滑走4日目/2006年3月15日(水)
いよいよ『バレーブランシュ氷河大滑降』本番。
前日、グランモンテから戻るバスで乗り合わせた、バレーブランシュ
滑降の帰りだというフランス人カップルの言葉を思い出す。
「とっても素晴らしかったよ。あなた方もボン ボヤージュ♪」
ボン ボヤージュ(よい旅を)かぁ♪
今朝もツ○コの“じゃぼじゃぼアラーム”で目を覚まし、身支度を
済ませてレストランへ。
今日は終日完全なオフピステ。ランチも外で食べることになるから、
行動食やおかず代わりにと、 各自、バッフェからリンゴやゆで卵を
頂戴してナプキンにくるむ。
ちなみに今日のお昼ご飯は、前日オーダーしておいた おにぎり。
スネルスポーツ・神田夫人のお手製(だと思う)
朝食をとりながら、みんなと今日のツアーについておしゃべり。
ツ○コに負けず劣らず、T林さんもナーバスになっているようだ。
T林氏「今日はいよいよあのハーネスを使って、目もくらむような
高所から吊り下げられちゃったりするのかなぁ?」
T林さんの思い描くバレーブランシュ(イメージ)
やおり「え~~、まっさかぁ♪
そこまでの難所は、さすがにないんじゃないですかねぇ?
きっと今日が終われば、あれこれ心配したのも、ぜ~んぶ
取り越し苦労だった…って思うんじゃないかなぁ♪」
な~んて軽口をたたいたけど、この日の“あの場面”を思い返すと、
これ、撤回しなきゃいけませんね(笑)
8:30、ホテル前に、ジャンとガエラがやってくる。
前日のハーネスは各自そのまま部屋に持ち帰っていたが、自分では
どうも上手く着けられない。自分でやって手違いがあってもマズい。
やっぱり今日もジャンとガエラに手伝ってもらう。
ビーコンも受け取って身支度を整え、いよいよ出発。
ホテルから5分ほどのロープウェー駅へ徒歩で向かう。
駅に着くとフランス軍隊の、山岳部隊っていうの? 本格的な装備で
順番待ちをしている一団がいた。
ジャンが、
「エギュイ・ドゥ・ミディは軍の訓練にも使われる山なんだよ」
と教えてくれた。それを聞いたら、にわかに緊張してきちゃった。
ロープウェーを待つフランス軍隊の皆さん。ウェアも迷彩柄。
軍隊の一団に続いて乗り込む。発車ベルがジリリッと短く響くと、
ロープウェーは一気に上昇を始めた。
シャモニーの街がどんどん小さくなっていく。
途中、2300m地点の中継駅[プラン・ドゥ・エギュイ]でさらに
ロープウェーを乗り継ぎ、これもぐんぐん上がる。
こんなに高い山に、こんなに長いロープウェーを、一体どうやって
架けたのだろう。大工事だったんだろうねぇ、と聞けば、
「最初の工事は、山へ機材を運び上げるための簡便なリフトを造る
ことから始まったんだ。ロープウェーそのものの着工は1911年。
第一次世界大戦で中断したが、1924年に完成したんだよ」
とジャン。立て板に水の説明、さすがガイド。
かつての工事の様子を伝えるポスター。
危ないことも多かったんだろうなぁ。
山頂に到着。
ロープウェーを降りると、後方から
「板を置いて~。まずは展望台に上がるよ~」とカオルくん。
ジャンにならって通路の脇にスキーをまとめ、身軽になって進むと
ほどなくトンネルに進入。巨大な岩山、エギュイ・ドゥ・ミディを
くり抜いて造ったトンネルだ。
トンネル内部は暗くて狭くて酸欠ぎみ。みんな緊張。
トンネル内に造られたエレベーターに乗り、これまた一気に上昇。
急激に上がっていくので、一瞬キュンと耳が詰まる。
この山は、なんでもかんでも一気に動くものばかり……と思う間も
なく上へ到着。扉が開くと、パァ~っと視界が開けた。
標高3842mの世界だ!
