やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

シャモ旅記-13

2006-04-17 | Chamonix 2006
滑走4日目/2006年3月15日(水)


いよいよ『バレーブランシュ氷河大滑降』本番。

前日、グランモンテから戻るバスで乗り合わせた、バレーブランシュ
滑降の帰りだというフランス人カップルの言葉を思い出す。
「とっても素晴らしかったよ。あなた方もボン ボヤージュ♪」

ボン ボヤージュ(よい旅を)かぁ♪


今朝もツ○コの“じゃぼじゃぼアラーム”で目を覚まし、身支度を
済ませてレストランへ。

今日は終日完全なオフピステ。ランチも外で食べることになるから、
行動食やおかず代わりにと、 各自、バッフェからリンゴやゆで卵を
頂戴してナプキンにくるむ。
ちなみに今日のお昼ご飯は、前日オーダーしておいた おにぎり。
スネルスポーツ・神田夫人のお手製(だと思う)

朝食をとりながら、みんなと今日のツアーについておしゃべり。
ツ○コに負けず劣らず、T林さんもナーバスになっているようだ。

T林氏「今日はいよいよあのハーネスを使って、目もくらむような
    高所から吊り下げられちゃったりするのかなぁ?」

T林さんの思い描くバレーブランシュ(イメージ)


やおり「え~~、まっさかぁ♪
    そこまでの難所は、さすがにないんじゃないですかねぇ?
    きっと今日が終われば、あれこれ心配したのも、ぜ~んぶ
    取り越し苦労だった…って思うんじゃないかなぁ♪」

な~んて軽口をたたいたけど、この日の“あの場面”を思い返すと、
これ、撤回しなきゃいけませんね(笑)


8:30、ホテル前に、ジャンとガエラがやってくる。
前日のハーネスは各自そのまま部屋に持ち帰っていたが、自分では
どうも上手く着けられない。自分でやって手違いがあってもマズい。
やっぱり今日もジャンとガエラに手伝ってもらう。

ビーコンも受け取って身支度を整え、いよいよ出発。
ホテルから5分ほどのロープウェー駅へ徒歩で向かう。

駅に着くとフランス軍隊の、山岳部隊っていうの? 本格的な装備で
順番待ちをしている一団がいた。
ジャンが、
「エギュイ・ドゥ・ミディは軍の訓練にも使われる山なんだよ」
と教えてくれた。それを聞いたら、にわかに緊張してきちゃった。


ロープウェーを待つフランス軍隊の皆さん。ウェアも迷彩柄。

軍隊の一団に続いて乗り込む。発車ベルがジリリッと短く響くと、
ロープウェーは一気に上昇を始めた。
シャモニーの街がどんどん小さくなっていく。
途中、2300m地点の中継駅[プラン・ドゥ・エギュイ]でさらに
ロープウェーを乗り継ぎ、これもぐんぐん上がる。

こんなに高い山に、こんなに長いロープウェーを、一体どうやって
架けたのだろう。大工事だったんだろうねぇ、と聞けば、
「最初の工事は、山へ機材を運び上げるための簡便なリフトを造る
 ことから始まったんだ。ロープウェーそのものの着工は1911年。
 第一次世界大戦で中断したが、1924年に完成したんだよ」
とジャン。立て板に水の説明、さすがガイド。


かつての工事の様子を伝えるポスター。
危ないことも多かったんだろうなぁ。




山頂に到着。


ロープウェーを降りると、後方から
「板を置いて~。まずは展望台に上がるよ~」とカオルくん。

ジャンにならって通路の脇にスキーをまとめ、身軽になって進むと
ほどなくトンネルに進入。巨大な岩山、エギュイ・ドゥ・ミディを
くり抜いて造ったトンネルだ。


トンネル内部は暗くて狭くて酸欠ぎみ。みんな緊張。

トンネル内に造られたエレベーターに乗り、これまた一気に上昇。
急激に上がっていくので、一瞬キュンと耳が詰まる。
この山は、なんでもかんでも一気に動くものばかり……と思う間も
なく上へ到着。扉が開くと、パァ~っと視界が開けた。


標高3842mの世界だ!


