自衛隊好きの主婦ですが、何か?

有川浩先生の小説で自衛隊に興味を持ち、只今絶賛勉強中
自衛隊好きの主婦による自衛隊応援ブログです

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希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年2月その3

2018年05月31日 06時12分00秒 | 陸上自衛隊
続きまして、2月2日の先遣隊活動報告を見てみましょう。




◎サマーワ主力
・測量及び役務業者監督・指導
役務作業については、進捗状況がやや遅れ気味であり、現地において現場監督者に対しペースをあげるよう指導するとともに、並行的にクウェート分遣班の方からクウェート本社に作業指示を実施。その結果、明日からドーザ6台、グレーダ3台、ローラ4台、バケット1台の機械力をもって作業を実施する。測量については、800×800ⅿの測量および杭打ちを実施。さらに、本日オランダの工兵とじ後の壕堀について調整し、明日午後またはあさって以降オランダ軍の支援を得ることとした。
・CPA/CIMICとの調整
医療に関する調整、建設・修理に関する調整を実施。明日は、建設・修理については、サマーワ市内の学校、橋梁、道路を、医療については、キッダ、ルメイサ各病院を視察予定

(CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。
CIMICとは、現地の人々に対する教育支援型・施工管理型の支援を行う民生協力部隊。) 

しかし、もともと何台の重機で作業してたのか分かりませんが、言ってみるもんですね~。
しかも、本社に言ったていうのが大きかったんでしょうね。
まあでも、内装業者が現れないとかもありましたし、明日本当に来るのか、ちょっと心配ではありますが・・・。


◎クウェート分遣班
・現地業者調整
細部契約書署名
・現地調達(先発の受入に必要なものを調達)
・レンタカーの借り上げについては、明日に延期
・衛生資材の構築
◎バクダットLO
・■■■■を通じた治安情勢の収集
MSRの警備に関する情報を収集

(MSRはMain Supply Routeの略で、意味は主要供給ルートのようです。)
・コンテナ調整
コンテナの内装については、本日も業者が来ず、依然準備が進展せず


ちょ(笑)、今日も来なかったんですか。
犠牲祭で日本でいうところのお正月だとかって数日前の日報に書いてありましたが、業者は正月休みってことはないの?
まあでも、来る約束になってたのに、現れないってことなんでしょうね。

◎バスラLO
・英軍によるクウェート分遣班に対する訓練に関する調整
訓練時期および群長への表敬時期について調整
・MJLC(連合統合兵站センター)との調整
陸自本隊先発隊のサマーワ移動に関し、48時間までにMJLCに通知するよう要望あり。また、民間警備員を雇う場合は、銃器等所持許可証が絶対に必要である旨連絡受け
・定例会議への出席



〇サマワ市内での現地調達の実施
・日時・場所 : 2月2日1430~1530 サマワ市中心部(橋の手前約100ⅿの市場)
・参加者 : 隊長、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■蘭軍憲兵部隊、イラク警察官
・概要 :荒物屋、文房具店等で日用雑貨を購入。この間特に身の危険を感じることなし。市内を行き交う人々は、大半が好意的。
・備考 : ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




隊長、何かだいぶ現地に溶け込んでますね~。
しかし、荒物屋とは、ずいぶんと古風な言葉を使いますね。
でも、雑貨屋っていうとちょっとお洒落な雰囲気になっちゃうから、この画像の感じだと、荒物屋がピッタリなのかも。

〇 AL-ZYAD族への挨拶
・日時・場所:2月2日0940~1020 部族長宅
・参加者:■■■■■■■■■■■■AL-ZYAD部族長(■■■■■■■■■■■■)、その他部族のメンバー約10名
・概要:前日(2月1日)に羊を10頭贈呈したので、その趣旨(イードのお祝い、土地使用等の協力に対するお礼)を述べるとともに、他の部族との関係があるため、あまり口外されないように依頼。先方はこれに了解。
・その他:隊長に対する昼食の招待あり。部族の行状等に関する情報をS-2に要求するとともに、隊長の日程調整を開始。




特定の部族にだけ羊をあげたってこと?
だから、口止めしてるんだよね。
それって大丈夫なの?と思ったら、佐藤隊長の著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中に、こんな記述がありました。

