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よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

川柳2025

2025-01-06 08:51:55 | 川柳

「夫婦」

予想をば「うそよ」と読みたくなる夫婦

階段を離れて登る老夫婦 

 

「へそ」

真ん中にあるべきわけを臍に聞く

言葉のみとなりし出臍を懐かしむ

求めても出臍人材見当たらず

「掘る」

思い出の尽きぬ泉を君と掘る

金婚という鉱脈を君と掘る

掘り当てしAI鉱脈果てしなき

掘る意味を障害物に惑わされ

 

「丸」

戦いは土俵が描く丸のなか

和の国の戦い土俵の丸のなか

トランプはマスク外して丸くなる

丸い輪でトランプした日もあったよね

 

「耳」

若者に念仏伝える馬の耳

ウサギより聞こえ勝るやネコの耳

耳よりな話に潜む作りごと

百歳になれど冴えゆく地獄耳

 

「向こう」

幸せの向こうに何があるのかな

その向こう知りたくはない高齢者

近づけば遠ざかってゆく向こう岸

 

「めくる」

めくってもめくっても出る君の顔

カレンダーめくって未来が見えるかな

カレンダーめくって消えてほしい過去

セクハラとなりしスカートめくりかな

タブレットめくる動作のゆとりなさ

 


テーマ別川柳2024

2024-02-04 19:21:23 | 川柳

 

「包む」

包みより中身が大事と猫が言う

宇宙とはザ・ビッゲスト包み紙

 

「手」

濡れ手には泡と思えば電気かな

言葉より心の残る繋いだ手

超えられぬ自分がつくるお釈迦の手

 

「途中」 

幸福の途中に試練が待ち受ける

途中では引き返せない恋の道

 

「並ぶ」

曲がってもトントンシューで並んでる

並んでも違い分からぬマイノリティ

 

「ニュース」

大谷をニュースにすべく記録探し 

大谷のためにニュースがある如く

大谷は何でもニュースのネタになる

大谷をニュースにすべく記録あり

生活はニュースほどには変化なし

ニュースよりスマホのアプリが気にかかる

平穏という価値を知るニュースかな

 

「沼」

泥沼にもがけば聞こゆサギの声

戦争の泥沼救う女神待つ

 

「貼る」

悔いと恨み背中に貼って君に会う

うらみつらみ背中に貼って生きている

「粘る」

赤トンボ惑う粘暑や秋の風

粘る努力人に過ぎればストーカー

秋ゆかりトンボの惑う粘暑かな

せっかくの粘り空しきタイブレーク

粘る夏百日紅さえあきらめぬ

 

「望む」

望まないものみな生きている社会

望まない雲の峰なる降水帯

若き日の野望切なく思い出す

若き日の野望切なき年となる

負けん気を出せば届かぬ望みかな

 

「化ける」

化の皮はげば化粧の顔となり

化野に揺れる葉陰が招くごと

糸口が芋づるとなり夢紡ぐ

思い出のかけら紡ぎて夢と化す

 

「昼」

昼下り情事はなくて暇がある

焼き芋を食べた昭和の真昼どき

 

 

「その他」

顔のある顔を愛でつつコロナ明け

ふ顔のある顔懐かしきコロナ明け

コロナ明けマスク美人が減ったわけ

 

「明石」

城主より公園使ってる私

蛸壺に入った夢を見てみたい

明石焼きの板も並べて魚の棚

 

コンビニの手柄が増えるネット詐欺


テーマ別川柳2023

2023-05-03 19:13:12 | 川柳

DNA転写狂って進化する

狂わずに人は子供をつくれない

計算が誤差の範囲で狂ってる

予定日が狂って出会うこともある

 

「午後」

人生の昼下がりには情事なし

昼下がりの情事夢幻のごと

人生の午後長き後期高齢者

 

 

「怪我」

傷癒えて怪我を忘れて出逢う罪

行きし日を思い出させる怪我の跡

後悔は先にたたずと怪我が言う

怪我さえも今は懐かし傷の跡

ふと気づく心の傷や怪我のあと

若き日の元気印や脛の怪我

 

