ふしょうなブログ

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手毬唄

2005年12月08日 21時51分15秒 | 
夢から紡いだ淡い期待を束ね
双の棒針で器用に操る
操る毎に淡い期待は確かな予兆に変わり
なまめかしく揺らめいて
蠢いて
少女は艶やかな女人となる


月の満ち欠けを赤い細布で数え
確かな予兆は五色の手毬
弾み
弾みだして
内へ内へと傾いていた想いの切っ先は
抉り出す不揃いな愛と欲との枡くずし


背丈ほどの柄杓で汲み上げた糖蜜を
襟足から胸元にとろり
滴り落としては上顎と下顎の裂け目より
ちらり覗かせる
赤い細布で山蚕をねぶり


弾む手毬は一人遊び
胸に抱いた手毬を奈落に転がし
口ずさむ手毬唄の一節
満たされぬ
満たされぬまま花一輪の茎を折る


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