伝統的な重くて古くさいのはいや、という人も多く、特に都会ではほとんどがクッキーですね。こんな感じ。


最近では赤い帽子の女の子ついた缶でおなじみの「チボリーナ」もこちらに進出して来て「日本風」ということで大人気になっています。

でも私からしてみると缶入りのクッキーはなんか「お歳暮?」みたいな感じでちょっとつまらない~。ということで選んだのが折衷型のこのタイプでした。


結局私が台湾の婚約式できちんとしたのはこの「喜餅」だけだったのですが(金飾もいらないかとしつこく聞かれたけど、いらないと言った)こういうお買い物はけっこう楽しいものでした。試食もできるし

台湾のバレンタイン事情

2011-02-16 | 台湾事情
もう二日過ぎてしまいましたが、台湾のバレンタインデーについて思ったことを書いてみます。


みなさんご存知とは思いますが、「バレンタインデーにチョコを贈る」という習慣は日本独自のもので、他の国ではそういう習慣ではありません。台湾はこのブログで何度も触れている通り大変日本びいき・日本通の国なので、知識としては多くの人が「日本にはそういう習慣がある」ということを知っていますが。
では、台湾では恋人たちはどうやって過ごすのでしょうか

ここでまず問題になるのが、台湾社会は基本的に旧暦で動いており、彼らにとって「恋人たちの日」といえば、それは本来旧暦の七月七日を指すということ。七夕が恋人たちの日というのはわかりやすいですよね
ただ、もちろん西洋文化もどんどん入っているので、新暦の2月14日も「西洋情人節」と呼ばれて祝われています前回、お正月の話をしましたが新暦の年越しと旧暦の年越し、どちらも(程度の差はありますが)祝うのと同じことです。ただ、以前は新暦の年越しや新暦のバレンタインデーはそんなにポピュラーなイベントではなかったのが、だんだんみんながなんらかのイベントをする日になっていっているような気がします。
こんなふうにどんどん旧暦と新暦、どちらも祝うようになっていったらイベントばかりが増えて行くことになりそうですね~

話をバレンタインデーに戻しますが、こちらでは恋人関係において「男性が常に『与える』側である」気がします。

(写真は「中国評論新聞網」から)
そのため、巷にあふれるレストランの「バレンタインデー特別コース」だの、バラの花束だの、プレゼントだの、というのはすべて男性側が用意するものであって、女性側はそれをenjoyしていればよい、という感じでしょうか。
台湾のカップルを見ていると、台湾の男性は大変だなーとよく思います(^^;

2011年の旧正月

2011-02-05 | 台湾事情
台湾を含めて中国人社会は基本的に旧暦で動いているので、「お正月」ももちろん旧正月で太陽暦のカレンダー上では毎年違う日になります。今年は2月2日が「大晦日」で3日が旧暦の元日でした。
ちなみに太陽暦のお正月の方は「跨年」と言って、旧暦のお正月である「過年」とは区別した言葉遣いになっています。「跨年」のほうはバーやクラブみたいな遊ぶところではパーティなんかがあったりしますが、社会的には普通の日です。
去年の旧正月のこともブログに書きましたが去年は2月の中旬だったんですねー

さて、去年も書いたように、旧正月の一番のメインイベントは「大晦日の夜の晩ご飯」です。これは家族や親戚がたくさん集まってわいわいにぎやかに食べるんですよ日本では「お正月」というのは1月1日からカウントしますが、こちらでは大晦日の夜からがもうお正月本番なので、普通「今年は何日がお正月だっけ?」というと「2月2日が大晦日」という風に答えます。お年玉も大晦日の夜から渡すことになります。
今年、私が用意したポチ袋はこんなの。ウサギ年だからウサギ柄のもありました


日本ではお正月といえば年末の年賀状書きが恒例ですが、こちらも似たようなものはあります。中国語では「賀年卡」と言います。最後の文字は中国語で「カード」という意味で、文字通りハガキではなく、見開きのカードです。

