よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

2025春(俳句)

2025-03-17 14:01:49 | 俳句

蜘蛛の巣や列島春の等圧線

朝風になびく県民こいのぼり

風情より悩みの勝る春霞

 


2025春(短歌)

2025-03-10 09:49:10 | 短歌

立花を朝風香るとなびくとは兵庫県民こいのぼりかな

低気圧居座る春の等圧線列島からめて蜘蛛の巣のごと

花粉症黄砂にpm2.5悩みの勝る春霞かな

 


心のアーカイブス

2025-02-28 08:43:30 | 自由詩

目的もなく図書館に行く

書棚の間を歩む

すると

いろんな本が僕に

語りかけてくる

「興味があるんじゃないの?」

「読んでくれないの?」

ふと僕は立ち止まって

本を手にとる

 

宇宙や生命、山や川

神話や歴史、英雄や城郭

社会や人間、経済や経営

絵画やクラシック音楽

小説や詩歌、短詩形

 

子供の頃から学生時代

社会人から後期高齢者まで

積み重ねた知識は薄れても

そんな心のアーカイブスを

呼び覚ます書棚は

心の散歩道

 

 

 

 

 

 

 


節分の景色

2025-02-10 10:38:29 | 自由詩

友ヶ島が浮いて見える

淡路島の山襞の間に

見たこともない稜線が

うっすらと見える

節分の寒波

季節のせめぎ合いが

新しい景色をつくる

そして

僕の目も新しくする

 

 


心の遺影

2025-02-10 10:22:43 | 自由詩

突然会えなくなった人の面影は

数多(あまた)なる思い出の

水面に浮かぶ泡沫(うたかた)

虚ろな心に浮かんで

揺れて定まらない

だけど

時の流れは

水面を落ち着かせ

面影は静かに浮かび

やがて写真のように定着する

そして悲しさも寂しさも超えた

心の遺影となる