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文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

国民目線のリーダーシップを

2020-10-10 21:41:04 | エッセイ

『自民党総裁選挙と民主主義』

 

 自民党総裁選挙のための公開討論会は、候補者三氏の見解を聞く有意義な機会であった。新しい自民党総裁に選ばれた人を国民が評価し、自民党支持率や国政選挙に繋げなければならない。

 菅氏は安倍首相の路線を継承すると言うが、国民が継承を望んでいるかどうか疑問である。首相の評価は、長さではなく実績であると安倍首相自身が述べていたが、実績はともかく、政治を私物化したという批判もある。外国首脳との良好な関係の評価も、ロシアやアメリカ大統領との友人関係は交渉力をむしろ弱めてきたのではないだろうか。

国民主権の重要な機会は国政選挙である。問題の多かった安倍首相の長期政権を許したのは、若者などの投票率の低さではないだろうか。選挙で多数をとれば後は内閣が何でもできるというのは、民主主義とはいえない。政策における国民目線や国民のためのリーダーシップが必要である。総裁を選んだ自民党の選択を、次の衆院選挙の判断基準としたい。


オリンピックは無観客で開催するように

2020-07-31 12:19:59 | エッセイ

先日の世論調査で、東京オリンピックの再延期や中止を求める意見が七割もあったという。新型コロナ収束の見通しが立たず、感染拡大の機会にもなりかねない開催に消極的になるのは当然かも知れない。問題は知識人が安易に開催を否定することであり、日本に決まったせっかくの機会を活かす前向きな意見を述べてほしい。

古代ギリシャでは、戦争を中止してオリンピックを開催した。近代オリンピックはその平和の精神と、アスリート個人が競い合う理念を引き継いで復活した。しかし国際紛争で中止され、覇権を象徴する国家間のメダル争いや商業主義に支配されている。

コロナに休戦を申し入れることはできないが、選手だけなら検査や感染への対策も容易である。

今や情報技術の進展で、高質のテレビ映像やスマホにより、世界中で臨場感を楽しめる時代になった。東京オリンピックがオリンピック精神と技術進歩を象徴する機会になるよう、無観客での開催を期待したい。


華麗に加齢したいけど

2020-06-10 12:29:21 | エッセイ

朝起きると

遠くの看板で視力検査

安心して一日が始まる

 

五十を過ぎてから

体のいろんな部品が悪くなった

目の網膜をレーザーで修理し

水晶体をガラスにし

上下の歯は部分入歯

右耳の耳鳴りは止まない

花粉症で鼻が詰まる

 

幸い体力は残っている

でも糖尿病になった

インスリンを補充しながら

今日もジョギングしている

ボクの誇りは膝だけだ

頼りがいのある命の恩人だ


マスクにみる新型コロナ対策と文化

2020-06-02 21:48:00 | エッセイ

 このたびの新型コロナ対策で、欧米では都市封鎖などによってパンデミックを押さえ込もうとしたが失敗した。一方、法的な規制が出来ない日本は、今のところ比較的うまく対処出来た。その背景には、マスク着用など他者のために自粛する文化があったからではないか。

 かつて、風邪などを他者に移さないためにマスクをしていたが、近年では花粉などから身を守るためにマスクをすることが多くなった。しかし、新型コロナウィルスは小さいため、飛散したウィルスをマスクで防ぐことは困難で、むしろ、くしゃみなど飛沫感染のリスクから他者を守る効果が大きいと言われる。

 欧米の個人主義では、自己責任のもとに行動の自由と権利を尊重する。しかし、誰かに感染させても責任を取るのは困難である。感染した方の自己責任とするなら、他者に配慮して自己規制をする文化の方が道徳的である。そんな人との繋がりを重視する日本文化が、効果をもたらしたのではないだろうか。


9月入学は早急に決めることではない

2020-05-06 22:00:15 | エッセイ

 

新型コロナウィルスの感染拡大によって9月入学が俎上になってきた。大きな災禍が制度を変える例は多いが、この機会に便乗しようとする促進派の意図はいただけない。9月入学は欧米諸国や中国などが採用するが、留学を容易にするメリットがあるとしても、グローバル化を口実に拙速に結論することではない。入学時期は文化や他の制度と関連する。当面の学生対策と制度改革は分けて検討すべきことであろう。

 9月入学にすれば、早行きの子供が1月から8月までになるのか、それとも7歳での入学になるのだろうか。4月開始の会計制度や事業年度とのズレは、就職時期や一括採用に影響する。欧米のような通年採用が一般化すれば雇用制度や企業文化にも影響するであろう。

どんな国にも文化や制度があり、それは最大限尊重すべきである。桜の季節に新年度が始まり、社会が新たにスタートするというのは、我が国のアイデンティティに基づいた文化ではないのだろうか。