10月2日に行われた内閣改造によって、小野寺五典防衛大臣は翌3日付で離任されました。
思い返せば小野寺前防衛大臣は、防衛省・自衛隊が日報問題で揺れていた大変な時期に就任され、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験、豪雨や地震など、ホッとできる時間などなかったのではないかと思える日々の中で、見事に防衛省・自衛隊の指揮をされていました。
是非とも続投していただきたかった!
昨年は荒天のために航空観閲式が中止となり、今年も観閲式を目前にしての交代で、小野寺前大臣に隊員たちの晴れ姿を見ていただけなかったのも心残りです。
10月3日、小野寺前大臣は防衛省で離任式に臨まれました。
殉職者慰霊碑拝礼
栄誉礼
ここで小野寺前防衛大臣の離任の挨拶を抜粋してご紹介したいと思います。
全文は防衛省ホームページに掲載されています。
こちら→http://www.mod.go.jp/j/profile/minister/docs/2018/10/03.html
この度、防衛大臣を離任するに当たり、これまで私を支えてくれた全国の自衛隊員諸君に対し、挨拶を申し述べます。
昨年の着任以来、1年2か月を振り返りますと、着任直前には、南スーダン日報問題が発生し、当時の大臣・事務次官・幕僚長が辞任する深刻な事態となっており、防衛省・自衛隊に対する国民からの信頼回復が急務でありました。
また、着任直後より、我が国上空を飛び越えるなど、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が繰り返され、また、過去最大規模の核実験が強行され、日夜、緊張が続きました。
さらに、中国潜水艦が尖閣諸島接続水域を潜没航行する事案が発生したほか、自衛隊や米軍の航空機事故が続き、また豪雨や地震などの大規模災害も頻発し、日々、対応に追われました。
私が防衛大臣を務めましたのは2度目でありますが、以前にもまして、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなっており、防衛省・自衛隊に求められる対応と責任がより一層高いものとなっている現状を、身をもって痛感する日々でありました。
このような厳しい環境にあって、全国の二十五万人の隊員諸君は、日々、私の指揮に忠実に従い、多様な任務に全力で当たり、困難な職務を全うしてくれました。
前回とあわせ、1000日以上に及んだ大臣在任中、私を支え続けてくれた全国の隊員諸君一人一人に、心から感謝を申し上げたいと思います。
~途中 略~
防衛省・自衛隊に求められる役割は質・量とも、拡大しており、自衛隊の活動現場における隊員諸君への期待は一層高くなっています。
このため、私は、在任中、できるかぎり、隊員諸君が活動する現場に赴き、実情把握に努めてまいりました。
洋上で弾道ミサイルへの警戒に当たるイージス艦を視察したのを皮切りに、常続的に警戒監視に当たる離島のレーダーサイトや哨戒機部隊、常に危険と隣り合わせのスクランブルに臨む戦闘機部隊、生活環境が厳しい場所でも弛まず沿岸監視を続ける情報部隊など、24時間365日、今この時も休むことなく任務にあたる様々な部隊を直接訪れ、不屈の精神で任務に臨んでいる隊員諸君の姿を視察することができました。
日本海で警戒・監視中のイージス護衛艦部隊を視察
御前崎分屯基地を視察
頻発した災害の現場においては、猛暑の中、泥をかき出し行方不明者を捜索する隊員、自ら被災しながらも近隣住民を助ける入隊したばかりの学生隊員、冷房のない宿営地を拠点に被災者への支援を続ける隊員、撤収後も直ちに次の出動に備えて機材整備にあたる隊員など、勇気と真心、そして自己犠牲の精神で災害派遣活動にあたる多くの隊員たちを目の当たりにしました。
西日本豪雨被災地 災害派遣部隊視察
この他、極寒の中で黙々と除雪作業に当たる隊員や、派遣部隊の経由地で燃料補給に当たる隊員、派遣隊員の留守を預かり、残された家族を支援する隊員、小さなほころび一つも見逃さず落下傘を整備する隊員、活動中の熱中症を防ぐため補給剤を整備・補給する隊員など、様々な形で仲間の任務を支援する多くの隊員たちの活動を直接見て、話を聞くことができました。
松戸駐屯地・関東補給処松戸支処 落下傘部の視察
こうした視察のため、時には休日返上で、準備に当たってくれた多くの方々にも感謝を申し上げたいと思います。
視察に訪れた現場において、私は、任務に当たる隊員を激励するとともに、隊員の努力と苦労を踏まえ、より効率的な任務の実施と勤務環境の改善を指示してまいりました。
防衛力整備や運用を担当する幹部諸君におかれては、引き続き、部隊の活動現場の実情を常に正確に把握するよう努めるとともに、現場の隊員の努力と苦労が報われるよう、真剣に計画の策定に当たって頂きたいと思います。
