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よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

スマホ開けば

2024-11-15 10:27:49 | 自由詩

街を歩けば障害物 

散歩したいと出かければ

犬が棒に当たるように

本屋、ブティック、喫茶、カラオケ

興味があってもゆとりがない

街を急いで公園へ

すきまは時間をウォーキング

障害物を乗り越える

 

スマホ開けば障害物

情報得たいと開いたら

パンドラの箱を開けるように 

ニュース、コマーシャル現れる

メールにライン、ブログ、ゲーム

開いてほしいと待っている

時間もメモリー、プライドも

目的さえも忘れ去り

スマホの中をさまよって

すきま時間をサーフィング

障害物と遊んでる

 

 

 

 

 

 

 

 


小石に思う

2024-11-06 15:51:48 | 自由詩

山道で小石を拾った

カケラの形と

混ざりあった結晶は

カンブリア紀より遥か前から

長い地質時代を生きてきたしるし

 

 

地殻を形作った岩盤が

地球内部で変成し

マントル対流に乗った

プレートで移動し

地表に現れてからは

傷つき壊れ、風化し

自然からも疎外され

僕の手のひらで落ち着いた

 

僕は敬意を払い

そして自然に戻す

小石は何も言わない

乾いた日が反射し

秋風が騒いでいる

 

 


神に祈る理由

2024-09-08 15:23:14 | 自由詩

体は生きている象徴

体が亡くなれば

拡散して自然となる

C,O,N,H、陽子、電子、クオーク

それは無に近いが無ではない

相互作用の「空」間

 

体は生命だけでなく

主体のありか

体は主体を制約し

心をつくる

一寸の虫でも5分の魂

 

体が亡くなれば

心は浮遊するのか

否、

体のない全ての主体

神に戻る

 

だから神は心のありか

だけど身体は心を惑わす

だから無心となって祈る

神に戻らんとして

神の声を聞くため

 


花火

2024-08-04 22:09:06 | 自由詩

戦後、バラックが建て込んだ

路地からみた花火

単純さの繰り返しだったが

希望の象徴のように

消えても夢が残った

 

いま、きれいに整備された

河原の打ち上げ花火

芸術作品の象徴のように

あでやかだが

音楽のように

消える時間芸術

 

音楽は再現できるが

絵画も残るが

花火は再現不可能な

空しさだけが残る

 


唯一のピン

2024-07-01 10:11:44 | 自由詩

ボーリング場の大きなピンが

ビルの上に突っ立っている

かつて林立していたピンは

ほとんどなくなって

唯一のピンになってしまった

そこは最初のボーリング場

初めて僕がボーリングして

64点出したところ

 

ボーリングブームに乗って

雨後のタケノコのように増えた

ボーリング場

僕の最高点212点を出した

地元のボーリング場は

撤退してマンションになった

そのマンションさえ

建て替えの時期が迫っている

 

最初のボーリング場が

最後のボーリング場で

唯一のボーリング場

そのピンはいま

ブームの喧騒を懐かしみ

バブルの崩壊に泣いた

幾多の後輩たちの屍を

生きた化石のように眺めている