やなさん浜松E-RA日記

浜松暮らしを楽しむ人を応援する柳原新聞店社長の日記です

大原孫三郎と總一郎

2007年06月19日 | CSマネジメント
五月の連休に倉敷に行ったことから、倉敷の街づくりに大いに貢献した二人の本を読みました。

わしの眼には十年先が見える 大原孫三郎の生涯  城山三郎著
大原總一郎 へこたれない理想主義者       井上太郎著

大原美術館や倉敷レイヨン(現クラレ)をはじめとして倉敷周辺の産業・文化の基盤を作ったのが孫三郎なら、それらを常に進化するものに育て上げたのが總一郎といえるのではないでしょか。

城山著のあとがきに神崎倫一さんが書かれた「ノーブレスオブリージュ」。

~高貴なもの、地位あるものはそれなりの義務を持つ。(中略) 日本の資本主義の屏息感は経営者が使命感、倫理性を失った時にはじまったのではないか。そしてもし、總一郎に数十年の天寿をかせば・・・・・。

と、あらゆることで社会に貢献し、また使命感をもって事業を推進した大原親子の高潔さを賞賛しています。

著名人である故城山さんの本は読まれた方も多いのではないかと思いますが、実はそれ以上に井上さんの本に感銘を受けましたが、それは總一郎の残した多大な文献や語録を歴史にそって巧妙にまとめ上げてあるからです。

總一郎語録をこれから何回かに分けてご紹介させていただきたいと思いますが、まず最初にご紹介したいのは

「よき社会主義は悪しき資本主義に優り、よき資本主義は悪しき社会主義に優る」

という總一郎の基本的な考え方。

グローバル化という名の下にアメリカ型資本主義が広がる中で多くの弊害が起こっていますが、まさに「悪しき資本主義」が拡大しているような気がします。

日本的な経営のよさは資本主義と社会主義のバランスが上手く取れていたことにあるという、大原總一郎の言葉から学ぶべきことは多いのではないでしょか。


サービスはタダではない

2007年05月26日 | CSマネジメント
以前読んだ本(サービスマーケティング・近藤隆雄著)に書かれていたエピソードです。

二人の外国人が新幹線のグリーン車に座っていた。当時グリーン車内では缶飲料を無料で配っていたので車掌さんが彼らにも差し出したところ一人の外国人が英語で「これはタダなのか?」と尋ねた。するとその車掌さんは英語で「イイエ、これはサービスです」と答えた。混乱した外国人は、「では、いらない」といって缶を返したのである。

つまり外国(特に英語圏)ではサービス=タダではないということなんです。
サービスという言葉が日本に入る時に間違って使われたことが原因のようですが、何故か日本ではサービス=タダやオマケといった意味で使われることが多いのですが、その為、本来のサービス活動の意味を勘違いしている人が多いようです。
ご他聞にもれず新聞業界も同じような傾向がありますが・・・。

サービスは本来、その商品やサービスの対価として払われるものだったり、有料であるべきもの。

サービス=タダ・値引き、となるとこれは実際の商品の価値を下げることにつながります。

サービス(値引き・オマケ・タダ)合戦の末、商品の価値を自ら落としていく・・・・。
新聞業界でも顧客離れを起こしている一因がこういった活動にあることを理解している人はどれくらいいるのでしょうか?

ホンダクリオ新神奈川は全国ホンダディーラーのCSナンバーワンを7年連続(04年実績)達成し、日本経営品質賞も受賞した企業ですが、お客様の要望・期待に「すべて対応する」ことを目指し、基盤とする組織価値観を「会社は家庭・社員は家族」と定め、チームワークを重視した「店頭販売」方式を徹底することで、掛売りなし、値引きも極力しないのに、顧客から絶大な信頼を得ている会社です。

相澤会長は本の中で、「値引きとは、お客様への会社と社員の落ち度の先払い」と書いていますが、まさに的を得た表現といえるでしょう。

自らの商品やサービスの価値を落とす犠牲的活動=タダ・値引き・オマケです。


では本質的なサービスとは一体何か?

それはお客様を理解し、いかにお客様の要望に応えるか、というお役立ちの活動だったり、質の高い満足を提供することにあるといえるのではないでしょうか?