「逆らう」

逆らうこといつしか忘れベテランに

逆らっているのは甘えている証拠

逆まわりする魚あり大水槽

ワクチンに逆らいウィルス逃げたかな

 

「四角」

人間は四角の中で生きている

四角から逃げて自然の中に行く

文明と自然を分かつ四角かな

 

「酸っぱい」

年食えば酸っぱい過去も甘くなる

別れをば酸っぱい唾液の量で知る

酸っぱさは青春ゆかりの記憶のみ

酸っぱさが否定をしているその別れ

酸っぱさで別れの気持ちを紛らわす

 

「迫る」

ゆっくりと迫るも過ぎる日の速さ

動かない山が登れと迫りくる

独り言迫ればブルートゥースかな

迫る日を知らぬがゆえの仏かな

 

「袖」

袖にみる日本文化のゆとりかな

袖のない西洋文化にゆとりなし

成長と反比例する袖の長さ

舞台袖見えぬ野党に裏ぎられ

裏技も舞台袖にもない野党

舞台袖見えぬ野党に裏もなし

ゆとりあれど使っていけない袖の下

秋深し袖の長さに迷いつつ

和服には袖のゆとりがもつ平和

 

「例え」

例えばと言うたび逸れていく話

別れをば星に例えるきれいごと


テーマ別川柳2022

2021-05-01 22:35:16 | 川柳

近づけばあっという間に過ぎる駅

気がつけば君が終着駅だった

 

洗濯機洗えぬ思い手洗いで

洗濯を味わうためのタライかな

 

同じ羽根 集まる鳥に敵はなし

敵というウィルス取り込み進化する

 

弁当を叔父に届けた店探す

弁当に込めた心に隙はなし

山行きの弁当虚し雨上り

山行きの弁当職場で空見つつ

 

徳川の庭レンタルしウォーキング

レンタルと思えば軽しこのいのち

 

コロナ過やめでたいことはありがたい

コロナ過でめでたしという言葉消え

めでたいの言葉はばかるコロナかな

めでたいは嘘だったかと思う今日

めでたいは未来へ誘う空手形

 

ゆかりある 花を手折りて恋終わる

君の鼻折れば未来が変わるかな

 

落としても割れぬコップを不思議がる

満月をコップに映し願う恋

 

そっと聞く秘密話のありがたさ

悪口を聞かぬふりしてそっと去る

秘密話君にだけだとそっと言う

 

青春の思いの残る純喫茶

残り香を何処に運ぶや春の風

残る日の数知らぬ故無期と言う

 

細いけどきっといつかは赤い糸

細いけどつながり見える糸電話

 

その話盛った出どこはわかってる

なみなみとコーヒーを盛る母の夢

調整の手間を省いて盛り合わせ

 

夏は夜清少納言と月を見る

夏は夜納言も探す蛍かな

思い出の夜もおぼろな天の川

 

四次元の廊下で君に出会いたい

思い出は雲の廊下で君と行く

 

君に未来預けたけれど利子はなし

銀行に預けて意味なき支援金

 

七五三75歳も祝うかな

祝う日が増えて嬉しささほどなく

祝う日がインフレとなり価値さがる

 

天王星隠した兎忘れるな

天王星食べて兎は蘇る

天王星食べたは月の兎かな

青春の痛み覚える兎跳び

 

映画館示準化石のごとく生き

君と見た映画は遠きストーリー

 

送られた日の未来さえ今は過去

去る君を送るは酒より涙かな

 

飼い猫が終身雇用のように居る

自由だと思えば放し飼いだった

後悔をする前に猫を飼っていた

放し飼いの在宅勤務に自由なし

 

一円切手たまる値上げの化石かな

切手なきメール切なき別れかな

 

DNA転写狂って進化する

狂わずに人は子供をつくれない

見込み狂い誤差の範囲と諦めて

 

 

 

《その他》

マスク外し顔珍かに眺めやる

平和賞受賞の要件身の危険