ちょうど欧米で年末に送り合うクリスマスカードみたいな感じですね。中国のお正月らしく、赤や金を使ったデザインのゴージャスなカードが多いです



このようなカードが書店にはたくさん売っているのですが、不思議なことにみんなお正月にこのようなカードを送り合ったりはしません。もしかして昔はあったけど、今はそういう習慣はなくなってしまったということなのでしょうか
カードを買うのは私のように「海外の知人に送るため」の人だけで、台湾国内で送ったり受け取ったりする人は見たことがない感じですね。
というか、そもそもこちらの人はほとんど「手紙を書く」習慣がなくなっているような気がします。年配の人は電話、若い人はメールや携帯メッセージだけを使っている感じですね。日本ではまだまだ「手書きの手紙」というものの重要度が高いと思いますが、いずれはこういう習慣もなくなってしまうのでしょうか。それもちょっと寂しい気がしますね。


あいぴょんの中国語(繁体字)入力方法さまざま

2010-07-12 | 台湾事情
あいぴょんを使い始めて早くも一ヶ月。
毎日使い倒しています

先月エントリした「あいぴょん買いました♪」が、なーんと私の敬愛するpodcast番組「ワンボタンの声」さまに私のコメントとともに取り上げられましたうれしい~~(感涙

番組中、中国語の入力方法に興味があるような感じのお話をされていたので、思い切って動画を撮ってみました~。しかし、かなり不鮮明かも・・・すみません。

デジカメで撮ったんですけど、デジカメ画面を覗きながらあいぴょんを操作するのって難しいです~




つまり、あいぴょんには現在、中国語(繁体字)入力方法はデフォルトで五つ入っているわけなんですが、
一つ目が「手書き入力」、
二つ目が「注音入力」(台湾独自の表音記号と声調で入力する)、
三つ目が「書き順入力」、
四つ目が「ピンイン入力」(中国のほうで一般的なローマ字入力)、
五つ目が「倉頡入力」(漢字の構造と形態のパターンで入力する)
のようになっています。
「手書き」と「書き順」入力以外はパソコンで入力するときにもよく使う入力方法なわけですが、パソコンだと実はさらにあと2、3個別の入力方法があります。中国語の入力方法は多様なんですよ~

一般の台湾の人がたぶん一番よく使っているのが「注音」で、私も普段Macで使っているのはこれです。手書きも早いですけど、簡体字ならともかく繁体字は画数が多くて大変なときも多いです

ただ、中国語の変換ってどうもかなり固定的で日本語の変換みたいに、どんどん学習してよく使う単語が先に出てくるわけではないんですよね。そのへん、iPhoneだとパソコンよりもさらに顕著な感じでイラッとします

というわけで、簡単に中国語の入力方法を説明してみました~

旧正月の過ごし方(2)

2010-02-21 | 台湾事情
さて、旧正月もいよいよ今日で本当に終わり。明日からはまったく平常通りの生活に戻ります。一般的には「元旦から五日間」がお正月な感じですが、前回の記事で言ったように「大晦日の晩ご飯」がメインイベントなので、みんな大晦日からお正月休みに入ります。だから、お店は早めに開いたりするものの、企業は基本的に六日間はばっちり休む感じですね。特に今年は休み明けとなるべき日がちょうど金曜だったので、みんな「じゃあついでにもう一日休んで月曜から仕事にしましょう」ということになったようです公務員もですよ~。日本のお正月休みに比べてずいぶんのんびりしてますよね今年は海外旅行へ行く人もずいぶん多かったようです。

元旦の朝、誰かに会うと「明けましておめでとう」とさらに「今年もお金がもうかりますように」みたいな言葉を言います。中国人っぽいですね~(笑)
元旦は別に行事はないので、私は毎年この日お友達のおうちに遊びに行きます。ここではまた大賭博大会が