犠牲祭は
~略~
イスラム教の祝日。日本でいえばお正月にあたる。イラクでは羊や馬などの肉料理を食べ、訪問者や貧しい人たちにも肉を振る舞う習慣があった。
~略~
戦火で夫を失った未亡人や親のない子供たちに羊の肉を配れば、地域との交流と人道支援になるのではないかと考えた。
~略~
とはいえ、犠牲祭が近づくと、羊が高騰する。
~略~
羊の相場が倍に跳ね上がるので、そう数は買えない。110頭を贈ることにした。
半端な数になった理由は、100頭を貧しい人々に、残りの10頭を宿営地周辺地域で一番大きい部族の部族長に贈ろうと考えたからだ。
部族はイラク特有の血縁でつながる氏族の集団で、世襲制の部族長のもと、堅い結束を誇っている。
~略~
サマーワ周辺には、約40の部族が存在していた。
~略~
自衛隊からのプレゼントは、県の社会労働福祉局と市の評議会、そして現地の女性のNGO団体と連携しながら配られた。
ところが問題が起きた。部族長のひとりがカンカンになって怒っているというのだ。われわれの感覚では、トップに贈り物をすれば、みんな納得すると思う。贈れる羊もたいした数ではないので、最大規模の二万人を抱える部族長にだけプレゼントした。
これをおもしろく思わなかったのは、同じ部族のナンバーツーだった。彼も5000人を配下に持つ長。嫌われては、やりにくくなる。訪ねると、確かに怒りを爆発させている。
~略~
頃合いを見はかり、冗談を入れながら、「あなたを軽く扱ったのではない。10頭ぐらい羊をあげたところであなたにはどうってことはないでしょう」と相手の自尊心をくすぐり、次第に彼の気持ちをほぐした。
そのうちに彼の本音がわかった。要は今後始まる復興支援事業を回してもらいたいのだ。しかし、私が直接、彼と何かを約束することはできない。
~略~
「要望があるのなら、市を通してくれ。上がってくればこちらも検討できる」と彼が事業を取るための知恵をつけてやった。最初の怒りはどこへやら。残り二時間、会話は大いに盛り上がった。
最初から本音をぶつけ合ったのが良かったのだろう。私がいた七か月間で自衛隊を一番支援してくれた部族長は彼だった。


雨降って地固まるということわざ通りの出来事ですね。
さすが佐藤隊長!人心掌握に長けていらっしゃる。
こういうところが、現在議員としても活躍されているゆえんなのでしょうね。







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希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年2月その2

2018年05月29日 06時16分00秒 | 陸上自衛隊
日本でイラク復興支援群の隊旗授与式が行われたのと同じ日、イラク復興業務支援隊は、日本から約8,000キロ離れたイラク・サマーワでどのような1日をすごしたのでしょうか。
では、2004(平成16)年2月1日の先遣隊活動報告を見てみましょう。




◎サマーワ主力
・ムサンナー県知事との懇談
オランダ軍大隊長とともに、ムサンナー県知事と昼食をはさんで懇談。和やかな雰囲気のもとでの懇談となった。この際、県知事は教育に関する支援に関心があり、学校のグランドの整備の他、高校や大学へのコンピューター設置を要望(外務省に伝達済み)
・HILAL評議会表敬
オランダ軍大隊長とともに、HILAL評議会を表敬し、現地情勢等を確認するとともに、自衛隊の人道復興支援活動についての理解と協力を要請。評議会関係者より、歓迎の旨が述べられるとともに、HILALへの連絡事務所の開設や各種復興支援ニーズについて要望が出された。
(ムサンナ県には、県の評議会の他、4つの市(例:サマーワ)と7つの村(例:HILAL)に評議会があり、その評議会のニーズは、人道復興支援活動の細部実施要領を決定する上で、派遣部隊として外務省と連携して確認する機会を設ける必要あり)
・測量及び役務業者監督・指導
役務作業の進捗状況がやや遅れ気味であり、明日、作業ペースをあげるよう現場およびクウェートの本社に対し指示する予定。測量については、800×800ⅿの測量について実施
・CPA/CIMICとの調整
医療に関する調整、建設・修理に関する調整を実施。明日、関係場所の視察等を実施予定

(CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。
CIMICとは、現地の人々に対する教育支援型・施工管理型の支援を行う民生協力部隊。)

◎クウェート分遣班
・先発隊受け入れ再検討、再調整
政府専用機、貨物機の到着後の行動再検討
サマーワへの移動計画作成
・現地業者調整
契約書の最終確認
サマーワでの役務工事について調整
・現地調達:先発隊に必要な物品の調達
・CFLCCでの訓練担当者会議

(CFLCCは、Combined Forces Land Component Commanderの略。クウェートやサウジアラビアに展開する米陸軍を中心とした連合軍地上部隊のこと。)
・海自調査支援、空自の調査(政府専用機の運用)に関する調整
◎バクダットLO
・■■■■を通じた治安情勢の収集
連合国および日本関連情報を収集
・コンテナ調整
コンテナの内装については依然進展せず


1月31日の先遣隊活動報告には、
「CJTF-7内コンテナの内装業者が現れず、担当者を交代させる」
と書いてありましたが、1日たっても内装業者は行方不明で担当者の交代も上手くいかないということでしょうか。
日本とは違って、こういうところにも苦労の種があるのですね。

◎バスラLO
・クウェート分遣班に対する英軍の教育日程、課目調整
訓練については、2月27日から3月1日までの間で実施する方向で調整。群長表敬については2月22日から24日の方向で検討。
・統合ヘリコプター部隊の説明受け
チヌーク、ピューマ、リンクス計16機を保有
・MJLCとの調整
陸自先発隊の受け入れに関する調整

(MJLCは連合統合兵站センターの略)

ヘリコプター、チヌークは知ってるんですけど、それ以外は初めて聞いた。
ちなみにチヌークは自衛隊でも採用されている言わずと知れたこちら。



ピューマは、陸上自衛隊が運用する国賓や政府要人専用のヘリコプターEC225スーパーピューマの元になっているのだそうです。
自衛隊での採用はありませんでしたが、東京消防庁が昭和47年12月~昭和63年8月まで運用していました。



リンクスというヘリコプターは、自衛隊は採用していませんが、世界16か国の軍で使われているそうです。




〇 AL HILLAL村評議会への訪問
・日時・場所:1月31日1400から1600、AL HILLAL評議会
・参加者:業務支援隊長、■■■■、■■■■、評議員7名等
・概要
—評議会に対する■■■■の要望
評議会自ら、復興のためのプロジェクトを立案し、必要性を説得する努力の実施。
先に援助を受けることを考えるのではなく、まずはよく計画されたプロジェクトを立案すべき。
不足を嘆くのではなく、成果を喜ぶ態度が必要。
—評議会側の要望等
日本隊の連絡事務所をAL HILLALに開設してほしい。
→部隊は主力受け入れ準備中のため断り。
・コメント
—■■■■は、今回の訪問において、AL HILLALの評議会に対し公共プロジェクトの立案の機会を与えようとしているように思えた。
—評議会側は、調査用の経費等、執拗に「直ちに手に入る金」を求めたが、大隊長はまずプロジェクトの立案ありきという原則論を一歩も譲らなかった。
―厳しい利害関係が絡む協議であったが、双方とも和やかな雰囲気を崩すことなく、ディベートの能力が高いと感じた。



佐藤隊長はご自身の著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中で、

「復旧と復興は言葉は似ていても、意味合いはぜんぜん異なる。復旧は壊れたものを元に戻す作業だ。かたや復興は、元の姿よりさらに高めるというニュアンスを持っている。日本の戦後復興を考えていただければおわかりになるだろう。」

と書かれています。

今回のAL HILLAL評議会との会合で、オランダ軍の大隊長も同じことを考えたからこそ、厳しい姿勢を崩さなかったのでしょう。
与えることは簡単にできるけれど、復興の支援は永遠に続けていけるわけではなく、近い将来、イラクの国民だけの力で更に復興をさせていかなければならない日が来るということを考えての、敢えてのスパルタですね。








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希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年2月その1

