北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ヒマラヤのチョウ代表、オオヤマミドリヒョウモン Argynnis childreni  Gray, 1831 

2023-10-07 14:30:14 | 採集記・旅行・写真

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ヒマラヤのチョウ代表、オオヤマミドリヒョウモン Argynnis childreni  Gray, 1831 

 

 

 

北インド東部、ネパール、ブータン、から中国北西部にかけての山岳地帯に分布する、大型美麗なヒョウモンチョウです。

 

9月上旬のドチュラ峠への途中の原生林。濃い霧が流れて、晴れたり曇ったり。寒くなったり暖かくなったり。

この黄色い花にチョウが吸蜜に飛来します。

 

 

このオオヤマミドリヒョウモンは、いわゆるヒマラヤ回廊に多く見られるようで、私は1968年に出版された北海道大学のヒマラヤ(ネパール)調査隊の報告書ーヒマラヤの動植物ーで白黒写真の図版を見たのがこのチョウとの最初の出会いでした。

何故か、この大型ヒョウモンチョウは私にとってきわめて印象深く、以来、私の頭のなかではこのチョウをヒマラヤのチョウ代表と位置ずけてしまったのでした。

 

 

 

当時北海道大学に入学したばかりの赤貧大学生だった私は、強い意志はあっても経済的な問題でネパール行きなど到底かなわぬ夢でしたが、後に厳重な鎖国を続けてきたブータン王国が1978年に開国され、その翌年ブータンにチョウの調査で入国することができました。

 

 

 

ヒマラヤ回廊の中心に位置するブータンではおよそ2000m前後の山岳地帯でこのチョウをよく見かけましたが個体数はさほど多くはなかったとおもいます。

 

 

 

 

この大型のヒョウモンチョウの飛翔は小気味よいほどに力強く、春と秋に出現します。

 

 

 

秋には個体数が多いようですが多少飛び古したような印象をうける個体が多くみられます。

 

 

 

これらのことから、日本(本州)における一部のヒョウモンチョウたちと同じく、春に羽化した個体が暑い夏は夏眠して、秋、気温が落ち着く頃に再出現し産卵している可能性がないかと推定しています。

 

 

水車で回り続けるマニ車。

 

ラマ教ではマニ車をせっせと回すことによって願いが叶ったりご利益があったりとされるみたい。道路脇にある小型仏塔の中にはマニ車があり、沢水を引いてその水力で延々と回り続ける仕掛けがありました。

 

 

 

 

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ブータンでミダヌスルリマダラ♂翅表のギラギラとヘアペンシルを撮影した。

2023-09-03 21:22:11 | 採集記・旅行・写真

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ブータンでミダヌスルリマダラ♂翅表のギラギラとヘアペンシルを撮影した。

 

XXXX-6-17 (木)  曇り 時々晴れ 一時 雨  暑い

Puntsholing Bhutan.   ブータン王国南部、インドのアッサムとの国境の町、プンツォリン郊外の河原で吸水中のミダヌスルリマダラ(Euploea midanus splendens Butler )をつまんでとらえ、手のひら写真を撮影した。

 

 

 

 

オスなので 盛んにヘアペンシルをだした。

 

 

 

 

マダラチョウ科のオスの多くはこのヘアペンシルからメスを誘因するフェロモン大気中に飛ばす。

 

 

 

 

ミダヌスルリマダラのオスはルリマダラ属のなかでも最も強く輝く幻光を発する。特に、東南アジアに広く分布する本種のなかでもこの亜種ssp.splendens が最も美しいブルーの構造色を呈するとされる。

 

 

確かに、野外で強い太陽光の下で生きている本亜種のギラリぎらりと輝く青い幻光のものすごさは展翅標本からは到底想像できず、見る者を圧倒します。

 

 

 

 

この亜種はブータン以外ではアッサム、シッキム、ネパールに分布します。

 

 

 

 

 

ミダヌスルリマダラ♂翅表のギラリギラリをうまく撮影しようと種々工夫をこらして撮影してみたがいかがでしょうか。

 

 

 

プンツオリンの風景。

 

 

インドとブータンの国境のゲート。この付近ではブータン人とインド人はお互い自由のこのゲートを行き来しているように見えました。そこで、私もブータン人のふりをして何度かインドへ出て、またもどってきました。一応係官が目を光らせておりちょっとヒヤヒヤでした。

 

 

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ドゥルガイチモンジ、最強の女性戦士の名を持つブータンの美蝶。

2023-04-19 11:50:15 | 採集記・旅行・写真

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ドゥルガイチモンジ、最強の女性戦士の名を持つブータンの美蝶。

 

Bhutanのドゥルガイチモンジ(Euthalia durga   :   Bassarona durga とされることもある)。

 