だいたいみんな100元札(ピンクのお札。300円弱)で賭けていますが、中には1000元札(青いお札。3000円弱)で賭ける人も。みんな大騒ぎです。
ここでも、お正月らしい豚の腸詰めや豚足などのお料理が並びます。



前回ちらっと「紅包」の話をしましたが、これ、かなり大変な出費になるんですよね。まず両親に渡しますが、父親と母親、一人ずつに6,000元ずつくらい(合わせて35,000円くらい)渡しますし、もし祖父母がいればまた同じくらいの額を渡します。さらに親戚の子や友達の子にも渡すのですが、日本と違うのがたとえ一ヶ月の赤ちゃんにでも渡すところ。赤ちゃんや子供にはそんなに多くは包みませんが、それでも最低600元(1,800円くらい)。
見ててわかると思いますが、こっちはお正月に会う人の数、集まる親戚の数が日本のお正月の比ではないので、こういう紅包がけっこうな額になるんですよ。いやはや、大変
もちろん上記の金額は一応の目安で、経済力が高い人は紅包もばーんと包みます(60,000元とか)。

こちらでは大晦日から新しい下着を身に着けて新しい年を迎えるわけですが、これも中国のお正月らしく赤い下着ですしかもなんというか朱色が混じったような独特の色の赤ですね~。年末になるとこの手の下着が「新年開運下着」みたいな感じでどこでもばばーっと売られています(男女とも)。こんな感じの下着です。

あ、ちなみにこの画像はネットショッピングサイトです。私ではありませんよ

旧正月の過ごし方(1)

2010-02-14 | 台湾事情
さて、今日は2月14日。しかし、大事なのはバレンタインデーということではありません。今年は今日が旧暦の一月一日、旧正月なのですよ~。
2、3日前からいわゆる「新春番組」みたいなのも始まり、「お正月ソング」がテレビでも外のお店などでも流れています。こんなのです(特に一曲目)



なんかこの「Gongxi gongxi gongxini~」というメロディが頭から離れない~つい口ずさんでしまいます

それに、基本的に中国社会はオール旧暦で動いているので、「バレンタインデー」というものも旧正月の方が盛り上がります。バレンタインデーがいつかというと、旧暦の七月七日、七夕なんですよね~。織り姫と彦星がデートする日ですもん、確かに恋人たちの日ですよねこちらではその日は「情人節」と呼ばれます。

さて、旧正月に話を戻しますが、お正月前にボーナスが出たり、親戚に贈り物を贈ったり、大掃除したりするのは日本と同じ。しかし、日本で言う「おせち」みたいなものはなく、そもそもお正月において一番大事なご飯は大晦日の夜のご飯です。

これは「年夜飯」と呼ばれ、家族や親戚たちとわいわいしながら食べます。
で、どんなものを食べるのかというと、こんな感じ


一羽丸ごとを焼いた鶏肉やお魚、大根モチ(手前の大きな丸いのがそうです、すりおろした大根とお米の粉でできています)などなど。あ、「お餅」もあります(手前右の茶色いやつ)が、あまーいおやつ感覚なものですね。

こういったものはわりと基本で、あとは地域や家庭によってさまざまなバリエーションをつけながら全部で10皿くらいのものを作り、まずは神明卓(神棚みたいな)にお供えしてお線香をあげます。それからみんなで食べるという感じ。
ただ、近年では年夜飯をレストランで食べるひともいて、特に都会ではその傾向が強いです。私もダーリンの家族と一緒に年夜飯を食べたのですが、やっぱりレストランでした。つまり、これらの最低限の基本メニューは一応作ってお供えしますが、本当に食べるときはレストランのメニューだった訳です。

レストランではこの日は普通のメニューではなく、「年夜飯、ひとテーブル○○元」で売り出していて、かなり前から予約しないと有名なレストランはなかなか席がとれないんですよ~。