こうした現場の姿からも分かるように、自衛隊は、最前線から後方部隊に至るまで、隊員が互いに支え合い、組織として一体となることによって、真の力が発揮されます。
防衛省・自衛隊には、陸・海・空、中央と部隊、自衛官と事務官・技官、様々な職種などが存在しますが、こうした区分が壁となることなく、常に風通しをよくし、組織が一致団結することが能力発揮の大前提です。仲間同士が助け合い、支え合うことによって、困難な任務の完遂が可能になることを決して忘れないで下さい。
もう一つ忘れないで頂きたいことは、自衛隊の活動には、常に国民の理解と支持が不可欠であるということです。
日報問題の発覚は、文書管理や情報公開といった基本業務をしっかりと行い、国民への説明責任を果たすことの重要性を改めて認識する機会となりました。
最前線で厳しい任務に当たる隊員たちが国民から勝ち得た信頼を、二度と再び損なうことのないよう、引き続き再発防止策の徹底に努めて下さい。
本日をもって、私は防衛省を離れますが、私は、これからも、一国会議員、一国民として、国を守るという崇高な任務に当たる隊員諸君の活躍に常に思いを馳せ、見守り、支え続けてまいります。
そして、いつの日も、いかなる場合も、隊員諸君と共にあり続けることを固く誓います。
最後に、厳しい環境の中、私を支え続けてくれた全ての隊員諸君に、改めて心からの感謝を申し上げますとともに、諸君のますますのご健勝とご活躍をお祈りし、私の挨拶といたします。
今回は笑顔で終わりたいと思いましたが、どうも無理なようであります。
全国の隊員諸君、皆さんと共に国を守れたことを誇りに思います。
いつも支えてくれてありがとう。
これからも我が国の防衛をよろしくお願いいたします。
平成30年10月3日
防衛大臣 小野寺 五典
小野寺前防衛大臣は、挨拶の中で感極まって涙される場面もありました。
心から自衛隊のことを思ってくださっている証だと思います。
沢山の自衛官や職員に見送られ、小野寺前防衛大臣は防衛省を後にされました。
小野寺前防衛大臣、本当にありがとうございました!
そして、後任には岩屋毅氏が就任されました。
岩屋大臣は当選8回のベテランで、外務副大臣や防衛庁長官政務官などを経験されています。
が、すみません。私全く存じ上げませんでした。
これからどのような防衛大臣になられるのか、楽しみ半分、不安半分な気持ちです。
思い返せば小野寺前防衛大臣は、防衛省・自衛隊が日報問題で揺れていた大変な時期に就任され、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験、豪雨や地震など、ホッとできる時間などなかったのではないかと思える日々の中で、見事に防衛省・自衛隊の指揮をされていました。
是非とも続投していただきたかった!
昨年は荒天のために航空観閲式が中止となり、今年も観閲式を目前にしての交代で、小野寺前大臣に隊員たちの晴れ姿を見ていただけなかったのも心残りです。
10月3日、小野寺前大臣は防衛省で離任式に臨まれました。
殉職者慰霊碑拝礼
栄誉礼
ここで小野寺前防衛大臣の離任の挨拶を抜粋してご紹介したいと思います。
全文は防衛省ホームページに掲載されています。
こちら→http://www.mod.go.jp/j/profile/minister/docs/2018/10/03.html
この度、防衛大臣を離任するに当たり、これまで私を支えてくれた全国の自衛隊員諸君に対し、挨拶を申し述べます。
昨年の着任以来、1年2か月を振り返りますと、着任直前には、南スーダン日報問題が発生し、当時の大臣・事務次官・幕僚長が辞任する深刻な事態となっており、防衛省・自衛隊に対する国民からの信頼回復が急務でありました。
また、着任直後より、我が国上空を飛び越えるなど、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が繰り返され、また、過去最大規模の核実験が強行され、日夜、緊張が続きました。
さらに、中国潜水艦が尖閣諸島接続水域を潜没航行する事案が発生したほか、自衛隊や米軍の航空機事故が続き、また豪雨や地震などの大規模災害も頻発し、日々、対応に追われました。
私が防衛大臣を務めましたのは2度目でありますが、以前にもまして、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなっており、防衛省・自衛隊に求められる対応と責任がより一層高いものとなっている現状を、身をもって痛感する日々でありました。
このような厳しい環境にあって、全国の二十五万人の隊員諸君は、日々、私の指揮に忠実に従い、多様な任務に全力で当たり、困難な職務を全うしてくれました。