2018年05月27日 06時11分54秒 | 陸上自衛隊
イラクに派遣された陸上自衛隊の主な編成は、

イラク復興業務支援隊(主として、関係機関等との調整、部隊交代等に係わる業務、広報・法務・会計等の支援業務、宿営地の統制。派遣期間は約6か月間。)

イラク復興支援群(主として医療活動、給水支援、被災民の帰還援助、生活関連物資の配布、施設設備の復旧・整備、行政事務及び技術等に関する助言・指導。派遣期間は約3か月間。)

に分かれていました。

先遣隊として派遣され、前回まで日報をご紹介してきたのは、イラク復興業務支援隊です。
会社で言えば、総務的な感じ?

そして、今日ご紹介するのは、現地イラクでの実働部隊、イラク復興支援群です。
その、第1次イラク復興支援群の隊旗授与式が、2004(平成16)年2月1日、北海道の旭川駐屯地で、当時の小泉純一郎首相や石破茂防衛庁長官、川口順子外務大臣、安倍晋三幹事長、そして、今は亡き中川昭一経済産業大臣(今も生きておられたら、日本はもっともっと良い国になっていたと思う。本当に残念です。)と、そうそうたる来賓の方々を迎えて執り行われました。



石破茂防衛庁長官から隊旗を授与される第1次イラク復興支援群の群長・番匠幸一郎1佐です。



番匠1佐は、のちに陸将までご昇進され、第35代西部方面総監を務められました。
番匠1佐はヒゲを生やさなかったんですね。

佐藤隊長は著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中で、

「私のトレードマークとなったヒゲは実は初めから計算ずくだった。ゴラン高原で第一次派遣隊の隊長として任務に就く直前に、現地の事情に詳しい情報関係の人から次のような忠告を受けた。
イスラム社会では、一夫多妻が認められている。
~略~
女性の数が足りなくなるわけで、まったく女性には縁のない男もいる。
~略~
では女性にあぶれた男性はどうするか。男に走る。
~略~
『日本人は若く見えるから襲われる。拉致されてオカマを掘られないように気をつけな』と脅された。
イスラム教諸国の風潮ではヒゲを生やして一人前の男と認められる。ヒゲがあって初めて頼りになる男だ。オカマを掘られてはかなわないので、ゴラン高原ではヒゲを生やすことにした。
このときの経験もあって、専門調査チームの一員としてイラク入りする頃からヒゲを伸ばし始めた。」

と書かれていたので、勝手に、イラクでの自衛官のヒゲ率は100%とはいかないまでも、かなり高いんだろうと思っていたんです。
まあでも、番匠群長くらいゴツければ(褒めてるんですよ!)そんな心配は無用かも。


ではここで、小泉内閣総理大臣の訓示をご紹介したいと思います。



本日、イラク復興支援に赴く陸上自衛隊の隊旗授与式に当たり、一言御挨拶申し上げます。

日頃厳しい訓練を積み重ねてきた諸君の逞しく、また、凛々しい姿を目の当たりにいたしまして大変心強く思っております。
 
政治で最も大事なことは、我が国の平和と安全を守り、国民生活を豊かにしていくことであります。
日本は、第二次世界大戦後、この一国、日本をどのように発展させていくか、平和を確保していくか、国民の皆さんと共に努力を重ねてまいりました。
いわゆる日米同盟と国際協調の重要性を認識して、日本として、安全を守りながら発展してゆこうという考え方であります。
これからもこの方針に変わりはありません。

今、自衛隊の諸君は、ゴラン高原におきましても、東ティモールにおきましても平和維持活動に汗をかいております。
いずれも国際社会から自衛隊諸君の規律ある業績が高い評価を得ております。

今回、イラク復興人道支援に赴く皆さんは、戦争に行くのではありません。
テロ掃討作戦に参加するものでもありません。
武力行使もいたしません。
戦闘行為に参加もいたしません。
諸君の活動は、イラク人が希望を持って、自らの国を再建しようという、そのお手伝いに行くわけであります。

いわば日米同盟、国際協調という、日本のこれからの平和と繁栄にとって最も大事な方針を、口だけでなく、行動によって示してくれるのは皆さん方であります。
私は、皆さん方ならイラク人の人々から評価され、歓迎される仕事を立派に果たしてくれると確信しております。

