続きまして、2月2日の先遣隊活動報告を見てみましょう。
◎サマーワ主力
・測量及び役務業者監督・指導
役務作業については、進捗状況がやや遅れ気味であり、現地において現場監督者に対しペースをあげるよう指導するとともに、並行的にクウェート分遣班の方からクウェート本社に作業指示を実施。その結果、明日からドーザ6台、グレーダ3台、ローラ4台、バケット1台の機械力をもって作業を実施する。測量については、800×800ⅿの測量および杭打ちを実施。さらに、本日オランダの工兵とじ後の壕堀について調整し、明日午後またはあさって以降オランダ軍の支援を得ることとした。
・CPA/CIMICとの調整
医療に関する調整、建設・修理に関する調整を実施。明日は、建設・修理については、サマーワ市内の学校、橋梁、道路を、医療については、キッダ、ルメイサ各病院を視察予定
(CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。
CIMICとは、現地の人々に対する教育支援型・施工管理型の支援を行う民生協力部隊。)
しかし、もともと何台の重機で作業してたのか分かりませんが、言ってみるもんですね~。
しかも、本社に言ったていうのが大きかったんでしょうね。
まあでも、内装業者が現れないとかもありましたし、明日本当に来るのか、ちょっと心配ではありますが・・・。
◎クウェート分遣班
・現地業者調整
細部契約書署名
・現地調達(先発の受入に必要なものを調達)
・レンタカーの借り上げについては、明日に延期
・衛生資材の構築
◎バクダットLO
・■■■■を通じた治安情勢の収集
MSRの警備に関する情報を収集
(MSRはMain Supply Routeの略で、意味は主要供給ルートのようです。)
・コンテナ調整
コンテナの内装については、本日も業者が来ず、依然準備が進展せず
ちょ(笑)、今日も来なかったんですか。
犠牲祭で日本でいうところのお正月だとかって数日前の日報に書いてありましたが、業者は正月休みってことはないの?
まあでも、来る約束になってたのに、現れないってことなんでしょうね。
◎バスラLO
・英軍によるクウェート分遣班に対する訓練に関する調整
訓練時期および群長への表敬時期について調整
・MJLC(連合統合兵站センター)との調整
陸自本隊先発隊のサマーワ移動に関し、48時間までにMJLCに通知するよう要望あり。また、民間警備員を雇う場合は、銃器等所持許可証が絶対に必要である旨連絡受け
・定例会議への出席
〇サマワ市内での現地調達の実施
・日時・場所 : 2月2日1430~1530 サマワ市中心部(橋の手前約100ⅿの市場)
・参加者 : 隊長、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■蘭軍憲兵部隊、イラク警察官
・概要 :荒物屋、文房具店等で日用雑貨を購入。この間特に身の危険を感じることなし。市内を行き交う人々は、大半が好意的。
・備考 : ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
隊長、何かだいぶ現地に溶け込んでますね~。
しかし、荒物屋とは、ずいぶんと古風な言葉を使いますね。
でも、雑貨屋っていうとちょっとお洒落な雰囲気になっちゃうから、この画像の感じだと、荒物屋がピッタリなのかも。
〇 AL-ZYAD族への挨拶
・日時・場所:2月2日0940~1020 部族長宅
・参加者:■■■■■■■■■■■■AL-ZYAD部族長(■■■■■■■■■■■■)、その他部族のメンバー約10名
・概要:前日(2月1日)に羊を10頭贈呈したので、その趣旨(イードのお祝い、土地使用等の協力に対するお礼)を述べるとともに、他の部族との関係があるため、あまり口外されないように依頼。先方はこれに了解。
・その他:隊長に対する昼食の招待あり。部族の行状等に関する情報をS-2に要求するとともに、隊長の日程調整を開始。
特定の部族にだけ羊をあげたってこと?