その為には顧客が何を望んでいるか?本質的に何を求めているかを知ることから始まります。例えば新聞を例にとればお客様は何故新聞を購読するのか?から考えなければなりません。

このような本質的なサービス活動を展開するのは時間がかかることですが、現在のような市場が成熟した中ではどんな企業でも何よりも先に取り組まなければならないことだと思います。





経営指針手帳

2007年03月16日 | CSマネジメント
遠鉄システムサービス㈱さんの経営指針手帳を今年もいただきました。

小杉社長とは以前からお付き合いさせていただいておりますが、経営品質に真面目に取り組んでいる会社・社長です。

経営指針手帳とは、いわゆるクレドのようなものですが、こちらの素晴らしいところはすべてオープンに外部に開示しているところです。

内容は
経営理念・会社概要にはじまり、年度経営計画、経営品質向上への取組み、主要連絡先一覧、ISO9001、14001への取組み、個人情報保護への取組み、情報セキュリティへの取組みまで。総ページ数は29頁!!

04年が24頁、05年が27頁と年々分厚くなっています。それは社員が自ら行動することによって活動する範囲が広がったのだということでしょう。きっと来年は30頁を越すんでしょうね。

ここ数年、活動を拝見させていただいていますが、確実に経営品質を取り入れて成長していることが感じられます。

小杉社長の想いが浸透してきましたね。

遠鉄システムサービス

日本経営品質賞 報告会

2007年03月03日 | CSマネジメント
2月28日、3月1日と月末にも関わらず、JQA(経営品質協議会)の受賞企業報告会に参加しました。

毎年全国から千人近い人が集まるこの報告会は参考になることも多く、毎年楽しみにしています。

日本経営品質賞とは
アメリカの国家品質賞、MB(マルコムボルドビッジ)賞を参考にした「経営品質向上プログラム」の審査基準にのっとり、卓越した経営を目指して経営革新を進めた組織を評価し、その考え方を国内全体で共有し競争力を強化することを目的に創設された顕彰制度です。

過去の受賞企業にはネッツトヨタ南国(旧トヨタビスタ高知)やホンダカーズ神奈川(旧ホンダクリオ新神奈川)・Jアートレストランシステムス・千葉夷隅ゴルフ・吉田オリジナルさんなどがありますが、当社でもそれぞれの組織の取組みや考え方を参考にしてきました。

今年の受賞企業は行政では初めてとなる、岩手県の滝沢村役場。そして中小企業部門の福井キャノンさんの2組織でした。

実は滝沢村役場の報告に今回一番の興味がありました、それは次期浜松市長となる人に(誰かはまったくわかりませんが)ぜひとも政令市浜松に行政品質向上プログラムを取り入れて経営革新を図ってもらいたいと思うからです。

ですが今回の報告会でよかったのは福井キャノンさん。
CS仲間の千々松さんからも、福井キャノンさんが当社には参考になるだろうと言われていたのですが、確かに組織の成り立ちや、ネッツ南国さんをベンチマークしたという点など共通する点も多いと感じられました。

経営革新を進める上で、社内の拒否反応や混乱など、当社でも直面しているいくつかの問題を解決する糸口が見つかりそうな気がしました。これから福井キャノンさんをベンチマークしていきたいと思います。


また別の組織の発表でもよく出たテーマが「対話の重視」でしたが、これをどう展開するかがやはり大きな課題であるとあらためて実感した次第です。

日本経営品質賞

福井キャノン

リトル・カンパニー・オブ・メアリー・ホスピタル

2007年02月27日 | CSマネジメント
先週はCS研の仲間とアメリカCS企業視察に出かけていました。

一週間の行程でしたが、飛行機での移動時間が長く強行軍。まだ疲れが抜けない。
でも充実した得るものが多い視察会となりました。

様々な視察先の中で、私が最も感激したのがロサンゼルス郊外のトーランス市にあるリトルカンパニーオブメアリーホスピタル。

顧客(患者・家族・医師・職員そして地域社会)とのコミュニケーションを最も重視し、ABC(Apeearannce Behavior Commmunication)スタンダードという行動基準のもとに、患者への声かけ活動など、いかに患者の立場に立って考え行動するかを徹底させていました。

CSは採用から、ということで職員の採用面接を重視し、コミュニケーション能力の高い職員を採用し教育。

何より感心したのは、何かトラブルがあった場合に「謝罪する」ということを心がけているということ。そのトラブルが患者にあるのか、医師、職員にあるのかといった責任の所在を問うのではなく、まず患者の気持ちをやわらげることを優先するという前向きな活動として取り組んでいるということでした。

日本に「謝罪する」病院があるのでしょうか?