国際社会、国連は、全ての加盟国に対して、イラクの復興支援、人道支援に協力を要請しております。
必ずしも現在、イラクの国内は、百パーセント安全かというとそうでもない。
危険を伴うかもしれない。
そういう中で、一般国民には出来得ない、自衛隊なら出来る分野があるであろう、ということで自衛隊の諸君が、この復興支援活動に汗を流してくれる。
この自衛隊の活動で最も喜ぶのは、イラク国民でなくてはならない。
また、イラクが安定した民主政権になることによって最も利益を受けるのは、イラク周辺国であり、世界各国であり、日本であります。

このイラク復興支援は、失敗させるわけにはいきません。
将来、自分たちの国が困っているときに、苦しんでいるときに、日本人が手を差しのべてくれたから、日本国が協力してくれたから、ということによって国際社会の中での日本の信頼を高めてくれるでしょう。
それを先頭でやってくれるのは、皆さん方であります。
 
私は、皆さんが強い使命感をもって、そして自信をもって、この大事な国家の仕事に挺身されようとする皆さんのことを一番心配に思っているのは、今日お越しの御家族の方々だと思います。
同時に、皆さんを一番誇らしく思っているのも御家族だと思います。

自衛隊の諸君をイラクの復興支援に赴かせることに政治的には賛否両論あります。
しかし、反対する国民の中にも、心の中では、諸君の活動に声援を送っている人は沢山いると私は信じております。
口に出さなくても諸君が立派に日本人として、日本国家としての大事な仕事を果たしてくれる。
敬意と感謝の念をもって送り出そうという国民が沢山いると私は信じております。

多くの国民と共に、自衛隊の諸君が、日頃厳しい訓練に耐えて、イラクの地において立派に任務を果たし、無事帰国されることを心から祈念し、訓示に代えます。


いかがでしたか?
前回小泉総理が訓示を行った、約2か月前のイラク復興支援派遣輸送航空隊等派遣行事と、今回を比べてみていただきたいと思います。
何だろう、前回の訓示、誰かから批判でもされたのかな?
今回の訓示は、派遣される隊員やそのご家族にも寄り添ったものですよね。




続きまして、石破茂防衛庁長官の訓示もご紹介します。

本日ここに最高指揮官である小泉純一郎内閣総理大臣臨席の下、そしてまた、自由民主党安倍幹事長、公明党神崎代表をはじめ多くの国会議員の皆様方、そして御来賓の方々、御家族の皆様方と共に隊旗授与式を行うに当たり、一言御挨拶を申し述べます。
 
派遣の意義は、今、総理からお話があったとおりであります。
助けを待っておるイラクの人々に、水が欲しい、病院に行きたい、学校に行きたい、そういうような助けを待っているイラクの人々に、国連の要請に基づきまして、日本が手を差しのべることは、どうしても必要なことであります。
そして今、この日本国において、その日本に課せられた責務を果たすことが出来るのは、諸官をおいてほかにはありません。
だからこそ、日本において諸官しかこの仕事は出来ないので、諸官にこれを国家としてお願いをいたすことになりました。

国連の要請に応える義務、そして辛いことや、嫌なことや、苦しいことは、ほかの国がやればいい、日本は利益だけ受ければいい、そのような国家であってはならないということを示していただくのも、諸官であります。

この日本の豊かな経済は、そして国民の医療は、福祉は、中東地域の安定を抜きにして語ることは出来ません。
この日本の豊かな経済を支えておる中東の安定、そのために日本は、諸官に今回の仕事をお願いすることになりました。

崇高な任務であります。
諸官にしか出来ない任務であります。

私は、小牧の編成完結式において、亡くなられた奥大使が生前に言っておられた言葉を使わせていただきました。
それは、「俺はリスクが無いなんて言っていない。リスクを避けるために最大限の努力はする。しかし、リスクがあってもやり遂げねばならないことがこの世の中にはあるのだ。」。
奥大使は、生前そのように語っておられました。