「360度、見渡す限りの大パノラマ」って、
こういうことを言うんだね~♪
みんな大はしゃぎで撮影タイムに突入。
モンブラン(右側のいちばん高くてツルンとしたの)をバックに。
シャモニーの街ははるか谷底。低く見える山並みも実は2500m級。
山の説明をするカオルくん。耳を傾ける者はいない。
めったやたら写真を撮る。カオルくんを一人しゃべらせて撮る。
撮って撮って撮りまくる(笑)
展望台のすぐ下をのぞき込むと、これから我らが下りていくらしい
スロープが見えた。すでに歩いている人の姿も見える。
これより稜線をつたって参ります。
これかぁ♪
なるほど、山の稜線を歩くのね。やっと理解するやおり(おせぇ)
しかし、両脇は断崖絶壁だと聞いてたけれど、雪が豊富なせいか、
そうでもないのでは?
これなら万が一足を滑らせても、命の危険にまでは及ぶまい。
いやいや、ロープにつながれてグループ全員が運命共同体なのだ、
「死なばもろとも」はマズいよね~ ……などと思いを巡らせる。
「ワラァ~~~ッ(さぁ) そろそろ出発しようっ!」
ガエラの声が響く。
高らかにヨーデルを歌い上げる陽気なエレベーター・ボーイに案内
されて再びトンネルへ下りる。ヨロレッヒ レヒレヒ~♪
出発を前に、トイレへ向かう。今日このあと催したら、そのときは
ネイチャーコール(野しょん)しか選択肢がないから、女子はこの
タイミングでのお手洗いはハズせない。
それにしても今日も天気がいい。楽しい一日になりそうで、自然と
鼻唄が出る。『You and I both』、大好きな Jason Mraz の一曲。
♪ You and I both loved, what you and I spoke of ~♪
「そんなに歌いまくって平気なの~?」
まっきぃがビックリしているが、ツ○コにもらった“飲む酸素”の
おかげで全然苦しくない。
この肺のなかで余ってる酸素、誰かにあげたいくらいだよ♪
トイレ待ちの列でさらに歌う。やがて興に乗り、熱唱~~ぅ!
うしろに並んでいたブロンド美女に笑われた。
すっきり顔でトンネルを逆行する。
分岐を右に折れて進んで行くと、ひんやりした空気が顔に当たった。
岩盤が雪に覆われて凍りついている。陽も差し込んで足元が明るい。
出口が近いんだ。
いよいよだねぇ。
ジャンとガエラが、出口手前の、少し広くなったスペースに我らを
並ばせてハーネスをチェックし、カラビナにロープを通してゆく。
みんな「ドキドキする~」なんて言ってる。
あたしは相変わらず歌い続けている。
見よ、あり余るこの酸素を。聞け、アルプスに響くこの歌声を~っ♪
バカ(あたし)にロープをつなぎながら、やれやれと首を横に振る
ジャン。あぁ今日も、彼の眉毛を「ハの字」にさせてしまった。
ミオちゃん、つばきちゃん、もんち、 あたし、じぇみ姐さん、
ツ○コ、まっきぃの順につながれて、しんがりはジャン。
こっちが女の子チーム。
人数と身長のバランスをとるためか、背の高いゆか姉さんは男の子
チームに吸収されてしまった。サリュ~♪
2チームそれぞれ、全員のハーネスにロープが通ったことを確認し、
各自、ズレないようにゴムバンドで留めてもらった板を抱える。
みんなのストックは、ジャンとガエラのスキーに留められている。
我らの安全のために、そんなに荷物持たせて、ごめんね…。
男の子チームをその場に待たせ、
ここはレディファーストじゃなくてよかったんですが、
女の子チーム、出発!
