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2023夏(俳句)

2023-07-16 18:19:40 | 俳句

マスクなき口それぞれに梅雨明ける

梅雨明けや遠き山なみ見える頃

暑気なれどマスク外せば夏の風

緑風やマスク外せばセミ時雨

マスクなき顔歪めるやセミの声

中原の貴花の如くにデイゴ咲く

入道雲並びて遠き地平線

満開の波紋つくるや夏の雨

睡蓮のゆかり寂しき波紋かな

睡蓮のゆかりのごとき波紋かな

すっと汗ひくや木陰のグラウンド

百日紅眺めて涼し木陰かな

スコアボード時計の刻む過ぎし夏

 

百日紅猛暑ゆかりの長きかな

温暖化ゆかりの夏や百日紅

片陰に揺らぎつつ行くジョギング

マスクなき顔懐かしむ秋の風

 

 


AIならあり得ない

2023-07-10 15:42:38 | 自由詩

市立図書館の

大きな硝子窓から

城跡の石垣を眺めながら

2冊の本を読む

科学誌ニュートンと現代詩手帖

理性と感性が対立しながら

心の中でバランスしている

 

外は半夏生の日長

しかし、梅雨の雨雲が垂れ込め

暗く長い夕暮れ

矛盾した景色は

石垣の上のふたつの櫓の

シンメトリーのおかげで

心の中でバランスしている

 

そういえば

亡くなった父は

言うことと行うことが

相反していても平気だった

その矛盾に気が付かなかったのは

矛盾がシーソーのように

心の中でバランスしていたから

 

AIならあり得ないけど