その他、CS調査を毎年実施し、他病院との比較し改善活動に取り組んだり、退院後48時間以内に電話にて状況調査(具合はどうか、薬の服用は等)したりと顧客重視が全員に徹底されています。

「患者がハッピーにならなければ病院経営は成り立たない」という言葉通りの活動です。

その後の施設見学では、まさかこんなところまでと思うような場所まですべてオープン披露していただき、また働く人々のサービスマインドに感激しました。

照明、画廊のような廊下、日本語まで書かれた案内版、自然光が注ぐゆったりとした待合室、等々。

このような病院が日本にも増えるといいですね。


「人生二度なし」森信三の世界

2007年02月06日 | CSマネジメント
矢野新一先生から勧められた、森信三先生に関する本を読みました。

森信三先生は哲学者・教育者として日本的な独自の哲学「全一学」を提唱され、教育界の権威となるのではなく常に現場に立ち、96歳(H4)でなくなられるまで全国各地を回り、人間学・教育学・人生観を説きつづけ、真理を追究された方です。

また「挨拶をする」「紙くずをひろう」「履物をそろえる」といった、人として当たり前のことをしっかりやることの大切さを説き、自ら実践し続けました。


この本を読んで、森先生のあまりに深い生き方に感動し、また自分の浅はかさを改めて思い知らされました。

感想を述べるよりも、先生の言霊をいくつか抜書きさせていただきます。

「私は「人生二度なし」という冷厳な事実に目覚めるところから、すべては始まるように思うのです。この世に人間として生まれたからには、二度とない人生だからこそ、この一日一日を真剣に生き抜き、精一杯充実したものにしなければならないのです」

「教育とは流れる水に文字を書くようなはかない仕事なのです。しかし。それをあたかも岸壁に、のみで刻み付けるほどの真剣さで取り組まなければなりません。
教師がおのれ自身、あかあかと命を燃やさずにいて、どうして生徒の心に点火できますか。教育とはそれほどに厳粛で崇高な仕事なのです。民族の文化と魂を受け継ぎ、伝えていく大事業なのです」

「夫婦というものは、良きにつけ悪しきにつけ、お互いに業を果たすために結ばれているように思います。・・夫婦のうちどちらかが相手の不完全さを黙って背負っていくしかないようです。」

「身に振りかかることは、これすべて天意である。何が天意なのかは、すぐにはわからないとしても、噛み締めていれば、次第にわかってくる」

「職場再建の三原則。一、礼を正す 二、場を浄める 三、時を守る」

「人間としてもっとも意義深い生活は、各自がそれぞれ分に応じて、報恩と奉仕の生活に入ることによって開かれる」

「教育は一義的には自らを問うことから始まります。よく人は子どもをどう教育し、しつけるかと躍起になりますが、人は変えられるものではありません。自分自身を高め、深めていくことが先決ではないでしょうか。」

「全一学とは、各自がそれぞれ全一的生命から与えられた、二度と繰り返し得ないこの地上の生において、自らに授かった天賦の特質を、いかに発揮し実現すべきかを学ぶ学といってよい」

「われわれ人間はただ一人の例外もなく、自分の意志でこの地上に生まれてきたものはない。そしてこの点に対する認識こそ、おそらくは最高最深の叡智といってよい。さればわれわれ人間は、それぞれ自分がこの世に派遣せられた使命を突き止めなければなるまい」


この本は
一部、森信三の思想と生涯について
二部、森信三と道縁あった人々     の2部構成になっています。

森先生に道縁あった人は教育者ばかりでなく、掃除道で有名なイエローハットの鍵山会長やハガキ道の坂田さん、日創研の田舞さん、感性哲学の行徳哲男さん等も紹介されています。