いよいよ『バレーブランシュ氷河大滑降』本番。
前日、グランモンテから戻るバスで乗り合わせた、バレーブランシュ
滑降の帰りだというフランス人カップルの言葉を思い出す。
「とっても素晴らしかったよ。あなた方もボン ボヤージュ♪」
ボン ボヤージュ(よい旅を)かぁ♪
今朝もツ○コの“じゃぼじゃぼアラーム”で目を覚まし、身支度を
済ませてレストランへ。
今日は終日完全なオフピステ。ランチも外で食べることになるから、
行動食やおかず代わりにと、 各自、バッフェからリンゴやゆで卵を
頂戴してナプキンにくるむ。
ちなみに今日のお昼ご飯は、前日オーダーしておいた おにぎり。
スネルスポーツ・神田夫人のお手製(だと思う)
朝食をとりながら、みんなと今日のツアーについておしゃべり。
ツ○コに負けず劣らず、T林さんもナーバスになっているようだ。
T林氏「今日はいよいよあのハーネスを使って、目もくらむような
高所から吊り下げられちゃったりするのかなぁ?」
T林さんの思い描くバレーブランシュ(イメージ)
やおり「え~~、まっさかぁ♪
そこまでの難所は、さすがにないんじゃないですかねぇ?
きっと今日が終われば、あれこれ心配したのも、ぜ~んぶ
取り越し苦労だった…って思うんじゃないかなぁ♪」
な~んて軽口をたたいたけど、この日の“あの場面”を思い返すと、
これ、撤回しなきゃいけませんね(笑)
8:30、ホテル前に、ジャンとガエラがやってくる。
前日のハーネスは各自そのまま部屋に持ち帰っていたが、自分では
どうも上手く着けられない。自分でやって手違いがあってもマズい。
やっぱり今日もジャンとガエラに手伝ってもらう。
ビーコンも受け取って身支度を整え、いよいよ出発。
ホテルから5分ほどのロープウェー駅へ徒歩で向かう。
駅に着くとフランス軍隊の、山岳部隊っていうの? 本格的な装備で
順番待ちをしている一団がいた。
ジャンが、
「エギュイ・ドゥ・ミディは軍の訓練にも使われる山なんだよ」
と教えてくれた。それを聞いたら、にわかに緊張してきちゃった。
ロープウェーを待つフランス軍隊の皆さん。ウェアも迷彩柄。
軍隊の一団に続いて乗り込む。発車ベルがジリリッと短く響くと、
ロープウェーは一気に上昇を始めた。
シャモニーの街がどんどん小さくなっていく。
途中、2300m地点の中継駅[プラン・ドゥ・エギュイ]でさらに
ロープウェーを乗り継ぎ、これもぐんぐん上がる。
こんなに高い山に、こんなに長いロープウェーを、一体どうやって
架けたのだろう。大工事だったんだろうねぇ、と聞けば、
「最初の工事は、山へ機材を運び上げるための簡便なリフトを造る
ことから始まったんだ。ロープウェーそのものの着工は1911年。
第一次世界大戦で中断したが、1924年に完成したんだよ」
とジャン。立て板に水の説明、さすがガイド。
かつての工事の様子を伝えるポスター。
危ないことも多かったんだろうなぁ。
山頂に到着。
ロープウェーを降りると、後方から
「板を置いて~。まずは展望台に上がるよ~」とカオルくん。
ジャンにならって通路の脇にスキーをまとめ、身軽になって進むと
ほどなくトンネルに進入。巨大な岩山、エギュイ・ドゥ・ミディを
くり抜いて造ったトンネルだ。
トンネル内部は暗くて狭くて酸欠ぎみ。みんな緊張。
トンネル内に造られたエレベーターに乗り、これまた一気に上昇。
急激に上がっていくので、一瞬キュンと耳が詰まる。
この山は、なんでもかんでも一気に動くものばかり……と思う間も
なく上へ到着。扉が開くと、パァ~っと視界が開けた。
標高3842mの世界だ!
「360度、見渡す限りの大パノラマ」って、
こういうことを言うんだね~♪
みんな大はしゃぎで撮影タイムに突入。
モンブラン(右側のいちばん高くてツルンとしたの)をバックに。
シャモニーの街ははるか谷底。低く見える山並みも実は2500m級。
山の説明をするカオルくん。耳を傾ける者はいない。
めったやたら写真を撮る。カオルくんを一人しゃべらせて撮る。
撮って撮って撮りまくる(笑)
展望台のすぐ下をのぞき込むと、これから我らが下りていくらしい
スロープが見えた。すでに歩いている人の姿も見える。
これより稜線をつたって参ります。
これかぁ♪
なるほど、山の稜線を歩くのね。やっと理解するやおり(おせぇ)
しかし、両脇は断崖絶壁だと聞いてたけれど、雪が豊富なせいか、
そうでもないのでは?
