メッタ斬りジャリズム

これからは個人ジャーナリズム(ジャリズム)の時代!しがらみのない自由な立場から世の中をメッタ斬る!

NHKスペシャル「フリーター漂流」の衝撃~労働者という社会の暗部を知り、現実を知らされる

2005年02月07日 17時27分05秒 | テレビ界の動向
一昨日(2/5)に放送されたNHKスペシャル「フリーター漂流~モノ作りの現場で~」は大反響でしたね。
とくに2ちゃんねるが祭りになった。

見た人をみんな欝に落とし入れたこの番組。きっと伝説になる?

とにかく暗い番組だったなー。見た後に嫌~な気持ちに。
社会の暗部を知ったというか。普段はフタをして見ないことにしている部分の「現実」を見せられたというか。
これが現実なんだ・・って言う衝撃。重たい空気。

で、慌てて2ちゃんねるの「実況版」に行ったら、案の定、みんなが同じ欝な気持ちになっていた。
その鬱ぶりがすごかった。笑えるほど。
「自殺したくなったとか」「もっと現実を早くから知っておけば勉強したのに・・」「絶対月曜日自殺者が全国で増えるな」等々。

内容は、自動車や携帯電話基板などの製造現場に派遣される「請負労働者」という若者(フリーター)が、過酷な労働条件の中職を転々として請負会社から派遣されていくというもの。
若者といっても、すでに35を超えて請負労働者として転々としている人もいるし、真っ暗な暗室の中でシンナーとともに基板を塗り分ける過酷な作業の様子が映し出されるというもの。

でも民放では絶対に扱わない、社会の暗部を直視して、ドキュメンタリーにしたNHKはさすが。
現実を知らされた。これが社会なんだ・・と。

と同時に、「頑張ろう」という気も起きた。目が覚めたというか。うかうかしてたらこうなってしまうと。
これはみんな同じだったと思う。2ちゃんねるでもそういう反応だったし。

今は正社員でも、いつ倒産してこのような運命になるとも限らない。危機感を感じたのは2ちゃんのニートたちだけではなかった。

そういう意味では、NHK、グッジョブだった。
民放の彼氏がどうの、エッチがどうの・・といったDQN番組を見た後とは、全く逆の気持ち。

DQN番組を見た後は、「真面目になんてやってられるか」というすさんだ気持ちになるのに対し、このNHKスペシャルのあとは妙に神妙になってしまい、「頑張らねば・・。これが現実なんだ・・。文句ばっかり言わずに今の会社でつらいことあっても、我慢して働こう・・」という気持ちになるのだ。

これはDQN番組見たときと逆の心理変化。この変化は重要なものが隠されている。

さらに、いかにテレビは現実を見失わせているか、を痛いほど知った。
普段、テレビは「楽しいところ」「きれいなところ」「いいところ」しか見せない。

そういう情報ばかりにふれて、そういう情報環境にどっぷりつかっていると、いつの間にか「世の中ってそんなもんだ」と無意識のように思うようになっている。
そうして作られたのが、今の若者の感覚。世の中をなめきった感覚が、いつの間にか作られる。
そして社会に出てはっとする。こんな世界があったんだな・・と。
巷ではよく「バーチャルと現実の区別がつかない」などということをよく言うが、それはゲームをやりすぎて現実でもゲームの続で人を殺してしまう・・というような短絡的な現象をいうのではなく、本当のバーチャルと現実の区別がつかないというのは、こうした「現実の世界の厳しさ、真実を見失ってしまう」ことこそ、その本質なのではないか。

テレビは現実を見失わせる。それに流されていてはダメだ・・。そういうことに気付かせてくれたNHKスペシャル「フリーター漂流」。

現実の厳しさや社会の暗部を直に見せられすぎて、かなり重い気持ちになって、
鬱になってしまったことは確かだが、いろいろ考えさせられた濃厚な番組であったことは間違いない。


※今日(2/7)の深夜にも深夜0:15~再放送があります。
見る前に練炭の用意を。気の弱い方は見ないでください。
でも受験生とか中高生は、大人社会の現実を知って、かえって頑張れるようになるかも。
人生を変える番組?
ただし、自殺者があまりにも増えた場合は、再放送が中止になる恐れがあります(笑)。