「360度、見渡す限りの大パノラマ」って、
こういうことを言うんだね~♪
みんな大はしゃぎで撮影タイムに突入。


モンブラン(右側のいちばん高くてツルンとしたの)をバックに。


シャモニーの街ははるか谷底。低く見える山並みも実は2500m級。


山の説明をするカオルくん。耳を傾ける者はいない。

めったやたら写真を撮る。カオルくんを一人しゃべらせて撮る。
撮って撮って撮りまくる(笑)
展望台のすぐ下をのぞき込むと、これから我らが下りていくらしい
スロープが見えた。すでに歩いている人の姿も見える。


これより稜線をつたって参ります。

これかぁ♪
なるほど、山の稜線を歩くのね。やっと理解するやおり(おせぇ)
しかし、両脇は断崖絶壁だと聞いてたけれど、雪が豊富なせいか、
そうでもないのでは?
これなら万が一足を滑らせても、命の危険にまでは及ぶまい。
いやいや、ロープにつながれてグループ全員が運命共同体なのだ、
「死なばもろとも」はマズいよね~ ……などと思いを巡らせる。


「ワラァ~~~ッ(さぁ) そろそろ出発しようっ!」
ガエラの声が響く。

高らかにヨーデルを歌い上げる陽気なエレベーター・ボーイに案内
されて再びトンネルへ下りる。ヨロレッヒ レヒレヒ~♪
出発を前に、トイレへ向かう。今日このあと催したら、そのときは
ネイチャーコール(野しょん)しか選択肢がないから、女子はこの
タイミングでのお手洗いはハズせない。

それにしても今日も天気がいい。楽しい一日になりそうで、自然と
鼻唄が出る。『You and I both』、大好きな Jason Mraz の一曲。

♪ You and I both loved, what you and I spoke of ~♪

「そんなに歌いまくって平気なの~?」
まっきぃがビックリしているが、ツ○コにもらった“飲む酸素”の
おかげで全然苦しくない。
この肺のなかで余ってる酸素、誰かにあげたいくらいだよ♪
トイレ待ちの列でさらに歌う。やがて興に乗り、熱唱~~ぅ!

うしろに並んでいたブロンド美女に笑われた。


すっきり顔でトンネルを逆行する。
分岐を右に折れて進んで行くと、ひんやりした空気が顔に当たった。
岩盤が雪に覆われて凍りついている。陽も差し込んで足元が明るい。
出口が近いんだ。

いよいよだねぇ。

ジャンとガエラが、出口手前の、少し広くなったスペースに我らを
並ばせてハーネスをチェックし、カラビナにロープを通してゆく。
みんな「ドキドキする~」なんて言ってる。
あたしは相変わらず歌い続けている。
見よ、あり余るこの酸素を。聞け、アルプスに響くこの歌声を~っ♪

バカ(あたし)にロープをつなぎながら、やれやれと首を横に振る
ジャン。あぁ今日も、彼の眉毛を「ハの字」にさせてしまった。


ミオちゃん、つばきちゃん、もんち、 あたし、じぇみ姐さん、
ツ○コ、まっきぃの順につながれて、しんがりはジャン。
こっちが女の子チーム。

人数と身長のバランスをとるためか、背の高いゆか姉さんは男の子
チームに吸収されてしまった。サリュ~♪

2チームそれぞれ、全員のハーネスにロープが通ったことを確認し、
各自、ズレないようにゴムバンドで留めてもらった板を抱える。
みんなのストックは、ジャンとガエラのスキーに留められている。
我らの安全のために、そんなに荷物持たせて、ごめんね…。


男の子チームをその場に待たせ、
ここはレディファーストじゃなくてよかったんですが、
女の子チーム、出発!


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やるな~ (つ●こ)
2006-04-17 20:13:17
やおりの写真って臨場感が出てるよね。

さすがだわ~。でもあのイラストもいいね。



やっぱこの日(バレーブランシュ)の日記が

一番盛り上がるね~♪
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ガハハハ! (T-BAYASHI)
2006-04-17 20:33:50
イラスト見て、大笑いしてしまいました!

まさにその通りでした!!
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Unknown (とり子)
2006-04-17 23:06:24
“飲む酸素”ってナンダ?水??

イラスト見て、ホントに「きゃーーー!」(笑)
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チョー (キ○コ)
2006-04-18 09:30:29
たのしチョー

あたしもハーネスしたかった



やおりおもろすぎ
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楽しんでいただけて… (やおり)
2006-04-18 12:20:32
みんながププッと吹き出したり、ニヤリとしたり、楽しんでくれてたら嬉しいと思いつつ書き進めております。

でもさすがに長篇すぎて疲れが……(笑)



つ●こ>確かにこの日がいちばんの山場、書いてても楽しい。あんときゃ気分も最高潮だったしね~♪



T-BAYASHIさん>いぇ~い! ようやくコメントくださいましたね。ハーネスばんざい♪



とり子>“飲む酸素”って、顆粒のサプリメント。

同じ3500m体験でも、飲まずに滑ったツェルが苦しくて、飲んで臨んだ軍鶏が楽ちんだったということで、効果ありと実感。

次の機会には自分で買っていきます。



キ○コ>ハーネスをつけるたび、ビーコンをつけるたび、あなたの不在を悲しく感じたわよ~ん。
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