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2足のワラジ履いてみませんか?~予備自衛官制度~その1

2018年04月19日 06時15分00秒 | 陸上自衛隊
先日ご紹介させていただいた国民の自衛官受章者・新井博文さんは、即応予備自衛官でした。

皆さん、予備自衛官制度ってどれくらいご存じですか?
私は名前を知っている程度で、詳しい内容は全く知りませんでした。


(画像と青字の部分は全て予備自衛官制度Webサイトより)


予備自衛官制度とは、

多くの国では、普段から、いざという時に必要となる防衛力を急速かつ計画的に確保するため予備役制度を整備しています。

我が国においては、これに相当するものとして即応予備自衛官制度、予備自衛官制度、予備自衛官補制度という3つの制度(以下、「予備自衛官等制度」)を設けています。

いずれも、普段は社会人や学生としてそれぞれの職業に従事しながら、 一方では自衛官として必要とされる練度を維持するために訓練に応じるものです。
そして、予備自衛官と即応予備自衛官は、防衛招集や災害招集などに応じて出頭し、自衛官として活動します。

有事の時には、大きな防衛力が必要です。
しかし、その防衛力を日頃から保持することは効率的ではありません。

このため、普段は、必要最小限の防衛力で対応し、有事の時に急速に人員を集めることができる予備の防衛力が必要なのです。
多くの国でもこの制度を取り入れています。




予備自衛官制度と言っても、即応予備自衛官、予備自衛官、予備自衛官補と、3種類あるんですね。


自衛官経験の無い一般人がなれるのは、まずは予備自衛官補だそうです。




自衛官未経験者を予備自衛官補として採用し、所要の教育訓練を経た後、予備自衛官として任用する制度です。

国民に広く自衛隊に接する機会を設け、防衛基盤の育成・拡大を図るとの視点に立って、将来にわたり、予備自衛官の勢力を安定的に確保し、更に情報通信技術(IT)革命や自衛隊の役割の多様化等を受け、民間の優れた専門技能を有効に活用し得るよう、予備自衛官制度へ公募制(予備自衛官補制度)を導入しました。

希望者を、試験等により予備自衛官補として採用し、所定の教育訓練終了後、予備自衛官として任用します。

一般(駐屯地の警備要員や補給などの後方支援等の任務にあたる予備自衛官になるコースです。)と 技能(医療従事者、語学要員等の専門分野における任務にあたる予備自衛官になるコースです。)があります。



予備自衛官補は、平成14年度から採用が始まった、比較的新しい制度なのだそうです。


予備自衛官補は、一般公募と技能公募があるのですが、まずは一般公募から見ていきたいと思います。

最初にチェックするのは、なんと言ってもこれを満たしていなければ、試験さえ受けられない受験資格から。

・18歳以上34歳未満の者
・自衛官であった者は、自衛官であった期間が1年未満の者
・この試験を受けられない者
ア 日本国籍を有しない者
イ 自衛隊法第38条第1項の規定により自衛隊員となることができない者
○ 成年被後見人又は被保佐人
○ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
○ 法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
○ 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者 


私、年齢でもうアウトだわ。
それ以外は全部満たしてるのに!

受験資格をクリアできたら、試験を受けることができます。

試験の内容は、
筆記試験(国語、数学、理科、社会、英語、作文)
口述試験(個別面接)
適性検査(予備自衛官補としての適性を判定する検査)
身体検査(身体検査の合格基準による) 

