よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

情報の非対称

2022-11-07 13:38:45 | 自由詩

 

電車の座席の横に立っている

君は僕のことを知らないけど

僕は君の未来を知っている

つまり

僕は次の駅で降りるから

君はここに座ることになる

 

そう思って次の駅で

僕はおもむろに立ったが

なぜか君は座らなかった

そうか

君の未来は君が決めるから

君の行動は

僕にとって確率変数だった

 

 

 


加古川を理科年表に

2022-11-01 09:12:38 | エッセイ

 国土交通省の資料によれば、加古川の長さは篠山川源流からなら100キロ以上あるが、加古川の本流は佐治川とされ、加古川の長さは96キロとされている。理科年表では、日本の主要河川は長さが100キロ、流域面積が2000平方キロ以上とされているため、加古川は理科年表には記載されず、さらに、理科年表に準じたその他の主要統計資料にも掲載されないことになる。つまり、兵庫県には大きな河川がないことになっている。しかし、兵庫県の水系の数は国内有数であり、そのイメージが統計上現れないことは残念である。

 佐治川が本流とされる理由は「水量が多い方を本流とする」という国土交通省の基準のためであるが、本来、水量は不安定であり、降水量等によって毎年変動する。いっぽう、理科年表の基準によれば、「川には何本も支川(しせん) があり、一番長い延長の川を本川(ほんせん) と呼びます。」と記載されている。それなら、理科年表はそれに基づくべきであろう。

 同様な例は他の河川でもみられる。例えば、阿賀野川はその最大支流である只見川の源流から測れば、260キロあり、天塩川を上回り全国4番目に長い川となる。淀川も琵琶湖につながる宇治川ではなく桂川を本流とすれば、200キロ近くになるであろう。

 国土交通省は、これら河川の長さを最長支流からに認定するように検討してほしい。いっぽう世界を見れば、同様な例は、ナイル川(ビクトリア湖に注ぐカゲラ川源流から認定)などにも見られるので、この機会に国際的な基準についても考えてほしいと思う。