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よこさんのページ

文芸 エッセイ 論文  アイデンティティ

  もう少しで騙されるところだった  

2022-03-24 11:27:57 | エッセイ

 

 振り込み詐欺になぜ騙されるのかと思っていたが、そんな私も最近騙されそうになった。夕食後、パソコンでウクライナのニュースを見ていると、突然画面が真っ黒になり、大きな警告音とともにスマホ程の赤い枠で「ウィルスに感染しています。回復にはすぐ下記に連絡してください」と。てっきりウィルス対策の会社からだと思い電話すると、外国人女性が専門技術者の証明と顔写真を表示して、データやクレジット番号がハッキングされるので、今すぐ近くのコンビニでお金(4.5万円から9万円)を払い、カードを購入し、その番号を教えたら回復できると言う。データの破壊・流出を恐れたので、仕方なくコンビニに行こうとした。そのとき、トイレに行く長男に出会い、警察に電話したらと忠告してくれた。パニックにさせ、信用させ、考える時間を与えない切迫感、振り込み詐欺に共通する手口だろう。一人なら巻き込まれるおそれがある。冷静になる機会が必要だ。

 


心の4次元空間

2022-03-24 09:45:12 | エッセイ

世界で最も速いもの

それはthought

僕を宇宙の端まで一瞬に運び

過去と未来を自由に行き来させる

そんな心の4次元空間で

僕はゆかりのあった人と

少年のように遊び

青年のように冒険する

 

やがて

きのうは先週と重なり

昨年は10年前と重なり

ゆかりの人は遠くに霞み

僕は狭まった4次元空間で

少年のように落ち着かず

認知症のように彷徨い

いつの日か

ゼロ次元空間を通過し

真の4次元空間に開放される

 

そして

ゆかりの人の

4次元空間に生きる

 

 


高二事件に思う多様性の尊重

2022-01-30 21:59:26 | エッセイ

 京都アニメや大阪のビル放火事件のような無差別襲撃事件が多発している。それらは自らの挫折を社会の責任にして騒がせる歪んだ自己顕示欲の表われであろう。しかし、先日の高校二年生が共通テストの受験生らを襲った事件には、別の側面もあるのではないだろうか。

 昔の小中学校では学業のほか絵画や習字、夏休みの作品、運動会などでいろんな表彰があり、適性や自信を得る機会になっていた。昨今は情報化の進展により芸術や芸能、スポーツ選手などの目立つ職業への人気があるが、それらはエリート教育される一方、それ以外の学生は偏差値によって序列化される。夢や適性というよりも偏差値により医者など様々な職業をめざすなら、多くの者が挫折し、あるいは適した職業に就くことができないであろう。

 LGBTなど同様、若者が自分らしい生き方によって、経済的、人間的に充実できる期待が持てる「みんな違ってみんないい」という多様性が尊重される社会を期待したい。


核兵器廃絶に米国説得の外交を

2022-01-27 22:44:33 | エッセイ

先日のテレビ会議で、岸田文雄首相とバイデン米大統領が「核兵器のない世界」の実現に共に取り組むという考えで一致したという。しかし、その具体的な方法は見えない。むしろ核兵器保有国が他国の核兵器保有を認めないという核拡散防止条約や、核兵力の均衡による平和という観点により、核の傘のもとに同盟を維持する口実になるのではないかと思う。

戦後の日本外交は、防衛のみならず全般的に米国追随の側面が強いと言われる。同盟国としての外交には連携が必要であるが、それは必ずしも米国に追随することではないであろう。特に核兵器に関しては日本が唯一の被爆国で、米国が加害者であるという事実や、原水爆禁止運動を継続してきた実績もある。少なくとも核兵器廃絶に関しては、日本は米国に優位な立場にある。日本の特殊性や平和への理念を説明し、「核兵器禁止条約」に参加するなど、「核兵器のない世界」の実現に向け米国を説得する外交を期待したい。


規制緩和より企業の組織能力の向上を

2022-01-25 12:26:13 | エッセイ

新自由主義のもと、市場原理主義がわが国経済を停滞させている。規制緩和による競争の激化がコスト低下圧力となり、賃金や経済成長率の停滞を招いてきたためである。その意味で岸田内閣が所得増加を企業に要請することは意義があるが、それだけでは今後も経済の成長・発展は望めないであろう。

市場原理主義は、企業の競争により市場が均衡すると考えるが、資本主義は市場均衡による効率化よりも、企業が新技術や新製品を開発する創造性によって、市場経済を発展させる原動力になってきた。それは、企業が必ずしも株主利益を追求する資本主義の原理に従ってこなかったからである。

しかし、規制緩和による派遣労働者の増加などが賃金の低下や正社員の働き過ぎをもたらしている。それは労働者を分断し、企業内の協力関係や製品開発力を弱めている。規制緩和による競争よりもチームワークによる組織能力の向上こそが、わが国発展の原動力になるのではないだろうか。