50歳を目前にして、森先生を知ることが出来たのも私にとって何かのご縁だったような気がします。

ぜひ皆さんにもご一読をお勧めします。

日本教育再生会議の皆さんが森先生をご存知ならいのですが・・・・。

実践人の家








江戸の思いやり

2007年01月24日 | CSマネジメント
先日、歴史小説の大家、早乙女貢先生のお話をお聞きする機会がありました。

早乙女先生は「僑人の檻」で直木賞 、「會津士魂」で吉川英治文学賞を受賞した他、「北条早雲」「七人目の刺客」「おけい」「血槍三代」「権謀」「沖田総司」
など、江戸や幕末をテーマにした作品を多数残されています。

講演のテーマは「江戸の思いやり」

江戸時代に対する日本人の意識(認識)が低い。それは明治維新の際、討幕派が江戸を否定するような風潮や仕組を作ったことによるものだが、もっと再認識する必要がある。
近世において戦争がなかった国は日本だけである。270年もの長きに渡り戦のない平和な時代が続いたのは、それだけ優れた社会システムを作り上げることが出来たから。戦争がないと言うことはそれだけ文化が発展し、冨が蓄積され繁栄することを意味する。

長州が中心となった明治政府では軍国主義に向かうのも当然。大政奉還後も徳川幕府が社会を混乱させずに緩やかな改革をしていたならば、日本のあり方も変わっただろう。戦争に向かうようなことはなかったのかもしれない。

織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人を比較し、誰が好きかとかタイプかと同列で考えるのも本来はおかしい。殺戮を繰り返した信長が暗殺されたのは必然。秀吉も朝鮮出兵などという愚行を犯した。(平和を築くために不可欠なのは侵略しないこと)長きに渡り平和国家を築いた家康こそ(もちろん信長・秀吉のやり方も学んだのだろうが)もっと評価されるべきだ。

江戸時代には鎖国政策も意味があった。もしそうでなかったら植民地となり、フィリピンのように国民の半分がキリスト教で英語を話すような国になっていた可能性もある。

参勤交代の制度により人々が行き来しお金を落とすことで、地方の宿場町、城下町が発展することができた。

こうして平和な社会で文化が発展した江戸時代には、人情とか思いやりは人として自然のことに育った。長屋生活での近所付き合いに見られるような助け合いの精神、お礼の文化など心の豊かな時代であったことの象徴でもある。

現代の行きすぎた競争社会、プライバシー規制などが歪んだ社会を生み出している。我々はもっとおおらかだった江戸に学び、日本人としての精神文化を見直す必要がある。



CSにも通じる有意義で参考になるお話でした。実は私も家康はあまり好きではなく、秀吉がいいと思っていた頃(TVの影響か)もありましたが、家康に対する見方が変わりましたね。

早乙女先生は80歳という年齢にもかかわらず元気一杯。2時間という時間はあっという間に過ぎた楽しい講演会でした。



どうなるリッツカールトン??

2007年01月18日 | CSマネジメント
「”庶民派”ホテルへ リッツカールトンが転身」という記事が以前、産経新聞に載っていましたのでご紹介します。

リッツカールトンが堅苦しさを一掃、なじみやすいホテルへの転換を図っている。
リッツといえばクリスタルのシャンデリアが下がる超豪華で格式の高いホテルというイメージがあった。だが、最近の客はジーンズとTシャツ姿でアイポッドやPCを持ち、時には子連れで来るようになった。
そこでサイモン・クーパーCOOは抜本的な改革に乗り出した。
ハイアット、ヒルトン、ホリデイインなど中級ホテルと提携、格式ばった雰囲気を変える。従業員に「サートンリー(かしこまりました)」「マイプレジャー(どういたしまして)」といわせることもやめた。
従業員の抵抗感は強いが「顧客が変わってきたのだから。変革は避けられない。全ホテルを対象とし聖域はない」とクーパー社長。(後略)


リッツカールトンといえば、アメリカの国家競争力向上のための大統領表彰制度、マルコムボルドビッチ(MB)賞を2度も受賞した経営品質の高い企業。トヨタが高級外車対策としてレクサス店を展開するにあたり、リッツカールトンをお手本としたのは有名な話ですが、社員の経営意識を高めるためのクレド(信条・理念)やエンパワーメント(社員への権限委譲)の仕組みなど、ホスピタリティや感動サービスのお手本として見習うべきものが多いホテルです。

この記事だけでは表面的なサービスの変化だけしかわかりませんが、クレドなどいわばリッツカールトンの競争力の核となる部分まで手をつけるのでしょうか?

