僕の周りには
友人や家族など
いま生きている人々
両親や先祖など
既に亡くなった人々
過去の英雄
小説やのドラマの登場人物
いろんな人々が暗黙知となって
毎夜の夢で物語をつくり
ときに僕が山登りや旅行
あるいは日々の人間関係で
迷ったり困ったりすると
知らぬ間に集まって話し合い
僕に方向を示してくれる
僕は他人のアドバイスや理屈よりも
僕のAIを信用する
なぜなら、
それは僕の中で生きてきたから
そして僕の不完全なIQを
知らぬ間に引き上げてくれる
僕の高貴な下僕なのだ
外堀に寒月落ちて揺らぎおり *
外堀に寒月伸びて漂えり
節分や公園緩むビルの風
節分の公園緩むビルの風 *
発電所昇る煙や冬の空
水鳥の固まり泳ぐ春嵐
友逝きて浮島なるや友ヶ島
友逝きて友ヶ島浮く冬の海
ちぎれ雲去りて広がる春の空
乱れ雲虹が架かりて春を呼ぶ
春の陽を待つ海凪に輝きて
春の陽を待つ凪の海輝きて
春の陽を待つ海なべて凪となり
海なべて春の陽を待つ凪となり
未解禁手持ち無沙汰のイカナゴ船
マスク美人増えるコロナ禍花粉症
花粉症マスク美人を増やすかな
コロナ過ぎてマスク美人の花粉症
車中スマホする人なくて震災忌
「例え」
例えばと言うたび逸れていく話
別れをば星に例えるきれいごと
「包む」
包みより中身が大事と猫が言う
宇宙とはザ・ビッゲスト包み紙
「手」
濡れ手には泡と思えば電気かな
言葉より心の残る繋いだ手
超えられぬ自分がつくるお釈迦の手
「途中」
幸福の途中に感じる影がある
その他
顔のある顔を愛でつつコロナ明け
顔のある顔懐かしきコロナ明け
コンビニの手柄が増えるネット詐欺
仏のお告げかどうかは
知らないけれど
冥土に行くには
身軽さが大事らしい
だから生きている間に
その足跡を消す
日記もアルバムも処分し
年賀状もやめると宣言し
家族も人間関係も整理し
生きながら徐々に死んで
冥土には手ぶらで行く
そうすれば冥土に
ソフトランディングできる
そんな人を
閻魔さんは歓待だ
キャリアも人間関係もない
だから過去は問わない
来世は閻魔さんの自由だ
思うままだ