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他を生かすための精鋭たち~航空救難団~その4

2018年05月03日 06時15分00秒 | 航空自衛隊
航空救難団は、警察や消防、海上保安庁が救助を断念するような天候の中でも出動し救助を行うので、「救難の最後の砦」と呼ばれているのは、以前もご紹介したかと思います。


(画像は航空自衛隊ホームページより)

自衛隊の部隊には、標語があるところもありまして、有名なところは、第1空挺団の「精鋭無比」ですが、航空救難団にも

「他を生かすために That others may live」

という標語があります。
他(救助者)を生かすためには、まずは自分が生きろ!って感じですか?

最近の記憶に新しいところですと、平成27年9月の茨城県での鬼怒川決壊で、浜松救難隊と百里救難隊が取り残された方々の救助を行いました。
航空救難団ホームページによりますと、

 平成27年9月10日(木)7時45分、茨城県に大雨特別警報が発表され、鬼怒川において越水が発生した。
このため、同日9時05分、茨城県知事から陸上自衛隊東部方面総監に対し災害派遣要請があり、陸上自衛隊が活動中であったが、同日11時55分に陸上自衛隊東部方面総監から航空総隊司令官に対し災害派遣協力依頼があり、同時刻航空総隊司令官は協力依頼を受理、航空救難団は、百里救難隊のU-125AとUH-60J、浜松救難隊のUH-60Jをもって、茨城県常総市本石下において日没まで救出活動を行い、孤立者90名を救出、石下総合運動公園グランドへ空輸した。
翌11日(金)には日の出とともに、救出活動を行い51名の孤立者を救出し、石下総合運動公園グランドへ空輸した。



翌々日の12日(土)は天候不良のため、待機のみとなってしまったが、今回の災害派遣において、百里救難隊と浜松救難隊併せて、141名の孤立者を救助し、本災害派遣は終了した。

(画像と青字の部分は航空救難団ホームページより)

とのことです。
その他にも、日本付近を航行中の船舶から傷病者を輸送したり、行方不明者を捜索したりなど、これまでに6,000名以上の方々を救助し、14,000名以上の方々の輸送を行っています。

このように、日々活躍している航空救難団ですが、いつ何時、出動要請があっても良いように、訓練も怠りません。
しかし、2017(平成29)年10月17日、夜間救助訓練中の浜松救難隊のヘリコプターが墜落し、4名の隊員の方々が殉職されるという痛ましい事故も起きています。

  夜間捜索訓練中に消息絶った救難ヘリ「最後の砦」 メディック…自衛隊随一の精強
2017.10.18(産経新聞)

墜落したとみられるUH60J救難ヘリコプターが所属する航空救難団は、隊員と装備の能力の高さから救難活動の「最後の砦(とりで)」と呼ばれ、過酷な訓練を重ねている。17日も暗視装置を使い、救助が必要な人を捜す夜間洋上捜索訓練を行っている最中に消息を絶った。

航空救難団は昭和33年創設で、任務を担う救難隊は北海道から沖縄まで全国10カ所にある。17日に墜落したとみられるのは浜松救難隊所属だった。救難隊は航空自衛隊の戦闘機などの航空機が事故を起こした際にパイロットの救助にあたり、洋上・山岳救出や急患搬送など災害派遣も担う。

 UH60Jには厳しい選考と訓練を経た救難員(メディック)が搭乗。ヘリから現場に降り、救助にあたるメディックは自衛隊随一の精強さを誇る。平成16年の北海道沖での貨物船転覆事故では、海上保安庁が救出を断念する中、メディックは重油が流出した海で7人を救出する一方、3カ月の闘病を余儀なくされた。

 海保が「海猿」と呼ばれるのに対し、「メディックは『海猿』であり、『山猿』でもある」(空自幹部)という。

 それを象徴する救難活動として6年に北アルプスで登山者が滑落し、重傷を負った山岳遭難がある。メディックが登山者をつり上げるとケーブルが切れたため、ヘリはやむなく基地に帰り、天候悪化で現場に戻れなくなった。取り残されたメディックは絶望視されたが、登山者を連れ、丸2日かけて下山を果たしている。

夜間の操縦は目視による状況確認が難しく、計器に頼った手動の操作が必要となる。あるヘリパイロットの自衛官は「夜間の操縦は難易度が格段に上がる」と指摘している。

https://www.sankei.com/affairs/news/171018/afr1710180036-n1.html


平成17年4月にも、新潟救難隊の救難捜索機が訓練中に墜落し、4名の隊員の方々が殉職されています。
この事故で殉職された救難員・高山和士 元空曹長は、平成17年の第4回国民の自衛官を受章され、表彰式にはご遺族として奥さまとお子さんが出席されました。

そのお子さんが、女優の高山侑子さんなんです。
国民の自衛官授賞式のために上京した時にスカウトされたんだそうですよ!
最近ではヤマキの割烹白だしのCMで岡田将生くんと共演しているので、ご存じの方も多いかと思います。

高山侑子さんの初主演映画が、2008(平成20)年に公開された「空へ -救いの翼-」です。
高山さんは、航空救難団小松救難隊の救難ヘリコプターUH-60Jのパイロットを演じています。

『空へ -救いの翼-』 予告編


救難員とパイロットという違いはあるものの、亡くなられたお父様とおなじ航空自衛官を演じられて、きっと感慨深いものがあったことでしょうね。

「空へ -救いの翼-」は、Amazonプライムビデオで、プライム会員なら無料で見ることができますので、良かったら見てみてください。
うん、突っ込みどころは無くはないんですけどね。F-15から洋上でベイルアウト=100億円が海の藻屑!そんな設定の映画、空自が良く許したな~とか、そのイーグルドライバーが外国籍の俳優さんだったり。 まあ、いいんですけど。
救助の場面とか、自衛官の日常とか、映画の作り的には良く出来てると思いますよ。


救難の最後の砦と言われる航空救難団の存在があるからこそ、私たちは日々安心して暮らしていけているのだと思います。ありがとうございます!
任務や訓練中に殉職された航空救難団の隊員の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。





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