国際社会における日本の責任、日本の平和、国民の福祉、そして総理からお話がありましたように日米同盟、日本に一朝事があったときに自分の若者を送ってでも日本を必ず守ると約束している国は、世界の中でアメリカ合衆国をおいてほかにはありません。
そのアメリカ合衆国は、イラクに自由と民主主義をもたらすために幾多の犠牲を払いながら、今、がんばっている。
日本はもちろん共に戦うわけではない、人道支援を行うのだ。
しかし、いざとなったらばアメリカが助けにくる。
日本は人道支援もしなくていいのか。

私は、日米安全保障体制というのは条約という紙によってのみ成り立っているとは思わない。
それは、国と国との信頼というのは、辛いとき、苦しいときにどれだけ共に汗をかくことができるか、それに懸かっていると思います。
従って、今回諸官にお願いすることは、日本の平和と独立をさらに確固たるものにするためにも必要なことであります。

私は、今回のイラク支援特別措置法九条で諸官の安全に配慮する義務を負っております。
日々、その義務を果たすために誠心誠意努力をせねばならない。
多くの方の御指摘にきちんと誠実に答えて、安全に最大限の配慮をしていきたい、このように思っております。
 
今日から旭川で雪まつりが始まります。
諸官の多くがそのためにも努力をしてくださった。
札幌の雪まつりも一緒です。
多くの市民は、あれを見て、きれいだな、立派だな、と思う。
だけれども、それを造るために諸官は、人の見ていないところで一生懸命、雪像を造り、雪が降ったといっては「大丈夫だろうか」と言って見に行き、温度が上がったといっては「雪像が大丈夫だろうか」と思って見に行く。
そういうような自衛隊の努力があって、市民の喜びがあり幸せがある。

事に臨んでは身の危険を顧みず、身を挺して国民の負託に応える。
重い誓いをして今回のイラク派遣に臨む諸官に、日本国政府としてきちんと応える。
その努力を今後も最大限してまいりたいと思います。

併せまして旭川の地において、黄色いハンカチを配ろう、それを家に掲げよう、諸官の無事を祈ろう、そういう運動が始まりました。
これは日本国中に拡がっていきます。
私は昨日、選挙区である鳥取へ帰っておりました。
何人もの人から、イラクに行く自衛官の皆さん方のために自分達は何ができるだろうか。
そういう問いかけをいただきました。

番匠群長は、私の長年の友人であります。
私が最も信頼する自衛官の一人であります。

群長以下、諸官は、日本国の誇りであり、そして、イラクの人々がこれから先、本当に日本と共にやっていこう。
日本のような国家になろう。
そういう想いをさらに強めるための、日本国を代表しての使者、使いなのであります。

今後、外務省を中心として、日本国として、様々な支援を行ってまいります。
多くの期待が失望に変わらないように、現地の人々の期待が失望に変わることのないように全力を尽くしてまいります。
 
諸官が立派に任務を果たされ、帰りを待っている愛するお父さんやご主人や息子さんや娘さんや、その帰りを待っておられる御家族のもとへ、「元気で帰ったよ」と言ってもらえる日が必ずくることを確信し、諸官が任務を完遂してくださることを確信し、祈念し、訓示といたします。


石破さんって、いつからああなっちゃったんでしょうね。
昔はこんなに良いこと言える政治家だったのに。



旭川冬まつりの石狩川河畔の会場では、自衛官が協力して作った大雪像の周りに、イラク復興支援隊員たちの無事を祈念してはためく黄色い幟が立ち並んだのだそうです。
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希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年1月その6

2018年05月25日 06時22分00秒 | 陸上自衛隊
続きまして、1月31日の先遣隊活動報告です。




◎サマーワ主力
・キッダ市評議会表敬
キッダ市評議会を表敬し、現地情勢等を確認するとともに、自衛隊の人道復興支援活動についての協力を要請。市評議会関係者より、歓迎の旨が述べられるとともに、陸自に対する協力表明及び現地の復興支援ニーズが明らかにされた。




