このたびの保育園児バス置き去り事故は、幼児に対する安全確認の大切さを明らかにした。子供の生命を預かっている以上、登下校時だけでなく、食事、昼寝、遊び、遠足などさまざまな活動において、安全を確保しつつ、しかも活動を萎縮させずに行うことは、悩ましい問題であろう。
事故防止のため、何重にもチェックするという保育園もある。しかし、多くのチェック体制はかえって、他者がチェックすることへの依存をもたらすのではないだろうか。この度の事故も、運転者、補助者、クラス担任、出席登録システムなどによるさまざまなチェック機会があったにもかかわらず、機能しなかった。
むしろ重要なことは、誰かひとりがチェックの責任を持つこと、そして、担当者のミスをカバーするための監督者があとひとりいれば十分である。皆でチェックするというのは依存体質や無責任さの助長になる。担当を明確化するという体制の構築こそ、事故の教訓ではないか、と思う。