だから、口止めしてるんだよね。
それって大丈夫なの?と思ったら、佐藤隊長の著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中に、こんな記述がありました。
犠牲祭は
~略~
イスラム教の祝日。日本でいえばお正月にあたる。イラクでは羊や馬などの肉料理を食べ、訪問者や貧しい人たちにも肉を振る舞う習慣があった。
~略~
戦火で夫を失った未亡人や親のない子供たちに羊の肉を配れば、地域との交流と人道支援になるのではないかと考えた。
~略~
とはいえ、犠牲祭が近づくと、羊が高騰する。
~略~
羊の相場が倍に跳ね上がるので、そう数は買えない。110頭を贈ることにした。
半端な数になった理由は、100頭を貧しい人々に、残りの10頭を宿営地周辺地域で一番大きい部族の部族長に贈ろうと考えたからだ。
部族はイラク特有の血縁でつながる氏族の集団で、世襲制の部族長のもと、堅い結束を誇っている。
~略~
サマーワ周辺には、約40の部族が存在していた。
~略~
自衛隊からのプレゼントは、県の社会労働福祉局と市の評議会、そして現地の女性のNGO団体と連携しながら配られた。
ところが問題が起きた。部族長のひとりがカンカンになって怒っているというのだ。われわれの感覚では、トップに贈り物をすれば、みんな納得すると思う。贈れる羊もたいした数ではないので、最大規模の二万人を抱える部族長にだけプレゼントした。
これをおもしろく思わなかったのは、同じ部族のナンバーツーだった。彼も5000人を配下に持つ長。嫌われては、やりにくくなる。訪ねると、確かに怒りを爆発させている。
~略~
頃合いを見はかり、冗談を入れながら、「あなたを軽く扱ったのではない。10頭ぐらい羊をあげたところであなたにはどうってことはないでしょう」と相手の自尊心をくすぐり、次第に彼の気持ちをほぐした。
そのうちに彼の本音がわかった。要は今後始まる復興支援事業を回してもらいたいのだ。しかし、私が直接、彼と何かを約束することはできない。
~略~
「要望があるのなら、市を通してくれ。上がってくればこちらも検討できる」と彼が事業を取るための知恵をつけてやった。最初の怒りはどこへやら。残り二時間、会話は大いに盛り上がった。
最初から本音をぶつけ合ったのが良かったのだろう。私がいた七か月間で自衛隊を一番支援してくれた部族長は彼だった。
雨降って地固まるということわざ通りの出来事ですね。
さすが佐藤隊長!人心掌握に長けていらっしゃる。
こういうところが、現在議員としても活躍されているゆえんなのでしょうね。
◎サマーワ主力
・測量及び役務業者監督・指導
役務作業については、進捗状況がやや遅れ気味であり、現地において現場監督者に対しペースをあげるよう指導するとともに、並行的にクウェート分遣班の方からクウェート本社に作業指示を実施。その結果、明日からドーザ6台、グレーダ3台、ローラ4台、バケット1台の機械力をもって作業を実施する。測量については、800×800ⅿの測量および杭打ちを実施。さらに、本日オランダの工兵とじ後の壕堀について調整し、明日午後またはあさって以降オランダ軍の支援を得ることとした。
・CPA/CIMICとの調整
医療に関する調整、建設・修理に関する調整を実施。明日は、建設・修理については、サマーワ市内の学校、橋梁、道路を、医療については、キッダ、ルメイサ各病院を視察予定
(CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。
CIMICとは、現地の人々に対する教育支援型・施工管理型の支援を行う民生協力部隊。)
しかし、もともと何台の重機で作業してたのか分かりませんが、言ってみるもんですね~。
しかも、本社に言ったていうのが大きかったんでしょうね。
まあでも、内装業者が現れないとかもありましたし、明日本当に来るのか、ちょっと心配ではありますが・・・。
◎クウェート分遣班
・現地業者調整
細部契約書署名
・現地調達(先発の受入に必要なものを調達)
・レンタカーの借り上げについては、明日に延期
・衛生資材の構築
◎バクダットLO
・■■■■を通じた治安情勢の収集
MSRの警備に関する情報を収集
(MSRはMain Supply Routeの略で、意味は主要供給ルートのようです。)
・コンテナ調整
コンテナの内装については、本日も業者が来ず、依然準備が進展せず
ちょ(笑)、今日も来なかったんですか。
犠牲祭で日本でいうところのお正月だとかって数日前の日報に書いてありましたが、業者は正月休みってことはないの?
