(旧)yoyo的日記

台湾での生活について、シェルターから受け入れた黒猫姉妹について、台湾で暮らして10年のyoyoが書いています。

matansun(後)

2008-08-06 | 文献・学術
ここしばらくフィールドへ行く機会が増えています。フィールドにいると、なんだかのんびりしてしまってあまりお勉強モードにならないのですが、それでもやはり山にいると心が癒されます。

さて、先週末、邵族の村ではmatansunという儀礼が行われました。実は去年にも少し紹介したのですが、今回はもう少し詳しく紹介したいと思います。

このmatansunという儀礼は毎年旧暦の七月の最初に行われる儀礼です。基本的に邵族の儀礼の多くは中日を置いて二日に分けて行われます。なので、この儀礼もまず七月一日にmatansunの1回目を行い、二日は休みで三日に再び二回目の儀礼を行う、というやり方です。

この写真はmatansunの二回目の儀礼ですが、この儀礼は「mulalu tuza」とも呼ばれ、「ウナギ」(tuza)を祀るものです。日月潭の湖の中には大きな白いウナギが住んでいるといわれており、このウナギが非常に生命力の強いものと考えられています。だから、この儀礼では白いウナギを模したお餅を祀ることによって、この強い生命力にあやかるわけです。


写真でそれぞれの「ウナギ」に名前が付けられているのが分かるでしょうか。
この名前は邵族の世帯主の名前で、シャーマンがすべての邵族の家族にこのウナギの強い生命力が宿るように祖霊に祈るのです。儀礼が終わると、ウナギの頭部分はそれぞれのおうちに持って帰って家族で食べ、しっぽのほうは夜の宴会でみんなで食べます。

台湾で食べるお餅もなかなかおいしかったですよ

武界

2008-08-02 | 台湾事情
今、私は台湾の中部、日月潭でフィールドをしていますが、チャンスがあって久しぶりに近くの村へ出かけました。出かけたのは、武界(ブカイ)という村で、台湾の原住民のブヌン族が住んでいます。
私の研究している邵族とは違い、もっと山の上のほうで暮らし、農業に従事している方が多く、穏やかで明るい性格の人が多いですね。
上の写真を見てわかる通り、武界は高い山に囲まれたちょっと「秘境」的な雰囲気のところで、バス等もなく、特に台風後の今は道も悪いので誰かに迎えに来てもらわないとなかなかたどり着けないところです。

たどり着くのはたいへんですが、すばらしく美しく、空気の良いところで、いつ来てものんびりした気分になり、いやなことも忘れてしまいます。
またここは日本時代の名残も深いところで、日本時代に台湾全土に電力を供給するための水力発電の工事をしたところですし、また高地にも関わらず日本時代に作られた立派な灌漑設備があるために今でも水田があります。


日月潭は今や私の第二のふるさとのようなところですが、武界もフィールドに疲れると癒されに行きたくなるところです。

☆今回の写真は同行されたY先生に提供していただきました