よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

進歩への自由

2023-03-20 08:56:33 | 自由詩

しきたり、伝統、文化

常識に乗れば安心できるけど

進歩はない

時流に乗れば

ファッションになるけど

そのときだけ

 

恋人や親友を失って

自由になっっても

悔いの中に

解放されない自分がいる

 

進歩には自由が要る

世間の常識や評価

自分から解放され

死すら超えた

目ざすものへの

 


新たな日本的経営を期待する

2023-03-17 09:21:11 | エッセイ

日本経済はバブル崩壊後の30年間低迷している。その要因には様々なものがあると思われるが、究極的には企業の価値創造性が低下したためである。

経済成長は、市場メカニズムではなく企業の価値創造性によるところが大きい。企業が創造する価値を市場が選択することによって高められるからである。特に成熟した経済を成長させるには量的投資ではなく、常に新たな価値の創造が求められる。しかし政府の成長戦略は、市場経済のメカニズムに基づいた規制緩和や金融緩和などの競争促進と総需要増大政策であった。

市場と組織は不連続であり、それが組織を形成する理由である。しかし、いわゆる「組織の経済学」と称される理論の多くは、組織の機能を市場と同様、資源の効率的配分と考え、企業組織の価値創造性を考慮していない。

日本経済の低迷の一因は、市場の原理を企業組織に導入し、企業の価値創造性が低下したためである。組織経済における企業の目的は利潤ではなくアイデンティティ(企業理念や文化、コア・コンピタンスなど)に基づいた価値創造である。しかし、市場原理主義は企業組織を市場と同様、利潤最大化の手段とするため、規制緩和は金融経済の拡大やグローバル競争の中で、企業の価値創造よりもコスト低下や証券投資を促した。また雇用においては、労働者が専門性を発揮し組織から自由に自己利益を追求する「仕事人」が望ましいように主張された。その結果、成果主義の導入や非正規労働者の増加により、低賃金化と雇用の流動化を促した。

価値創造とは、アイデンティティを製品として実現することである。それが新技術を開発し、あるいはICTなどを活用して付加価値を高める方向になり、需要の高度化とマッチすることによって経済を成長・発展させる。

かつての日本的経営では、長期雇用のもとに企業と従業員が一体となった集団主義が価値創造性を高めた。それは企業内での従業員教育を積極的に進め、先進国の技術にキャッチアップするには効果的であった。それは、常に新たな価値創造が求められる成熟経済では必ずしも有効とはいえないが、企業のアイデンティティのもとに、企業や従業員が価値観を共有し、専門性により創造性を発揮することは、組織の普遍的なあり方である。「仕事人は組織人」でなくてはならない。日本文化の長所でもある企業と人間、人間同士の関係を重視し、常に新しい創造性を発揮できる新たな日本的経営が求められる。

 


すねた電波時計

2023-03-13 15:36:02 | 自由詩

電波時計が止まってた

スマートウォッチしてたから

ほこりかぶって

ほこりの高い

電波時計が止まってた

 

20年前の高価な時計

最新時計だったのに

秒針ビクとも動かない

長針、短針、日にち表示も

不思議な時を示してる

 

いくら振っても触っても

動かないから仕方ない

謝りつづけて半日置いたら

いつの間にか動き出し

どんどん時間を追いかけて

今に向かって追いかけて

 

よみがえった電波時計

20年前の最新時計

スマートウォッチより

クールでキュートで

かっこいい

動いてるのが見えるから

 


23年春(短歌)

2023-03-06 11:28:50 | 短歌

道真のサーフィン像にて天満宮乗るは時代の波になるかな

天神も時代の波に乗り遅れまいとサーフィン像にて人をいざなう

春風が滑らかにゆく池の面は水鳥遊ぶ広き青空

公園を独り占めして眺めるは春の嵐の花吹雪かな

ゲレンデにいま水仙の咲き誇りびわ湖に向かい風滑りゆく

秋ならで風に落ちるは新緑に命譲れる春落葉かな