これなら万が一足を滑らせても、命の危険にまでは及ぶまい。
いやいや、ロープにつながれてグループ全員が運命共同体なのだ、
「死なばもろとも」はマズいよね~ ……などと思いを巡らせる。
「ワラァ~~~ッ(さぁ) そろそろ出発しようっ!」
ガエラの声が響く。
高らかにヨーデルを歌い上げる陽気なエレベーター・ボーイに案内
されて再びトンネルへ下りる。ヨロレッヒ レヒレヒ~♪
出発を前に、トイレへ向かう。今日このあと催したら、そのときは
ネイチャーコール(野しょん)しか選択肢がないから、女子はこの
タイミングでのお手洗いはハズせない。
それにしても今日も天気がいい。楽しい一日になりそうで、自然と
鼻唄が出る。『You and I both』、大好きな Jason Mraz の一曲。
♪ You and I both loved, what you and I spoke of ~♪
「そんなに歌いまくって平気なの~?」
まっきぃがビックリしているが、ツ○コにもらった“飲む酸素”の
おかげで全然苦しくない。
この肺のなかで余ってる酸素、誰かにあげたいくらいだよ♪
トイレ待ちの列でさらに歌う。やがて興に乗り、熱唱~~ぅ!
うしろに並んでいたブロンド美女に笑われた。
すっきり顔でトンネルを逆行する。
分岐を右に折れて進んで行くと、ひんやりした空気が顔に当たった。
岩盤が雪に覆われて凍りついている。陽も差し込んで足元が明るい。
出口が近いんだ。
いよいよだねぇ。
ジャンとガエラが、出口手前の、少し広くなったスペースに我らを
並ばせてハーネスをチェックし、カラビナにロープを通してゆく。
みんな「ドキドキする~」なんて言ってる。
あたしは相変わらず歌い続けている。
見よ、あり余るこの酸素を。聞け、アルプスに響くこの歌声を~っ♪
バカ(あたし)にロープをつなぎながら、やれやれと首を横に振る
ジャン。あぁ今日も、彼の眉毛を「ハの字」にさせてしまった。
ミオちゃん、つばきちゃん、もんち、 あたし、じぇみ姐さん、
ツ○コ、まっきぃの順につながれて、しんがりはジャン。
こっちが女の子チーム。
人数と身長のバランスをとるためか、背の高いゆか姉さんは男の子
チームに吸収されてしまった。サリュ~♪
2チームそれぞれ、全員のハーネスにロープが通ったことを確認し、
各自、ズレないようにゴムバンドで留めてもらった板を抱える。
みんなのストックは、ジャンとガエラのスキーに留められている。
我らの安全のために、そんなに荷物持たせて、ごめんね…。
男の子チームをその場に待たせ、
ここはレディファーストじゃなくてよかったんですが、
女の子チーム、出発!
さすがだわ~。でもあのイラストもいいね。
やっぱこの日(バレーブランシュ)の日記が
一番盛り上がるね~♪
まさにその通りでした!!
イラスト見て、ホントに「きゃーーー!」(笑)
あたしもハーネスしたかった
やおりおもろすぎ
でもさすがに長篇すぎて疲れが……(笑)
つ●こ>確かにこの日がいちばんの山場、書いてても楽しい。あんときゃ気分も最高潮だったしね~♪
T-BAYASHIさん>いぇ~い! ようやくコメントくださいましたね。ハーネスばんざい♪
とり子>“飲む酸素”って、顆粒のサプリメント。
同じ3500m体験でも、飲まずに滑ったツェルが苦しくて、飲んで臨んだ軍鶏が楽ちんだったということで、効果ありと実感。
次の機会には自分で買っていきます。
キ○コ>ハーネスをつけるたび、ビーコンをつけるたび、あなたの不在を悲しく感じたわよ~ん。