蕾をば花と見なして花見かな
色づけば桜あるらし山の陰
色づけば桜ありけり山の肌
春遅し急ぎ色づく桜かな
雨粒や花それぞれに雪柳
雨の中桜どうしの会話かな
雨降れば話の弾む桜かな
石垣にかかる藤花のたくましき
石垣にかかりて落ちず藤の花
可憐なる花で作るやカリンの実
蕾をば花と見なして花見かな
色づけば桜あるらし山の陰
色づけば桜ありけり山の肌
春遅し急ぎ色づく桜かな
雨粒や花それぞれに雪柳
雨の中桜どうしの会話かな
雨降れば話の弾む桜かな
石垣にかかる藤花のたくましき
石垣にかかりて落ちず藤の花
可憐なる花で作るやカリンの実
若者は座っている
疲れを装って
眠ったふりをしたり
スマホを見ていたり
そのとき若者の体は
エネルギーと情報が混ざりあって
ひたすら生き物のように
けだるいオーラを発する
年寄りは立っている
元気さを装って
つり革にぶら下がったり
窓の外を見たり
そのとき年寄りの体は
重力を膝に受けながら
窓の外の景色の流れに
ひたすら人間のように
干からびた感性を目覚めさせる
電車は満員なのに
誰も話す者はいない
スマホをしているのか
眠っているのか
立っている者だけが
知っている
窓の外はモヤが海面まで降りて
海とひとつになって
電車は白い知らない世界に
向かっている
皆はそのことを知らない
もちろん時間が消えていることも
時計を見ないから
君ゆきし季節を知るや雪柳
マスク美人花粉とともに増えにけり
再挑戦誓いて飲めば春霞
ゆき行きて黄昏明かし雪柳
エドヒガン比べて近し同級生