北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

「不可抗力」によるフライト・キャンセル

2008-07-22 | 国際
またまた、長らくのお休み申し訳ありません。
安ホテル逗留が続き、インターネット環境が確保できませんでした。

これは、ダブリンのレフィ川の夜景です。
きれいですね。
なぜ、私がこの写真をとることができたのか?
その話を聞いてください。

実は、ダブリンからロンドンに向かったのですが、
夕方6時の便が空港のレーダー故障のためにキャンセルされたのです。

レーダーの故障は、航空会社からすれば「不可抗力」の出来事です。
「sorry」の言葉は一切ありません。

なんと!
そのために生じる損害(たとえば、ホテルキャンセルに係る損害など)について、
なんら航空会社は保障してくれないのです。

そんな、アホな!!!!

また、翌日の便も自分で電話して確保し、ホテルも自分で確保しろというのです。

そんな、アホな!!!の2乗

日本では、絶対に信じられないことです。
まず、空港のレーダーが故障するなんてことがありませんよね。



そして、この出来事にたいして、誰ひとりとして怒りを示さない。
私のとなりの人は真剣な表情で事情を聞き、さっさと次の行動、
つまり、翌日の予約をとる、ホテルを確保する、という行動を
はじめました。

「便がキャンセルされたら、航空会社がホテル代を払うのが普通でしょ?」
と聞きますと、「旅行保険に入っているでしょう。それを使えばいい」
と、私のよこにいた女性が教えてくれました。

「不可抗力」の事件については、想像をはるかに超える理解を示すなあとは、
以前から思っていましたが、ここまで航空会社に協力的だとは、、、、
本当に、びっくりしましたが、びっくりしていては、その日の宿がなくなると
思い、空港にあった、ホテル直結の電話でとにかく適当なところを見繕って
予約をいれました。

翌日の便については、自分の携帯から何度電話してもつながらないので、
航空会社の人に
「私の英語は完璧でないので、間違いがあってはならないので、
 私の代わりに、私の電話で予約してください」とお願いしました。

ホテル探したりして、空港内を走りまわっていると、
学会で一緒だったアメリカの女性が、汗をかいて、同じく走り回り、
彼女はかなり怒っていました。
そして「こういう事態に対して、誰も怒らへんのが信じられへんわあ。
私はアメリカに帰る便まで影響を受けて、たいへんじゃああ!」と顔をまっかっかにして怒っていました。

アメリカとヨーロッパでは、こうした事態に対しての考え方がことなるのでしょうか?単なる個体差なのでしょうか?

100機の便がキャンセルされたようですが、フランスからの参加者のその後の
メールによれば、飛行機はその日に飛んで、夜中にパリに着いたとのことでした。
これも、おそろしいことです。

空港のレーダーの故障が原因とはいえ、飛ばなくなった飛行機のために
自分で代替便の用意をし、ホテル間で自分で予約して、自分で払う。
「不可抗力」に対しては、「社会の災害」と捕らえ、自分が損害をこうむっても
だまって我慢して、その場でベストな対応をしていく社会は、本当に自分自身が
自分の足で立っていないと生きていくことはできない。
正直なところ、かなりシンドイ社会ですね。

だから、しっかりと情報を得て、どんな責任が自分にあるのかを見極めて生きて
いくわけです。
依存的な人は、いつも文句ばかり言っています。
その意味では、私はこうした考え方や行動が非常に好きです。
が、実際のきびしい場面に遭遇して、そのシンドサを体験したわけです。

こんな場合、日本では怒りの声がカウンターに怒涛のように押し寄せるでしょう。

中には「ゴネ得」を求める人もいるでしょう。
こういう人に限って、自分の責任をとらず、義務を果たしていないことが多い。

ダブリンの空港からは、大事をとってタクシーで市内に向かいました。
もち、この費用も自分もち。
帰国してから、旅行保険会社に連絡して払い戻しを受けようと思っていますが、、(実は、キャンセルの証明書を出してくれ、との要求も拒否されたのです)

いろいろとありましたが、おかげでダブリンの夜をもう1回楽しむことができ、
こんなにきれいなレフィ川の写真をとることができました。

ちゃっかりしてる?
ホテルは、69ユーロで安く、例の赤いドアの古い建物でした。

さいわい、次の日はノー・アポで、
怪我の功名、ありがたや。

では、また。





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