(旧)yoyo的日記

台湾での生活について、シェルターから受け入れた黒猫姉妹について、台湾で暮らして10年のyoyoが書いています。

2月に読んだ本 from読書メーター

2012-03-03 | 文献・学術
こういうのが貼付けられると知ったのでちょっとやってみた♪

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2012年2月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1207ページ
ナイス数:2ナイス

■顔に降りかかる雨 (講談社文庫)
『残虐記』を読んだ後だったので、桐野さんにしては軽やかに感じたかも。最初はちょっと読みづらい感じがしたけど、中盤からどんどん話が動いて行って一気に読めました。伏線を全部きっちり拾って、きれいにエンディングが決まった感じのミステリーです。主人公のミロにはまだあんまり感情移入できないけど、お父さんは素敵だなぁ~~お父さんのスピンアウト的な話も読んでみたい。
読了日:02月22日 著者:桐野 夏生
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16866940

■東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)
最初はかなり軽い感じの読み物なんだけど、中盤からポストイットを貼りたくなるところが続出。「上野千鶴子信者」なところが癇に障る人もいるだろうけど、私はこんな先生に学んでみたい、と思った。実際「なんかがんばって勉強しないと!」という気になる本。モチベーションが下がってるときに読むといいかも。
読了日:02月15日 著者:遥 洋子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16649011

■走ることについて語るときに僕の語ること
タイトルから「ランニング」について特化した本のイメージがあるかもしれないけれど、本人が最初に明確に述べているようにこれは「走ることを通して語る村上春樹の人生観」だと思う。だから「走らない」私でも共感できる部分は相当多くあったし、実際(他の彼の本同様)何度も読んでみたくなる作品だった。そしてなんとなく走りたくなったことにもびっくり(笑)
読了日:02月12日 著者:村上 春樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16552831

■アーカイブズが社会を変える-公文書管理法と情報革命 (平凡社新書)
アーカイブズについていろいろ読んでいる途中だけど、この本は初級者向けな感じ。広く浅く語られているので、中で語られている例えば「資料の選別について」や「デジタルであること」などについてはもっと他のものを読まないとよくわからないかも。
読了日:02月04日 著者:松岡 資明
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16318421


▼2012年2月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/178815/matome

▼読書メーター
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matansun(後)

2008-08-06 | 文献・学術
ここしばらくフィールドへ行く機会が増えています。フィールドにいると、なんだかのんびりしてしまってあまりお勉強モードにならないのですが、それでもやはり山にいると心が癒されます。

さて、先週末、邵族の村ではmatansunという儀礼が行われました。実は去年にも少し紹介したのですが、今回はもう少し詳しく紹介したいと思います。

このmatansunという儀礼は毎年旧暦の七月の最初に行われる儀礼です。基本的に邵族の儀礼の多くは中日を置いて二日に分けて行われます。なので、この儀礼もまず七月一日にmatansunの1回目を行い、二日は休みで三日に再び二回目の儀礼を行う、というやり方です。

この写真はmatansunの二回目の儀礼ですが、この儀礼は「mulalu tuza」とも呼ばれ、「ウナギ」(tuza)を祀るものです。日月潭の湖の中には大きな白いウナギが住んでいるといわれており、このウナギが非常に生命力の強いものと考えられています。だから、この儀礼では白いウナギを模したお餅を祀ることによって、この強い生命力にあやかるわけです。


写真でそれぞれの「ウナギ」に名前が付けられているのが分かるでしょうか。
この名前は邵族の世帯主の名前で、シャーマンがすべての邵族の家族にこのウナギの強い生命力が宿るように祖霊に祈るのです。儀礼が終わると、ウナギの頭部分はそれぞれのおうちに持って帰って家族で食べ、しっぽのほうは夜の宴会でみんなで食べます。

台湾で食べるお餅もなかなかおいしかったですよ

新しいシャーマンの誕生

2008-04-12 | 文献・学術
先週から1週間ほど、フィールドワークに出かけていました。
台北はまたちょっと寒さが戻って来ていますが、中部地方ではかなり初夏な感じのお天気です。でもまだ本格的に暑いというほどではなく、湖面も太陽に照らされてキラキラしていて、とてもいい陽気でした。

今回、もともと私の研究している邵族の「播種祭」を見に行ったのですが、ちょうど新しいシャーマンが誕生する儀礼があるというので、滞在を延ばしてみていました。新しいシャーマンはそんなにしょっちゅう生まれるものではないので(ちなみに前回は五年前でした)、今回見ることができてラッキーでした。


邵族のシャーマンは、すべて既婚女性です。今回シャーマンになったのは50歳の女性Aさん。写真では真ん中で毛糸のショールのようなものをかぶっている人です。シャーマンになるにはいろいろな方法がありますが(「世襲型」や「天命型」など)、邵族の場合は自由意思でシャーマンになるかどうかを決めることになっています。しかし、シャーマンになるということは、邵族の祖霊たちと「これからの生涯、ずっと死ぬまでシャーマンとして祖霊に仕える」という一種の契約で、自由意思で勝手にやめることはできません。基本的に死ぬまでシャーマンでいなければならないのです。去年、シャーマンの一人が病気で急死し、さらにもう一人のシャーマンが病気で儀礼を営むことができなくなり、現在邵族のシャーマンは四人だけ、これでは少なすぎるので(普通7人くらいいるのがベストとされています)、昨年から四人のシャーマンがAさんをくどき、やっとAさんがシャーマンになることを承諾し、「シャーマンになる儀礼」を行いました。これからAさんは何年もの長い時間をかけてシャーマンの儀礼の数々、特にサオ語で唱える祭祀用の言葉を覚えていきます。
大変なことではありますが、邵族にとって彼らの伝統的な祖霊崇拝にシャーマンの存在は必要不可欠なので、新しいシャーマンの誕生でみんなうれしそうでした

