フランスの朝ごはん ♪♪ ゲテモノ（？）編

↑もちろん、食事とは無関係です（笑）


そうそう、「フランスの朝食」について書いたら、以前、クラクフで、ある教授から聞かされた話を
思い出しました。将来、フランスに住むなんて想像すらしてなかった頃の話です。

「フランス人はグルメだとよく言われるし、それを認めるのに吝かではないが、あの国の朝ごはん
だけはぞっとしませんな。あの国の人たちの朝ごはんをみたことがありますか。邪道以外の何物
でもありませんよ。まず、大ぶりのカップにコーヒーをなみなみと注ぎ、その後、バゲットを切って、
バターをたっぷりつける。それから、パンをコーヒーの中へどっぷりと浸す。バターつきパンですよ、
あなた。おまけに、食後、脂でギトギトになった生ぬるいコーヒーを平然と飲み干すんだから、もう
たまったもんじゃありませんよ・・・（以下省略）。」

この話、かなりインパクトがあったので、この時以来、「フランスの朝食＝ギトギトコーヒー＋バター
つきパン」という公式が頭の中に刻み込まれてしまったのですが、そんな朝食をとるフランス人には、
いまだお目にかかったことがありません。

あるフランス人に話を聞いたところ、確かにこの手の朝食をとる人はいるけど、見た目の上品さに
欠けるため、あまり推奨できるものではないということでした。

「バターコーヒー」と聞いた当初は、「なんて気持ち悪い」と思ったのですが、考えたら、子供の頃、
よく母が作ってくれたホットココア、最後にバターを落とすのがミソだったんですよね。こうすることで、
ココアのコクとまろやかさが増すとか・・・。先入観さえ捨てれば、バター入りコーヒーも案外いける
かもしれません。カフェオレにバター入りとかなら、意外とすんなりと飲めそう。
生ぬるいのだけは勘弁して欲しいけど・・・（笑）

フランスの朝ごはん ♪ スタンダード編？？？

ある友人から、「フランス人の朝ごはんについて教えて欲しい。以前、会ったフランス人は朝食を
とらなかったけど、フランスでは朝食をとる習慣がないのか」というメールが来ました。

こういう質問に関しては、「日本同様、朝食をとる人もとらない人もいる、甘いものをとる人が多い
けど、そうじゃない人もいる」とでも答えるしかないですね。ちなみにうちは、パン、チーズ、トマト
サラダにミルクティーですが、「フランス風」かと言われたら、首を傾げざるを得ません。

確かに、ポーランドの朝食はたいてい、オープンサンドと紅茶（EU加盟後は多様化してきましたが）
だったし、今はどうか知らないけど、「ドイツ人は外国でもドイツのパンを手放さない」という話を
ある本の中で読んだこともあります。




もちろん、伝統的な食事を続けている人はいますが、そうでない人もたくさんいる・・・
日本でも、それぞれの嗜好によって、コーヒー派、パン派、和食派、コーンフレーク派などがいる
のと同じです。

イギリスの朝食は有名だけど、だからと言って、イギリス人がみな、ああいう朝食を食べている
のかと言えば、かなり疑問だし・・・。世界中の情報が簡単に手に入る今の時代、「～人は○○」、
「～県人は××」という、昔なら十分通用したであろうステレオタイプ的な性格が、次第に薄れて
きているように思います。

以前、ヴェネチアに住んでいた友人は、「クッキーをコーヒーにつけるのがイタリア風」と言って、
クッキーの袋を何袋も買い込んでいましたが、それから１５年経った今はどうなんでしょう。

もちろん、伝統的な朝食のスタイルなら、フランスにもあります。
ソルボンヌ大学が主催する外国人を対象にしたフランス語コースでは、「フランスの朝ごはんは
コーヒーとジャムつきパン」と習うし、ちょっと古いけど、シムノンのメグレシリーズには、メグレ
夫人が、朝、クロワッサンを天火で温め、夫の起床を待つシーンも出てきます。

ただ、実際には、出発が早すぎて家で朝食が取れず、駅構内のキオスクで、エスプレッソを
飲みながらクロワッサンを立ち食いする人、残りもののパンで、「フレンチトースト」を作る人、
「食い気より眠気」の人・・・という具合に、人それぞれなんですよね。

姑が元気だった頃は、遊びに行くたびにパウンドケーキを持たせてくれたので、一週間続けて
朝食がケーキ・・・なんてこともよくありました。