キッダ市評議会議員の歓迎を受ける佐藤隊長。
キッダ市はサマーワ近郊の町のようです。
皆さん、良い笑顔ですね~!関係の友好さがうかがえます。

・測量及び役務業者監督・指導
現地において役務業者と作業の進捗状況について確認するとともに、じ後の作業指示を行った。取付道路の表土はぎについては、ほぼ終了しロードローラによる整地が実施された。明日については業者は犠牲祭で休みであり、じ後、表土はぎ終了後砂利の搬入を実施予定。測量については、2日から実施予定のオランダ軍による壕堀のための測量を実施
・県社会福祉局との調整
犠牲祭に寄贈予定の羊の配分について調整を実施。特定のところに偏らないよう公平な配分に留意し多くの人に喜ばれるよう調整を実施
・CIMICとの調整
外務省の草の根無償援助に関連した緊急医薬品のリストアップとその準備

(CIMICとは、現地の人々に対する教育支援型・施工管理型の支援を行う民生協力部隊。)

◎クウェート分遣班
・先発隊受入調整
―現地業者調整:サマーワでの役務工事について調整
―先発隊に必要なクウェートでの車両借り上げ調整については、明日も引き続き実施
―現地調達:先発隊に必要な物品の調達
・CFLCCでの射撃訓練に関する手続きの実施

(CFLCCは、Combined Forces Land Component Commanderの略。クウェートやサウジアラビアに展開する米陸軍を中心とした連合軍地上部隊のこと。)
◎バクダットLO
・バクダットの治安情勢
昨日から本日にかけて、CJTF-7地域に対しAK-47による射撃、近傍に迫撃砲による攻撃あり。直接の脅威はないが銃声等が聞こえる状況下で活動中

(CJTF-7はCombined Joint Task Force 7の略。イラクに展開する米英軍の統合連絡所の中に設置された、各国の連絡将校がいる部署のこと。AK-47は自動小銃。1949年にソビエト連邦軍が制式採用し、全世界に普及した。)
直接の脅威がないとはいえ、銃声や爆発音が聞こえる状況で勤務されていた自衛官の方たち、大変さは想像もつきませんが、皆さんご無事で本当に良かった!
・コンテナ調整
CJTF-7内コンテナの内装業者が現れず、担当者を交代させる
・情報収集
サマーワ周辺の治安情勢について情報収集。また、ハッジの状況についても引き続き実施

(ハッジとは、イスラーム世界における、メッカへの巡礼の事。)
◎バスラLO
・クウェート分遣班に対する英軍の教育課目調整
・MJLC(連合統合兵站センター)にて先発隊の移動調整
役務車両に自衛隊の警護がないことにつき問題提起される
・TOA(Transform of Authority)作成、署名に関する調整



〇キッダ市評議会訪問
・日時:1月31日0900~1000
・参加者:業務支援班長、■■■■■■■■■■■■■■■■
・相手側:キッダ市評議会メンバー
・概要
1 陸自イラク派遣部隊の任務と先遣隊の現況を説明。特に現在は部隊の展開、宿営地の建設等、人道復興支援の準備中であることを強調
2 キッダ市評議気側から、ルメイサ市の浄水場から遠く、タッピング等によって計画量の15%しか給水されておらず、水質も飲用に適さない等、給水ニーズについて概要説明。

タッピングって何だろう?タップウォーターで蛇口から出る水という意味みたいだけど・・・。
3 これに対し、自衛隊側からは、自衛隊の能力の限界とともに、外務省による復興支援もあわせて実施することを説明し、具体的なデータの公的な要領による提出及び現状の視察による正確な情報の収集が必要であることを説明。先方の理解を得た。
4 このため、2月中にFact Finding Tourを計画するとともに、CPA、県水道局等による週間ミーティングに参加するよう要請
5 治安については、キッダ市評議会側が安全を確保するため、心配しないよう要望

(Fact Finding Tourファクト・ファインディング・ツアーとは、ヒヤリングは一方的に相手の話を聞くことであり、ファクトファインディングは相手の課題を質問や投げかけにより引き出していくこと、そのための視察。
CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。)


