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奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

父恋し 母恋し 小楢山

2013年12月07日 | さんぽ


2013年12月7日(土) 晴れ

フフ山梨→父恋し路→大沢ノ頭→幕岩→小楢峠→小楢山→一杯水→小楢峠→母恋し路→フフ山梨

小楢山(霊山古那羅山)は乾徳山の南西にあり、その山容は女性的で日帰りハイキングを楽しむには格好な山だという。登山口は焼山峠にもあるが、こちらは変化も少なく面白みに欠けるようだ。そこでフフ山梨(旧オーチャードヴィレッジ・フフ)という宿泊施設がある牧丘側から登ることにした。ただ、地図によればこちらは林道歩きが長い。高速道路を使えば1時間半たらずで登山口へ到着するが、ここは秩父往還(雁坂みち)を走って、奥秩父の山でも眺めながら、のんびり向かうことにした。焦ることもなく、いつもの時間に朝飯をしっかり食べて出発する。



春深し 鎭もり透きつ 古那羅山

こんじきに 杉の花降る 座頭塚

仙路に 悲話の伝わる座頭塚 誰が手向けしか ほととぎすの花

木漏れ日を浴びて 一輪咲きおくれ 紫冴ゆる山鳥兜


<父恋し>
登山者専用駐車場はフフ山梨の奥にあり、看板も建てられトイレ水道のある綺麗な場所だ。ただお隣はお墓が併設されている。到着するやいなや、1台のタクシーが滑り込んできた。降りたのは男性3人のハイカーだった。ここはこの御三方に先行して頂き、後を追う。林道を進むと座頭塚があり、杭に俳句のような詩が記されていた。意味は分からないが、何かフィーリングを感じるものがあったのでここに書き留める。詩心でもあればもう少し人生観が変わったかもしれない。そんな事を思いながら林道を行けば旧父恋し路の案内が出てくる。踏み跡は薄いがここから取り付いた。父恋し路には石仏散在と地図に記載されている。そして、その姿に手を合わせ、穏やかな表情が微笑ましく、こちらも思わずニンマリしてしまう。一旦、林道に出ると再び山道となったが、こちらはしっかりとした踏み跡があった。この先は落葉が踏まれた道筋と、ピンク色のリボンに誘導される。


<ふかふか>



点在する石仏鑑賞も終わり、姫百合地蔵辺りからは岩混じりの山道と化した。そして、水量の極々細い白雲ノ滝が出てくると両手を使うような場面もちょっとある。ここまで来ると尾根は近い。沢沿いから離れ、西へトラバース気味に進む。苔むした山腹を過ぎ、頭上が明るくなると大沢ノ頭へ飛び出た。ここでしばらくは展望を楽しみ小休止する。すると反対側から単独の男性が下りて来た。林道で追い抜かれてしまった方だった。見晴はいいが、ここは冷たい風も強い。この先に幕岩があり、そこからの展望が良いということで、そちらへ移動する。


<北岳、鳳凰三山、アサヨ峰、甲斐駒ヶ岳>



<黒金山、乾徳山>
大沢ノ頭から数十m尾根を進むと西の巻き道になり、幕岩への取り付きが直ぐに出てくる。そして、見上げる岩頭へは一本の長いクサリから上がった。そのクサリのトップはザックがやっとすり抜けられる程度の狭いトンネルだ。その上といえば見晴がすこぶるいい、岩場があった。目の前には忘れもしないあの痛かった尻骨折の山(乾徳山)が見える。その奥には雁峠から笠取山、唐松尾山が。南へ向けば富士山は勿論、南アルプスの主峰も見渡せる。それに金峰山の五丈岩がハッキリと分かり、茅ヶ岳、黒富士辺りも興味深い風景だ。残念だが八ヶ岳はすっぽり雲に覆われている。


<手前に国師ヶ原、奥に雁峠、笠取山、唐松尾山>


<オベリスク、アサヨ峰、甲斐駒ヶ岳>


<金峰山>


<左に茅ヶ岳、黒富士、奥の八ヶ岳は雲の中>


<南アルプス>


<左奥に金峰山、右手前に小楢山>


<大菩薩連嶺>

幕岩で展望を堪能し、小楢山へ向かう。風も強く見晴が良い場所ではすっかり体が冷え切ってしまった。小楢峠からはなだらかに登り上げ、小楢山へ到着した。山頂には屋根付きの休憩所まで建てられ、広い山頂からは富士山が良く見える。眼下には塩山の街並みも見渡せた。さて、今日はここでゆっくり昼飯を食べてのんびりしよう。風もさほどなく、南面は日だまりの山頂だ。いつものラーメンとおにぎり二つ、それに食後のコーヒーで至福の時間を過ごした。しばらくすると山頂は賑やかになり、下山開始する。一杯水まで下って、山頂を巻きながら再び小楢峠へ出た。後は母恋し路を下るだけだである。


<小楢山の山頂から>



<左奥に大菩薩嶺>


<街中に塩ノ山、恩若ノ峰>

山頂を後にし、母恋し路を下ったが、こちらは足元に小さな岩がゴロゴロしていて、歩きづらい。それでも1時間足らずで林道へ下った。ここから再び林道歩きが延々と続く。


<冬の輝き>


<母恋し>
母恋し路には石仏が一体、ここを歩く旅人を今も昔も見守り続けているのだろう。戦国時代、両親の供養に訪れた姉弟は小楢峠から姉がやさしい峠道(母恋し路)を下り、弟は険しい奇岩の連なる大沢山(父恋し路)を下ったことで、この呼び名になったと登山口に説明書きがされていた。そして、復路もやはり雁坂トンネルを抜けて帰宅する。次回この地を再び訪れたとき、時間に都合が付けば恵林寺へ立寄ってみたいものだ。

4 コメント

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小楢山 (たそがれオヤジ)
2013-12-08 21:44:19
あんぱんさん、こんばんは。
相変わらず、写真、いいですね。臨場感ですわ。
小楢山って、行ったことはないのですが、ずっと前から行ってみたいと思っていた山です。
やはり、富士山の眺望を含め、景色のいい山なんですね。
それよりも、石仏、結構、ありますね。私には、お好みタイプの山ですね。早いとこ、行きたくなりましたです。
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小楢山 (HIDEJI)
2013-12-08 23:20:50
あんぱんさん、こんばんは。
小楢山は存じませんでしたが、いい山ですね。
歴史に彩られた山はそれだけでも魅力的ですが、それにこの展望、たそがれさんではありませんが、拝見していると行きたくなります。
乾徳山もそうですが、ついつい課題が多くなります(笑)
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たそがれさん (あんぱん)
2013-12-10 05:11:20
おはようございます。たそがれさん。
小楢山は展望と石仏目当てで出かけてみました。ただ林道歩きが長いので少々退屈気味の感がありました。妙見山も含めて周回するのもいいかもしれません。ここはツツジも咲くようですね。
それにしても、社山の南尾根、そそられます。あそこの展望がとても印象的で強烈した。
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HIDEJIさん (あんぱん)
2013-12-10 05:18:05
おはようございます。HIDEJIさん。
山梨百名山ではありませんが、山梨県内には行きたくなる山がたくさんありますね。乾徳山も展望の素晴らしい山です。是非、訪れてみて下さい。ただ、天気の良い日がいいですね。これからの季節、足元に要注意ですので岩場は無理しないで下さいね。
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