まあでも、来る約束になってたのに、現れないってことなんでしょうね。
◎バスラLO
・英軍によるクウェート分遣班に対する訓練に関する調整
訓練時期および群長への表敬時期について調整
・MJLC(連合統合兵站センター)との調整
陸自本隊先発隊のサマーワ移動に関し、48時間までにMJLCに通知するよう要望あり。また、民間警備員を雇う場合は、銃器等所持許可証が絶対に必要である旨連絡受け
・定例会議への出席
〇サマワ市内での現地調達の実施
・日時・場所 : 2月2日1430~1530 サマワ市中心部(橋の手前約100ⅿの市場)
・参加者 : 隊長、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■蘭軍憲兵部隊、イラク警察官
・概要 :荒物屋、文房具店等で日用雑貨を購入。この間特に身の危険を感じることなし。市内を行き交う人々は、大半が好意的。
・備考 : ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
隊長、何かだいぶ現地に溶け込んでますね~。
しかし、荒物屋とは、ずいぶんと古風な言葉を使いますね。
でも、雑貨屋っていうとちょっとお洒落な雰囲気になっちゃうから、この画像の感じだと、荒物屋がピッタリなのかも。
〇 AL-ZYAD族への挨拶
・日時・場所:2月2日0940~1020 部族長宅
・参加者:■■■■■■■■■■■■AL-ZYAD部族長(■■■■■■■■■■■■)、その他部族のメンバー約10名
・概要:前日(2月1日)に羊を10頭贈呈したので、その趣旨(イードのお祝い、土地使用等の協力に対するお礼)を述べるとともに、他の部族との関係があるため、あまり口外されないように依頼。先方はこれに了解。
・その他:隊長に対する昼食の招待あり。部族の行状等に関する情報をS-2に要求するとともに、隊長の日程調整を開始。
特定の部族にだけ羊をあげたってこと?
だから、口止めしてるんだよね。
それって大丈夫なの?と思ったら、佐藤隊長の著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中に、こんな記述がありました。
犠牲祭は
~略~
イスラム教の祝日。日本でいえばお正月にあたる。イラクでは羊や馬などの肉料理を食べ、訪問者や貧しい人たちにも肉を振る舞う習慣があった。
~略~
戦火で夫を失った未亡人や親のない子供たちに羊の肉を配れば、地域との交流と人道支援になるのではないかと考えた。
~略~
とはいえ、犠牲祭が近づくと、羊が高騰する。
~略~
羊の相場が倍に跳ね上がるので、そう数は買えない。110頭を贈ることにした。
半端な数になった理由は、100頭を貧しい人々に、残りの10頭を宿営地周辺地域で一番大きい部族の部族長に贈ろうと考えたからだ。
部族はイラク特有の血縁でつながる氏族の集団で、世襲制の部族長のもと、堅い結束を誇っている。
~略~
サマーワ周辺には、約40の部族が存在していた。
~略~
自衛隊からのプレゼントは、県の社会労働福祉局と市の評議会、そして現地の女性のNGO団体と連携しながら配られた。
ところが問題が起きた。部族長のひとりがカンカンになって怒っているというのだ。われわれの感覚では、トップに贈り物をすれば、みんな納得すると思う。贈れる羊もたいした数ではないので、最大規模の二万人を抱える部族長にだけプレゼントした。
これをおもしろく思わなかったのは、同じ部族のナンバーツーだった。彼も5000人を配下に持つ長。嫌われては、やりにくくなる。訪ねると、確かに怒りを爆発させている。
~略~
頃合いを見はかり、冗談を入れながら、「あなたを軽く扱ったのではない。10頭ぐらい羊をあげたところであなたにはどうってことはないでしょう」と相手の自尊心をくすぐり、次第に彼の気持ちをほぐした。
そのうちに彼の本音がわかった。要は今後始まる復興支援事業を回してもらいたいのだ。しかし、私が直接、彼と何かを約束することはできない。
~略~
「要望があるのなら、市を通してくれ。上がってくればこちらも検討できる」と彼が事業を取るための知恵をつけてやった。最初の怒りはどこへやら。残り二時間、会話は大いに盛り上がった。
最初から本音をぶつけ合ったのが良かったのだろう。私がいた七か月間で自衛隊を一番支援してくれた部族長は彼だった。
雨降って地固まるということわざ通りの出来事ですね。
さすが佐藤隊長!人心掌握に長けていらっしゃる。
こういうところが、現在議員としても活躍されているゆえんなのでしょうね。