となっています。

この身体検査というのもなかなか厳しくて、一部抜粋しますと、

・男子は身長155㎝以上、肺活量3,000cc以上
・女子は身長150cm以上、肺活量2,400cc以上
・胸囲・体重は身長と均衡を保っているもの
・色盲又は強度の色弱でないもの
・聴力が正常なもの
・多数のう歯又は欠損歯(治療を完了したものを除く)のないもの
・両側とも裸眼視力が0.6以上、裸眼視力が0.1以上で矯正視力が0.8以上又は裸眼視力が0.1未満であって矯正視力がプラスマイナス8.0ジオプトリーを超えない範囲の屈折度のレンズによって0.8以上であるもの
・記載された検査項目以外にも、自衛隊の任務を遂行する上で支障をきたす疾患(重篤な症状をきたす可能性の高い食物アレルギーなど)について不合格となることがあります。
・「既往歴」「手術歴」のあるものは、問診表に確実に記載し、身体検査時に必ず申し出てください。故意に事実と異なる申告をした場合は、判明した時点で不合格となることがあります。
・身体健全で慢性疾患、感染症に罹患していないもの。また、四肢関節等に異常のないもの
・慢性疾患には次のものも含まれます。
 ⑴気管支喘息(小児期に喘息と診断されたが、最近3年間は無治療で発作のないものは除く。)
 ⑵常時治療を要する又は感染症を伴う重症なアトピー性皮膚炎
 ⑶腰痛(5年以上無症状で再発のおそれのないものを除く。)
  脊椎疾患にかかわる手術を5年以内に受けたもの       
 ⑷てんかん、意識障害の既往歴のあるもの(ただし、乳幼児期に限定した熱性けいれん等を除く。)
 ⑸過度の肥満症
 ⑹高血圧症、低血圧症
・開腹手術の既往歴のないもの(ただし、次のものを除く。)
 ⑴外そけい・臍ヘルニア根治術
 ⑵腸管癒着症状を残さない虫垂切除術
 ⑶開腹手術のうち、腹腔鏡下手術の実施後1年以上再発・後遺症がないもの
 ⑷開腹手術の実施後5年以上再発・後遺症がないもの
・刺青がないもの
・自殺企図の既往歴のないもの
・妊娠中でないもの
・ペースメーカーを装着していないもの
・躁うつ病等の精神疾患のないもの又は既往歴のないもの
・試験に併せて薬物使用検査を実施します。


いかがでしょうか?
けっこう厳しくないですか?

筆記試験も面接も適性検査も身体検査も全てクリアすると、

合格者は、採用候補者名簿に記載され、上位者から順次採用予定者となります。

とのことですので、試験が良くできた順に採用されるということですね。

予備自衛官補に採用されると、教育訓練を受けることになります。
訓練は、一般公募は3年以内に50日、合計400時間履修しなければなりません。

ちなみに、
予備自衛官補の期間中は、教育訓練に応じる義務のみを有します。防衛召集、国民保護等召集及び災害召集への応召義務はありません。

という訳で、訓練は義務です!



5日間連続での訓練を、3年以内に10回こなさなければなりません。
訓練中は駐屯地にお泊まりです。





いくら、一般人の予備自衛官補と言えども、全ての訓練を修了したら、有事に防衛招集等に応じる義務のある予備自衛官に採用される可能性もあるわけですから、25km行進や実弾射撃などの訓練が行われます。



予備自衛官補には、一般公募のほかに、技能公募もあります。
技能公募とは、
語学や医療技術、整備などの分野に精通した皆さんが応募することができます。
とのこと。

ちなみに、
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、 救急救命士、栄養士、システムアナリスト、 第1種情報処理技術者、 ソフトウェア開発技術者、第1級総合無線通信士、第1種電気主任技術者、1級又は2級建築士、測量士、自動車整備士、放射線取扱主任者、弁護士、司法書士
などの国家資格保持者と、
英語、ロシア語、朝鮮語、中国語、アラビア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語
に堪能な方ですね。

こちらは年齢制限が
18歳以上で、保有する技能に応じ53~55歳未満
となっており、試験も、
筆記試験(小論文)
口述試験(個別面接)
適性検査(予備自衛官補としての適性を判定する検査)
身体検査(身体検査の合格基準による)

このようになっています。

私、こっちなら年齢制限大丈夫だけど、何か資格取得するところから始めなきゃだわ。


技能公募で採用されると、2年以内に5日間を2回、合計80時間の訓練を受けなければなりません。



技能公募は、専門技術を生かして予備自衛官になることを期待されているだけあって、訓練も一般公募とは違いますね。


ちなみに予備自衛官補は、
身分:非常勤の特別職国家公務員
教育訓練招集手当:日額7,900円(教育訓練参加日数分支給)
教育訓練招集旅費:教育訓練招集に応じて教育訓練に参加する場合、自宅から教育訓練実施駐屯地等までの交通費を支給します。
食事:教育訓練招集間は無料支給されます。
宿泊:教育訓練招集間は駐屯地等内の定められた宿舎に起居(無料)することとなります。
被服等:教育訓練で使用する作業服等は無償貸与されます。

さらに、
公務に起因する災害(負傷、疾病、障害、死亡)については、現職の自衛官と同様、本人又はその遺族に対し、補償を行います。
とのことです。
身分や手当は、一般も技能も共通です。


一般公募も技能公募も、すべての教育訓練を終了すると、いよいよ予備自衛官として任用されます!

次回は予備自衛官について見ていきたいと思います。



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