日月潭

2007-08-15 | 文献・学術
久しぶりに台湾中部の日月潭でフィールドワーク中です。
台風が接近中のため、雨がちなお天気ですが、いつもの激暑いフィールドよりもすごしやすいかもしれません。それに、雨が上がった後の日月潭の美しいこと!
雨上がりの日月潭は霧が出て、周囲の山にかかり、とても風情があります。フィールドワーク中は楽しいことばかりではありませんが、この景色を見ているだけで毎日かなり癒されます。
次回は、今回行われた儀礼について少し紹介します。

『サバルタンと歴史』

2007-06-07 | 文献・学術
先日注文した本が紀伊国屋書店さんから届きました。
いやー紀伊国屋さんは仕事が速いし、丁寧だし、さすがだなーと
いつも思います。

さて、今回メインで読みたいのは『サバルタンと歴史』(崎山政毅著、
青土社)です。
subalternに関する文献を読み出したのは去年からですが、日本語のものは
読んだことがなかったので、subalternが「サバルタン」というカタカナだ
というのも、また日本語で「従属集団」と訳されていることも「subalternに
関する日本語の本ないかなぁ~」と調べ始めて初めて知りました(こんなこと
ではいけませんが・・・)

この本を読むのが楽しみです。わくわく

大学教授の日米比較

2007-05-27 | 文献・学術
今、私のいる「中央研究院民族学研究所」という研究機関では
基本的に毎週いろいろな方がいらして講演をします。
台湾人の研究者のこともありますが、半分くらいは外国人、
あるいは外国で研究をして帰って来た人です。

今週はなぜか三つも講演があり、しかもみなそれぞれにビッグネーム。
特におとといの金曜日はJohn Comaroffというアメリカ・シカゴ大の
めちゃめちゃ有名な人類学者です。

私は名前はもちろん知っていたし、本も読んだことがあり、現代の
人類学者の中で最も尊敬する人のひとりなのですが、ご尊顔を
拝したのはこれが初めて。

いや~ロマンスグレーでかっこよかったです~~
髪型とか顔の感じはちょっとリチャード・ギアっぽい人でした。

しかし!彼のスピーチはものすごくエネルギッシュで情熱的。
広い会場をうろうろと歩き回り、時には机に腰掛け、時には立ったままで
マシンガントークを繰り広げて、会場中のみんなをコマロフ・ファンに
してしまいました。ものすごくカリスマティックな先生です。

そして、一転して昨日は日本からいらした末成道男先生の講演。
末成先生はもう10年以上台湾の研究をしていらっしゃり、特に
原住民の宗教関係においてはこちらでも権威とされているので、
会場にはかなり多くの人がいらしていました。

末成先生はいかにも日本の学者タイプで、ひょろっとやせていて、
やや厳しそうなお顔。(実際はとても優しい先生ですが)
スピーチの際も自分で考えながら低めの声でゆっくりと話されています。
もちろん立って話したり、というパフォーマンスはなさいません。
会場の方から質問があっても、「そうですね・・・」とまずちょっと
お考えになられてからゆっくり言葉を選んで答えるという感じで、
前日のコマロフ先生とものすごく対照的でした。

もちろんアメリカやほかの西欧諸国の先生方が全員コマロフ先生のように
エネルギッシュな感じではないだろうと思いますが、ある程度、
ああいう「動」的な感じが「人気のある先生の典型」だろうなと思いました。
一方で日本の学者タイプの先生はやはり末成先生のように「静」的な
感じの方が多いよなぁと思い、こんなところでも日米の美徳にもつながる
観念の差を感じました。

図書館について

2007-05-07 | 文献・学術
今回、帰省した際に実家で免許証の更新をしただけではなく、
東京にまで足を運んだのは久々に日本の図書館で資料を見たいと
思ったから。
思いがけない面白い発見はけっこうあったけど、元々メインで
見たかった新聞は今回十分に見ることができなかったのが残念でした。

日本統治時代の台湾に関しては、東京の「台湾協会」
という財団法人がかなり独自の資料を集めています。
終戦と同時に日本に引き上げて来た台湾在住だった日本人同士のつながり、
というのもここがサポートしています。
しかし、ここの図書室というところは恐ろしくアナログなところなので、
もし興味があって行ってみたいと思う方があればまず先に電話してみる
ことを強くお勧めします。

今回私も「担当の女性がお休みで、他の者では使い方がわからない」と
いわれ、マイクロフィルムが見せてもらえませんでした・・・

でもなんとか東京大学の図書室(法文二号館4F)で同じマイクロが
あったのでそちらで見ることができたのでラッキー♪
日本の図書館というのは外部の人にずいぶん敷居が高いものだと
思っていたけど(そして往々にして実際そうですが)、東大はわりと
利用しやすくて好感触でした。某W大なんかとは大違い~~
これからも機会があれば東大の図書室を利用してみたいと思いました♪