やなさん浜松E-RA日記

浜松暮らしを楽しむ人を応援する柳原新聞店社長の日記です

サービスはタダではない

2007年05月26日 | CSマネジメント
以前読んだ本(サービスマーケティング・近藤隆雄著)に書かれていたエピソードです。

二人の外国人が新幹線のグリーン車に座っていた。当時グリーン車内では缶飲料を無料で配っていたので車掌さんが彼らにも差し出したところ一人の外国人が英語で「これはタダなのか?」と尋ねた。するとその車掌さんは英語で「イイエ、これはサービスです」と答えた。混乱した外国人は、「では、いらない」といって缶を返したのである。

つまり外国(特に英語圏)ではサービス=タダではないということなんです。
サービスという言葉が日本に入る時に間違って使われたことが原因のようですが、何故か日本ではサービス=タダやオマケといった意味で使われることが多いのですが、その為、本来のサービス活動の意味を勘違いしている人が多いようです。
ご他聞にもれず新聞業界も同じような傾向がありますが・・・。

サービスは本来、その商品やサービスの対価として払われるものだったり、有料であるべきもの。

サービス=タダ・値引き、となるとこれは実際の商品の価値を下げることにつながります。

サービス(値引き・オマケ・タダ)合戦の末、商品の価値を自ら落としていく・・・・。
新聞業界でも顧客離れを起こしている一因がこういった活動にあることを理解している人はどれくらいいるのでしょうか?

ホンダクリオ新神奈川は全国ホンダディーラーのCSナンバーワンを7年連続(04年実績)達成し、日本経営品質賞も受賞した企業ですが、お客様の要望・期待に「すべて対応する」ことを目指し、基盤とする組織価値観を「会社は家庭・社員は家族」と定め、チームワークを重視した「店頭販売」方式を徹底することで、掛売りなし、値引きも極力しないのに、顧客から絶大な信頼を得ている会社です。

相澤会長は本の中で、「値引きとは、お客様への会社と社員の落ち度の先払い」と書いていますが、まさに的を得た表現といえるでしょう。

自らの商品やサービスの価値を落とす犠牲的活動=タダ・値引き・オマケです。


では本質的なサービスとは一体何か?

それはお客様を理解し、いかにお客様の要望に応えるか、というお役立ちの活動だったり、質の高い満足を提供することにあるといえるのではないでしょうか?

その為には顧客が何を望んでいるか?本質的に何を求めているかを知ることから始まります。例えば新聞を例にとればお客様は何故新聞を購読するのか?から考えなければなりません。

このような本質的なサービス活動を展開するのは時間がかかることですが、現在のような市場が成熟した中ではどんな企業でも何よりも先に取り組まなければならないことだと思います。





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