前回とあわせ、1000日以上に及んだ大臣在任中、私を支え続けてくれた全国の隊員諸君一人一人に、心から感謝を申し上げたいと思います。
~途中 略~
防衛省・自衛隊に求められる役割は質・量とも、拡大しており、自衛隊の活動現場における隊員諸君への期待は一層高くなっています。
このため、私は、在任中、できるかぎり、隊員諸君が活動する現場に赴き、実情把握に努めてまいりました。
洋上で弾道ミサイルへの警戒に当たるイージス艦を視察したのを皮切りに、常続的に警戒監視に当たる離島のレーダーサイトや哨戒機部隊、常に危険と隣り合わせのスクランブルに臨む戦闘機部隊、生活環境が厳しい場所でも弛まず沿岸監視を続ける情報部隊など、24時間365日、今この時も休むことなく任務にあたる様々な部隊を直接訪れ、不屈の精神で任務に臨んでいる隊員諸君の姿を視察することができました。
日本海で警戒・監視中のイージス護衛艦部隊を視察
御前崎分屯基地を視察
頻発した災害の現場においては、猛暑の中、泥をかき出し行方不明者を捜索する隊員、自ら被災しながらも近隣住民を助ける入隊したばかりの学生隊員、冷房のない宿営地を拠点に被災者への支援を続ける隊員、撤収後も直ちに次の出動に備えて機材整備にあたる隊員など、勇気と真心、そして自己犠牲の精神で災害派遣活動にあたる多くの隊員たちを目の当たりにしました。
西日本豪雨被災地 災害派遣部隊視察
この他、極寒の中で黙々と除雪作業に当たる隊員や、派遣部隊の経由地で燃料補給に当たる隊員、派遣隊員の留守を預かり、残された家族を支援する隊員、小さなほころび一つも見逃さず落下傘を整備する隊員、活動中の熱中症を防ぐため補給剤を整備・補給する隊員など、様々な形で仲間の任務を支援する多くの隊員たちの活動を直接見て、話を聞くことができました。
松戸駐屯地・関東補給処松戸支処 落下傘部の視察
こうした視察のため、時には休日返上で、準備に当たってくれた多くの方々にも感謝を申し上げたいと思います。
視察に訪れた現場において、私は、任務に当たる隊員を激励するとともに、隊員の努力と苦労を踏まえ、より効率的な任務の実施と勤務環境の改善を指示してまいりました。
防衛力整備や運用を担当する幹部諸君におかれては、引き続き、部隊の活動現場の実情を常に正確に把握するよう努めるとともに、現場の隊員の努力と苦労が報われるよう、真剣に計画の策定に当たって頂きたいと思います。
こうした現場の姿からも分かるように、自衛隊は、最前線から後方部隊に至るまで、隊員が互いに支え合い、組織として一体となることによって、真の力が発揮されます。
防衛省・自衛隊には、陸・海・空、中央と部隊、自衛官と事務官・技官、様々な職種などが存在しますが、こうした区分が壁となることなく、常に風通しをよくし、組織が一致団結することが能力発揮の大前提です。仲間同士が助け合い、支え合うことによって、困難な任務の完遂が可能になることを決して忘れないで下さい。
もう一つ忘れないで頂きたいことは、自衛隊の活動には、常に国民の理解と支持が不可欠であるということです。
日報問題の発覚は、文書管理や情報公開といった基本業務をしっかりと行い、国民への説明責任を果たすことの重要性を改めて認識する機会となりました。
最前線で厳しい任務に当たる隊員たちが国民から勝ち得た信頼を、二度と再び損なうことのないよう、引き続き再発防止策の徹底に努めて下さい。
本日をもって、私は防衛省を離れますが、私は、これからも、一国会議員、一国民として、国を守るという崇高な任務に当たる隊員諸君の活躍に常に思いを馳せ、見守り、支え続けてまいります。
そして、いつの日も、いかなる場合も、隊員諸君と共にあり続けることを固く誓います。
最後に、厳しい環境の中、私を支え続けてくれた全ての隊員諸君に、改めて心からの感謝を申し上げますとともに、諸君のますますのご健勝とご活躍をお祈りし、私の挨拶といたします。
今回は笑顔で終わりたいと思いましたが、どうも無理なようであります。
全国の隊員諸君、皆さんと共に国を守れたことを誇りに思います。
いつも支えてくれてありがとう。
これからも我が国の防衛をよろしくお願いいたします。
平成30年10月3日
防衛大臣 小野寺 五典
小野寺前防衛大臣は、挨拶の中で感極まって涙される場面もありました。
心から自衛隊のことを思ってくださっている証だと思います。
沢山の自衛官や職員に見送られ、小野寺前防衛大臣は防衛省を後にされました。
小野寺前防衛大臣、本当にありがとうございました!
そして、後任には岩屋毅氏が就任されました。
岩屋大臣は当選8回のベテランで、外務副大臣や防衛庁長官政務官などを経験されています。
が、すみません。私全く存じ上げませんでした。
これからどのような防衛大臣になられるのか、楽しみ半分、不安半分な気持ちです。