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よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

マラソン

2019-12-24 16:46:01 | ポエム

それまでの

ざわめきと笑顔が消え

急に真剣になる

スタート!

ランナーはひしめき

力強く地面を蹴る足音が

ひと塊になって聞こえる

 

沿道の人々の声援と

賑やかな激励の演奏

給水場で足を止めると

体がふらつき 足が張り

急ぎ足でペースを戻す

 

まだ10キロか

小雪が舞い始めたが

肌には汗が染みつく

集団はだんだん広がり

田園や里山の風景が見える

やっと中間の折り返し

 

30キロ地点

なぜこんな馬鹿なことを

お前はしているのか 

と思いつつひたすら走る

足は重く頭はぼやけ

歩き始める人があちこちに

焦るな ここで

持続可能なスピードは

このペースだ

と言い聞かせる

 

あと2キロという声

もう完走できる

気持ちはラストスパート

そしてゴール

 

やったよ 今年も

歳に勝ったよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


公園を歩きながら

2019-11-27 11:04:41 | ポエム

公園を歩きながら

城跡の石垣の上から

ビルの立ち並んだ街並の向こうに

江戸時代の武士たちが

見たであろう景色を想像する

 

公園を歩きながら

歌碑や句碑そして

明治天皇が座った記念碑

明治から昭和にかけて

走り抜けた時の流れに

立ち止まった

人々の感慨を想う

 

公園を歩きながら

そうして、いつも

僕は幼い時に登った

木を捜している

木の形は変わって

どれだったか定かでないが

そこに行けばいつも

一緒に来た祖父の

最後の姿を思い出す

 

僕にとって公園は

イベント広場でも

遺跡や文化財でもなく

変化を思い起こさせる

生きたタイムカプセルだ