今日食べたレストランは上海料理のレストランだったので、なかなか豪華な上海料理をいただけました




これはなまこです。漢方では滋養強壮の薬なので、こういうおめでたいお料理にはけっこう出てきますね~。

食べ物で言うと、日本のおせちとはかなり違っていて、基本的に「お正月にしか出てこない」ようなものはほとんどありません(今の私たちの生活だと黒豆だの田作りだのおなますだのってそんなにふだん食べませんよね)。なんというか「ごちそう」であり、結婚式のメニューでも出てきてもおかしくないようなものが多いです。

さて、「お正月」といえばお年玉ですよね♪
こちらでは「紅包」といって、本当に赤い包みに入っているんですよ。これは今年私が使った紅包用の封筒です。


キティちゃんのもあるんですよね~。あと、桃はこちらでは吉祥・長寿のシンボルです。一番左のは銀行に勤めている友人がくれたもの、ちゃんと虎が描いてあります


台湾人はけっこうマージャン好きな人が多いのですが、昔の中国とは違い、ある意味「そんなに好ましくない趣味」というような位置づけの気がします。というのも、友達同士でやったとしてもかなりのお金が動くからなんですよね~いわば賭博の一つです。
でも、お正月ばかりは、「賭博解禁」となり、親戚や友達同士が集まるとどこでもマージャンやトランプ(これもお金を賭けますよ~)、チンチロリンみたいなサイコロを使ったもの、なんかを嬉々としてしています。
以前、大学で「僕はいつもお正月のマージャンで新学期の学費を稼ぐんですよね~」と言っていた後輩もいました(笑)学校はこのお正月が終わるとすぐに新学期なんです。

台湾お葬式事情:二週間かけて行われるお葬式。

2010-01-18 | 台湾事情
実はここ二日連続でお葬式がありました。
土曜日が友人のお母様で、日曜日は博士課程のときの知り合い。どちらも癌でした。
どちらも台湾一般的な民間信仰のスタイルのお葬式だったのですが、そういえば台湾のお葬式については書いてなかったので、この機に少し書いてみたいと思います。


(これは亡くなった方の着る服です)

二人とも亡くなったのは今月の初め(3日と5日)。「え、ずいぶん時間が経ってるんじゃ」と思われるでしょうがその通り。一般的に台湾人のお葬式は2週間くらいかけて行われるのです。

これは台北の葬儀会社のサイトからお借りした「お葬式の流れ」です。

途中で「自宅停棺(冷蔵)」とありますが、この期間が長いわけです。
「そんなに置いといて大丈夫なの?」と日本人は思うでしょうが、特に夏だとちょっと心配になりますよねー。でも夏でもやっぱりみんな10日間くらいは当たり前に置いています。棺のある部屋はがんがんに冷房を効かせているし、棺そのものにもなんらかの保冷機能が施されているのかも

この自宅に棺を置いておく時間というのは、亡くなった方によって違います。台湾人は「八字」というのを非常に重要視するのですが、これは簡単に言えば生まれたときの年月日さらに何時に生まれたかによってその人の運命を決めるやり方です。結婚のときにも相手の「八字」と合うかどうかが重要なこととされますし、そのほか大事な物事を決めるときの基準になります。亡くなったときもこの八字によってお葬式の時間が決められるわけです。
また、死者の年齢や亡くなった状況、さらにはそのお宅の財力なども影響します。

この自宅に棺を置いておく時間というのはいわば、私たちの「お通夜」がずーっと続くような状態で、基本的に棺のそばには必ず誰かが起きてついていなければならないので、親族は順番でこの当番に当たります。またこの期間は親族はみなお肉類などは食べず、ベジタリアン用のご飯を食べますが、この食事も葬儀会社が準備してセットになっていることも多いようです。

日本だとお通夜も含めて死者にお別れをするまでに1日ちょっとくらいしか時間がないですよね。でもこちらでは長い長い時間をかけて親族が亡くなったことを受け入れて行くシステムになっているように思いました。