「企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせることだ」。という格言をもつ、リッツカールトンの生みの親であるホルスト・シュルツ氏が引退したことも原因があるのでしょうか?

これからどんな変化が起きるのか?注目していきたいと思いますが、「私達は紳士淑女をおもてなしする紳士淑女である」というモットーが消えないことを祈るばかりです。



でんかのヤマグチ

2006年12月06日 | CSマネジメント
昨日、静岡文化芸術大学、坂本光司先生の勉強会「フォーラム21」で町田市にある、「でんかのヤマグチ」社長、山口勉さんの講演を聴きました。

実は以前、企業研修ビデオ制作のブロックス西川社長が当社にお見えになった時、御社の参考になればといただいたビデオがヤマグチさんのものでした。

そんなことから興味をもって社長のお話を聞きましたが、ビデオでは分からなかったこの会社の凄さが良くわかりました。

でんかのヤマグチは、町田市にいわゆるナショナルショップ(松下店会)として40年位前に開業。もともと顧客サービスに力を入れてきましたが、約10年位前、ヤマダ電機を始めとした大手家電量販店が続々進出するという危機的状況から経営方針を大幅に転換しました。

家電の粗利益は量販店が15%、家電ショップが25%というのが平均的な数字ですが、山口社長は量販店に追随して利益率を落とすのではなく、逆に粗利35%を目指す10年計画を立てました。

その為に、売上目標から粗利目標に変更、また34000人いた会員を約半分に絞り、絞った会員には徹底したサービスを展開しました。毎週行うイベントは例えば男爵まつりと称して、夫婦で来れば男爵2キロ、たまねぎ2キロをプレゼント、その場で試食もできるような楽しい工夫を演出したり、お客様宅には月に2度は御用伺いに訪問。お客様が「冷蔵庫が壊れた」と一報があればすぐ氷を持って伺う、使い方が分からないといわれれば何度でも説明に伺う、入院中のお客様の愛犬の世話までするという徹底したアフターサービスを行うことにより計画の7年目に粗利34.7%を達成、現在は36%にまでなっているそうです。

顧客の平均年齢は62歳ということでしたが、若年層は量販店に任せ、中高年にターゲットを絞り利便性を追求するという戦略。口で言うのは簡単ですが、ここまで徹底するのはなかなかできることではありませんね。これぞ顧客満足経営と言えるものだと思います。

「値引きするのは自信がないから」「高齢化は追い風」とまで言い切る山口社長。今回の講演からはヒントを沢山いただくことができました。




スーパーAOKI

2006年11月22日 | CSマネジメント
昨日、ららぽーと豊洲について書きましたが、中でも目玉テナントである「スーパーAOKI」は以前から一度訪問したいと思っていたところです。

1年位前ですが、静岡経済産業機構が主催するセミナーで、青木社長とイトーヨーカドー伊藤雅俊名誉会長のパネルディスカッションをお聞きする機会がありました。

青木社長は伊藤名誉会長の前で「当社はチェーンストア理論と対極の店作りをする。価格ありきの店舗づくり、運営ではなく、店内をどこの角度から見ても高級感あふれるものにする。また例えば饅頭一つとっても最高の小豆を使って餡をつくり、最高の砂糖を使うというように食材にこだわる。だから規模の拡大は目指さない」というようなお話をされましたが、それを受けて伊藤会長がイトーヨーカドーについての反省の弁を述べたのには驚いたものです。

さて実際、店内に入ってみると確かに社長がおっしゃるようにどの角度から見ても高級感が漂うオシャレな空間に統一されていました。入り口を入ると生ピアノの自動演奏、床は御影石が使われ、まるで鏡のようにピカピカ、惣菜、パンなどはすべて自家製のもののようです。イートインコーナーもあり、買い物帰りにちょっと休憩している人も多いようです。確かレジの後の袋詰めもすべてしてくれるのだったと思います。値段も決して高いというわけではなく、お得感のあるもののようでした。


店内何ヶ所かに3つのポリシーが掲げられていました。
 CUSTOMER JUDGE  すべてにおいてお客様の判断を優先しよう
 TOUCH THE HEART 体験とおもてなしを通して心をつかもう
 EVERYDAY NEW   今日は昨日と違う新しい何かを提供しよう

ポリシーにもスマートさを感じさせられます。

人気のお店になることは確実ですね。


豊洲店