やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

シャモ旅記-18

2006-04-25 | Chamonix 2006
滑走6日目/2006年3月17日(金)


とうとう旅もグランドフィナーレ。
滑走最終日…。
今日はスイスのスキー場・ベルビエ(Verbier)へ遠足。

ベルビエ。
スイス屈指のパウダー天国、ファットスキーとヘルメット着用率が
非常に高く、カオル企画でも「行ってみたいスキー場」にその名が
挙がっていたスキー場だ。
もちろん今回は晴天続きなのでパウダーはないだろうけど、カオル
くんがシャモニーに入る前に滑って、とてもいい山だと言っていた。

朝 7:15、いつものようにレストランへ行くと、すでにT林さんの
姿がなかった。氏は本日、我らとは別行動。少年時代の思い出の地
モントルーを訪ねる一人旅で、ひと足先に出発していた。
中学生の頃に、短期留学でスイスに滞在したことがあるんだって。
ウン十年前にヨーロッパへ留学とは……さすがボン。

トモちゃん・ミオちゃん夫妻も今日は滑らず観光をするとのこと。
鉄道で小旅行をしたり、ショッピングを楽しむ予定のようだ。

彼らのように、せっかくヨーロッパへ来たのだからと、滑る以外の
アクティビティーを選択できるのって「大人だなぁ~」と思う。
せっかくヨーロッパまで来たんだから、めいっぱい滑りまくるぜ!
などと息巻いている自分のガツガツぶりが貧乏っちぃ(笑)
でも、海外で滑るって特別なことだから、あたしゃこれでいいや♪

8:30、今日もチャーターバスに乗り、じじばばを拾って出発だ。


バスの車窓より。朝陽と稜線の織りなす芸術。

シャモニーを出て、山中で国境を越え、スイスへ入る。
昨日は忘れたパスポート、今日はしっかり携帯していたが、やはり
不要だった。
そりゃあね…。国際空港の入管でさえあんなにユルいんだもんね。
山の中でパスポート見せろなんて、言われるわけがないよ(笑)


10:00、ベルビエ到着。


ベルビエ・ゴンドラ駅でございます。


鉄道駅もございます。低地のこのあたりは雪もわずか。


ゴンドラ駅では VERBIER の看板の前で写真を撮ったり、身支度を
整えたり、奇妙な造りのトイレ(洗面台のスペースがなぜか駐車場
からの抜け道になっていて、順番待ちの列と通行人が交錯する)に
入ってかなりウケたり…。
そんなトイレから戻ると、カオルくんがリフト券を配ってくれた。
準備万端。乗り場に向かう。

だが、ゴンドラ乗り場で並んでいると……、ドンッ!
後ろからドツかれた。びっくりして振り向くと、到着日に「バスの
扉を閉めろ!」と騒いでいたクレームおばば(と連れのおじじ)だ。
なおも体当たりをかましてくるおばば。 痛いぞこら、何の真似だ!

どうやら先に行っちゃった仲間に追いつこうと必死のようだ。
それにしたって、人を押しのけようとしたり、板やストックを人に
ぶつけて知らんぷりだなんて、まったく信じられん(怒)

気を鎮めてハルさんとゴンドラに乗る(結局じじばばと同乗だっ!)

ベースはほとんど雪もなく、この上にスキー場があるとはちょっと
思えないような、のどかな風景。でも大丈夫。ゴンドラを降りると
立派なスキー場が我らを待ち受けていた。

滑っている人を見ると確かにヘルメット着用者が多くて、その点で
ちょっとウィスラーっぽい。
でもここは憧れのベルビエだ。青空も山並みも美しい。

実は今日、ここへ来るバスの車内でゴーグルレンズを入れ換えた。
快晴時に最適なバイオレット系ミラーレンズ。これがまたいい色で、
景色がなおのこと美しく見えるのだ♪
こんなによく見えるなら、もっと前に入れ換えればよかった…。

フランスからスイスへ走るバスの中で、カナダで買ったフレームに
日本で買ったレンズを装着…。なんかインターナショナル♪


ジャンが山々を指差しながら、いろいろ案内をしてくれる。
あれは○○山(忘)、あっちはフランスとの国境の○○山(忘)。


スイスの山だって案内できちゃう。ジャンってすごい。

ゴンドラやロープウェーを乗り継いで上を目指すと、定員の都合で、
途中で隊が2班に分かれてしまった。
先発隊としてロープウェーを上がると、降り場がやけに賑やかだ。
スウォッチや各種スポーツブランドのテント、それに巨大モニター
なんかも設置されていて、何かのイベントらしい。

「エクストリーム・スキーの大会だよ」
カオルくんが教えてくれた。

岩がむき出し、ほとんど絶壁という危険な急斜面を、脚前に覚えの
あるスキーヤーたちが滑り、ライン取りの上手さと滑降テクニック、
そしてタイム(とアタマのネジの飛び具合)で競う大会だ。
ライブで見られるなんて初めて。ラッキー♪
後発隊を待つ間、ハルさん、カオルくんとしばらく見物する。


エクストリーム大会開催中。真正面の険しい山が競技会場。

真正面の大きな山の頂上がスタート地点。
スキーヤーが滑り始めるとヘリがその姿を追い、ヘリから撮影した
映像が会場の巨大モニターに映し出されるようになっている。
スキーヤーの姿は、ここからでは小さすぎてほとんど見えない。
ヘリの動きと、スキーヤーがターン時に上げる雪煙が手がかりだ。


かなり不鮮明だが、示す場所にヘリと“滑る阿呆”がいる。


すごいなぁ……。
見とれていると後発隊も到着。場の賑わいを見てジャンが言った。

「大勢の人がイベント見物で足留めされているスキに、もう一つ
 上に行けるロープウェーに乗ろう。空いてる今がチャンスだ」

時計を見ればすでに11:30、ほんとだ時間がもったいないね。
ジャンの提案に従って会場を離れ、ロープウェーに乗る。山頂駅は
展望台になっているから、いい景色が見られるよ、とジャン。


山頂駅に到着し展望台に立つ。
見える景色は、これまた絶景だった♪
名峰マッターホルンも見えるが、背ビレが付いているみたいで若干
ブサイク。あの山はやっぱりツェルマットから見るのがいいんだな。


中央の突出したのがマッターホルン(背ビレ付き)


その後もしばらくこの展望台で、ご機嫌で写真を撮りまくった。
みんなでチーズ!
女子一同でハルさんを囲んでチーズ!
女子一同でジャンとハルさんを囲んでチーズ!

このときの写真、みんなすごくいい笑顔なんだ。
みんなゴーグル焼けの泥棒顔だけどね…(笑)


「まったく、キミは毎日 元気だねぇ…」

3023mの高地で騒ぎ続けるバカ(あたし)を、
ジャンが笑う。

「まぁね♪ 毎日ガソリン補充してるも~ん!」

そう言って、
ジョッキをグイグイッと2杯一気にあおる仕草をして見せたら、

「ふぁっはっはっは…………」

ジャンは、薄く笑った。
困った子だよまったくも~、といった表情のようにも見えた。
バカにつける薬はない、と思っているようにも見えた。


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