 

Sikkim , Abor Hills,  Nagaland   Bhutan などヒマラヤ回廊一帯からビルマ北部まで分布する大型で美しいタテハチョウ。大型のメスは羽根を開くと大人の手のひらほどになります。

 

 

ドゥルガイチモンジ発生地周辺のブータンの風景。

 

 

 

 

ブータン王国の料理の必需品唐辛子や、ウリを売っている。

 

ドチュラ峠の風景。

 

 

 

 

ブータンでは  Punakha周辺や Thynleygang の小高い崖で観察しました。

 

 

 

普段は灌木の多い小高い崖の上部にいますが時々、ゆっくりジグザグに飛びながら舞い降りてきます。

 

 

 

 

崖にペタッと張り付くように静止したり、地面に降りて吸水することもあります。

 

 

 

8月中旬が発生の盛期ですが個体数は多くない。

 

 

 

 

この蝶の種名に当てられたドゥルガはヒンドゥ教の神話上の女神ドゥルガーにちなんでおり、その名は「近づき難い者」を意味するとされています。

 

 

外見は優美で美しいが、実は最強の戦いの女神。額の中央にも目があり顔に合計3つの目を持つのは、最新のスバルのSUV、クロストレックのアイサイトみたい。8本もある腕には、それぞれ超能力を有するすごい武器を持ち、まさに無敵です。普通はまたはライオンに乗る姿で描かれます。

 

 

 

ブータンやネパールは主にラマ教、シッキムはイスラム教が半分ほどなのでヒンドゥの女神ドゥルガーとは無縁の地域です。

 

この蝶が記載されたときの標本はヒンドゥ教がメインのインド北部産のものかも知れません。

 

 

今回、図示したドゥルガイチモンジは全てN.M氏採集のものです。

 

 

 

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Bhutan王国のウスアオゴマダラシジミ Phengaris  atroguttata  ssp.

2023-04-05 13:27:13 | 採集記・旅行・写真

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Bhutan王国のウスアオゴマダラシジミ Phengaris  atroguttata  ssp.

 

 

 

Bhutan王国のドチュラ峠( Dochongla  )。飛行場のある Paro や首都 Thimphu からBhutan西部へ向かうのに、何度この峠を越えたことだろう。

 

 

もう少しで峠にさしかかる手前、森林の中に開けたいかにもチョウがたまりそうな湿潤な一角がある。

 

 

そこに、今まで見たことのない白い大型のシジミチョウが多数、ひらひらチラチラと舞っていました。

 

 

黄色い花に止まり吸蜜を始めると白い羽根に大型の黒い黒色紋。とても特徴的な斑紋なので台湾にも産する ウスアオゴマダラシジミ Phengaris  atroguttata  ssp. であることはすぐにわかったが、生きた実物を見るのは初めてでした。

あたりにはこのシジミチョウ以外のチョウは何もいない。翅表のブルーは台湾産より色濃くて、明るい陽光の下、息をのむほど美しい。

 

 

 

この日はこのシジミチョウの乱舞を見ただけでとても幸せな気持ちになれたドチュラ峠でした。

 

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モンゴルのクリソセーメモンキチョウ。

2023-03-30 11:20:06 | 採集記・旅行・写真

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モンゴルのクリソセーメモンキチョウ。

 

モンゴルのクリソセーメモンキチョウ (   Colias chrysotheme  ) はウランバートル近郊や北部のフブスグル湖周辺などで記録が多いがおそらくモンゴル全土に広く分布するものと推定されるが調査は不十分である。

 

オスは乾燥気味の広い草原を猛烈なスピードで低く飛ぶ。飛翔中はかなり遠くからもよく目立ち、あたかも縄張りを見張るように巡回するかのごとく飛んでいる。飛翔速度はとても速くあまりに俊敏なので採集の好機はそう多くない。運よく採集できても多くは多少の破損があり完全品は意外と得難い。

 

 

 

 

 

 

 

メスは林間の草地などで発見されるがオスのように乾燥した広い草地は好まない。いずれの産地でも多産はしない。

 

 

年ニ化。モンゴル以外の地域ではソラマメ属、ゲンゲ属の植物が食草として報告されているがモンゴルでの幼生期の知見は未知。

 

 

 

 

オスは亜外縁の黒い縁取りに多少の個体変異が見られるがおおむね翅形斑紋は均一である。よく似たColias viluiensisのオスと比べると黒帯の幅が広く支脈が白く見えるので区別可能である。

 

 

 

 

メスは変異があり美しい個体が多い。未だ多数個体を検する機会はなく、モンゴル産がどのような亜種になるのかは不明。

 

 

 

 

簡易式遊牧民の住居ゲルをたたんで、ヤクに引かせて移動中。

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