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文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

人生を振り返るなというが

2024-10-04 09:48:05 | エッセイ

シャボン玉はすぐ消える

だから作らない

山はどうせ降りる

だから登らない

そんなことはない

プロセスに意味がある

だから人は生まれる

死ぬとわかっているのに

 

歳を取ると人生は過去ばかり

でも過去は生きた証し

絶望したとき

あなた達がくれた

幸せを思い出し

生きた意味の証を

冥土への迷路の灯しにして

冥土のメイドのエイドを得ながら

良きあの世に導かれたい

 

 

 

 


神に祈る理由

2024-09-08 15:23:14 | 自由詩

体は生きている象徴

体が亡くなれば

拡散して自然となる

C,O,N,H、陽子、電子、クオーク

それは無に近いが無ではない

相互作用の「空」間

 

体は生命だけでなく

主体のありか

体は主体を制約し

心をつくる

一寸の虫でも5分の魂

 

体が亡くなれば

心は浮遊するのか

否、

体のない全ての主体

神に戻る

 

だから神は心のありか

だけど身体は心を惑わす

だから無心となって祈る

神に戻らんとして

神の声を聞くため

 


花火

2024-08-04 22:09:06 | 自由詩

戦後、バラックが建て込んだ

路地からみた花火

単純さの繰り返しだったが

希望の象徴のように

消えても夢が残った

 

いま、きれいに整備された

河原の打ち上げ花火

芸術作品の象徴のように

あでやかだが

音楽のように

消える時間芸術

 

音楽は再現できるが

絵画も残るが

花火は再現不可能な

空しさだけが残る

 


2024夏(短歌、狂歌)

2024-08-02 13:26:20 | 短歌

県民の負託を盾にながらえば末の松山谷越す泉

金の澤井戸の深みに落ち込んで斉の河原でふじ身を呪う

 

この平和守らねばならぬと思えども今では遠き春の園かな

幾百万命に替えしこの平和楽園遠き園の花かな

写真にて生態系を守らんと昆虫採集アルバムとなる

 

道長は光源氏に惑わされ明石の君を娘とぞ思う

 

稜線を高圧鉄柱歩むごといずこより来る電力なるや

 

 

 


2024夏(俳句)

2024-07-31 08:46:09 | 俳句

背の汗を冷やす木陰や夏の風

葉桜に明日への願い託すかな

 

赤トンボ惑う粘暑や秋の風

秋さりてトンボ戸惑う残暑かな

 

ガラス越し雲行く空の秋遠し

ガラス越し暑さ忘れば秋の雲

いわし雲熱き地上を見下ろすや

神無月仏の慈悲もなき暑さ