〇■■■■■■■■との再会合
(1月30日の日報の明日の予定の中に、31日1100~1200地元有力者■■■■との懇談(於:CPA)という記述があったので、この会合の相手は地元の有力者だと思われまする。)
・日時・場所:1月31日1100~1120、於 CPAムサンナ
・参加者:隊長、■■■■■■■■■■■■の弟
・経緯:先方から2日前に会合を申し入れてきたため、対応
・内容
1 ■■■■側からは、挨拶と必要なものがないか確認に来たとのこと。
2 また、あわせて土地の借用に問題がないか確認するとともに、他に土地を用意するがこれを使うかどうか問いかけがあった。
3 当方からは、土地の借用には問題なく、他の土地も当面使う予定がないことを説明し、先方は納得。
4 先方から、週1回のペースで会合を持ちたい旨要望があったが、まず電話するよう要望し、先方は納得。
5 ちなみに、先方から■■■■からの電話をいただきたい旨要望があったが、帰隊後伝えると会合の直後に■■■■からの電話を受けたとのこと。


地元の有力者、自衛隊の復興支援事業に一枚噛みたい気が満々ですなぁ。
アラブ商人、おそるべし。







コメント

希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年1月その5

2018年05月23日 06時05分00秒 | 陸上自衛隊
続きますて、1月30日の日報を見てみましょう。




◎サマーワ主力
・実弾射撃訓練
本日は、イスラムの休息日のため、本邦出発後初めて1100まで休務とした。午後からキャンプ・スミティ西側約7㎞の場所にある射撃場において、5.56ミリ機関銃、89式小銃及び9ミリ拳銃射撃を実施し、零点規正を行うとともに、射撃練度の向上を図った。出発時、オランダ軍宿営地正門付近にマスコミが待機していたが、通常の道路とは違う不整地の経路を使用したため、マスコミの車両は追随できず邪魔されることなく射撃に専念できた。また、本日は、幸いにして周囲にベドウィンがおらず、ラクダや羊等射撃の妨害となることなく整斉と射撃が実施できた。

(キャンプ・スミティはオランダ軍の宿営地。零点規正は狙った場所と実際の着弾点が一致するように照準を合わせる作業のこと。)
・築城資材納入
1500にバクダットからきた業者から、無事築城資材(木杭)を受領
・イードについて
明日は、日本でいうところの大晦日であり、2月1日以降当地では正月となるため、各機関等との調整が少なくなることが予想される。


こちらは、1月30日の朝食の画像です。



見事にタンパク質と炭水化物ばっかりですね。
青いふたのヨーグルトらしきもののとなりの袋入りの物、何だろう?オレンジ?違うか。
中東で、しかも設備も整っていない先遣隊ですから、野菜をメニューに加えるのは難しいのでしょう。
この食事の画像1枚でも、過酷な現場だというのがわかりますね。

それにしても、マスコミって、イラクに行ってまでも迷惑なことやってるんですね。まったく。


◎クウェート分遣班
・先発隊受け入れ調整
先発隊受け入れに必要な簡易ベッド110個、ミネラルウォーター660本及び天幕内の清掃を実施。宿営地内整備、特に、電話線の埋設、LANケーブルの埋設を実施
・CFLCCとの調整
先発隊受け入れ手続きの実施。海自クウェート調査の支援

(CFLCCは、Combined Forces Land Component Commanderの略。クウェートやサウジアラビアに展開する米陸軍を中心とした連合軍地上部隊のこと。)
◎バクダッドLO
・■■■■故障探求
■■■■に不具合が発生し、通信回線が十分でないため業務に支障が出ており、早急に改善すべく故障探求中
・コンテナ調整
コンテナの内装について指導・監督
・情報収集
イラク・クウェート国境でのテロ関連情報の入手。特にIED関連の情報収集を実施

(IEDとは、即席爆発装置のことで、あり合せの爆発物と起爆装置から作られた、規格化されて製造されているものではない簡易手製爆弾の総称。イラク駐留のアメリカ軍の戦死者の大半がIEDによる。)
◎バスラLO
・英軍によるクウェート分遣班等教育
2月11日から13日にかけて10名程度に対し教育を実施予定
・MND(SE)プレスルームの研修を実施

(MND(SE)はMulti-National Division (South-East)の略で、イラク南部に展開する複数の国の旅団や大隊から構成される師団のこと。)
・MJLCの支援活動について調整。先発隊人員・装備等のフォーマット作成
(MJLCは連合統合兵站センターの略)





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