写真をお借りしたサイト誼霖葬儀禮品公司

蘭嶼へ行って来ました(3): タオ族の伝統的生活

2009-11-14 | 台湾事情
蘭嶼はもともと台湾原住民の一族であるタオ族の住む島であり、漢民族の移住があるとはいえ、今現在も島民の8割以上がタオ族の人たちです。今回はタオ族の伝統的な生活について簡単に紹介します


蘭嶼の朝。いいお天気に恵まれました。

私は今回初めて蘭嶼へ行ったわけですが、正直、台湾本土の原住民とずいぶん違うことにかなり驚きました。
まず言語ですが、離島という環境と日本統治時代の保護政策により、タオ語は今でも島民の主要な言語です。お年寄りの方はもちろん、かなり若い世代でもみなタオ語で日常的に話していました。タオ語は台湾本土の原住民と同様オーストロネシア語族ですが、タオ語は特にフィリピンのバタン諸島の人々の言葉と関係が深いと言われており、実際にタオの人はバタンの人とそのまま自分たちの母語同士で話しても6割くらいは通じると話していました。

島についてまず目につくのが水芋畑。


水芋はタロイモの一種ですが、水稲のように浅く水を張った田で作られるものです。田芋とも呼ばれていて、沖縄でも多く作られています。蘭嶼は気候と土壌の関係で、稲があまり育たず、また粟の生産量も高くないため、伝統的にはこの水芋がタオ族の人たちの大事な主食となっていました。今はもちろんお米も台東(台湾の主要な米の産地です)から入って来て自由に食べられますが、それでも水芋畑は今でも島中に作られています。

この棚田のようになっているのが全部水芋畑です。

それから水芋と同じくらいたくさん見かけるのが干し魚。


あちらこちらに干してあります。

タオ族の人は「私たちの冷蔵庫は海にある」というくらい、海で取れる魚や貝を主なおかずとしているのですが、蘭嶼は風が強い島で特に冬には北東からの風が強く吹いて波が荒れ、船が出せないこともしばしば。そこで、船が出せないときに供えて捕れた魚を干して保存しておくのだそうです。
また、一般の台湾本土の料理とは異なり、こちらの伝統的な料理は油で炒めることは少なく、水で煮る料理法が多く、この干し魚もスープにして頂くそうです。しかも、海水をそのまま使って自然の塩分で魚のスープを作るんですって

このような生活をしているタオ族にとって、船はもちろんとても大切なものです。タオ族の伝統的な船は舳先が上に飛び上がったような独特の形をしています。そして伝統的な彼らの色(赤・白・黒)でシンボリックな模様がかかれていてすごくきれい。

この船は普段は船用の小屋に入れてあります。


この船にかかれている模様は至る所に描かれていて、小学校もすごく素敵でした


それから、タオ族の家屋も非常に独特な構造です。今回は写真があまり撮れなかったのですが、彼らの伝統的な家屋はこのように地下に埋もれているように建てられています。

蘭嶼は山が多くて平地が少なく、さらに前述したように風が非常に強いため、防風のためにこのような作りになっていると言われています。でも、このような地下の家は防風には優れていても湿気が強く蒸し暑いため、この母屋とセットになって「涼み台」も必ず作られています。

天気さえ良ければ、皆、涼み台でおしゃべりしたり、ご飯を食べたりしているわけです。私もここでのんびりしました~

蘭嶼は台湾の南東に位置し、台湾の人でもみな常夏の島のように思っている人が多いのですが、実は冬は涼しく、風が強く吹く日はかなり寒いです。そのため、島の観光業は夏(4月から10月くらい?)がメインで、今の時期は店を閉めているところがほとんどでした。なんとなくギリシャの島々のような感じでしたね。
ここはトビウオが信仰の対象にもなっていて、トビウオに関する祭儀も毎年3月くらいから行われます。私も来年はぜひここのトビウオ祭を見てみたいですねぇ。


この海で泳ぎたい~


帰りの飛行機の窓から撮りました。海がどんなにきれいかわかるでしょうか。