「日劇春のおどりには、本物の犬が登場したことがあるらしい!」 62へえ!
「第一回 日劇春のおどり」パンフレットより
※芸能系資料に強い古書店をふらふらしていてみつけたものです。映画パンフレットばかりの本棚の隅で、ひっそりと売られておりました。
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日劇ネタでもう一本。
なんでこんなもんを買ったかというと・・・いや、出演者やスタッフ名などは、わたしが見たところでサッパリわからんのですがね。こーゆーパンフって、なかに演出家のお言葉とか、文化人が寄せる文章とかついてたりするでしょ。そーゆーのに、当時のレビュー業界の雰囲気を知る何かがないかなーと思って。まぁ、買える値段でしたからね。
さて、第一回となっておりますが、要するに戦後第一回ということらしいです。昭和26年ですね。戦争で中断していたのを、再開する初回ということらしい。
そんで、これには上野動物園の犬のコンクールで第一位になったジャック君が登場した!らしい・・・。い、犬!?わんこ!?わんこがレビューにっ!?
芸を仕込まれた(?)タレント犬ならともかく・・・上野動物園のコンクール入賞犬てことは、一般人の飼い犬ですよねえ??レビューの公演は一日じゃないし、わんこはおとなしく毎日舞台に上がったんでしょーか。
中の・・・こういうのなんて言うんでしたっけ。場と出演者がズラズラ書き並べられたヤツ。とにかくそれを見ていきますと、たしかに
第十二場 どんな病気でも引き受ける
博士・・・山田周平
助手・・・三木のり平
男の患者・・・金須宏
男の患者・・・島津房男
女の患者・・・春江ふかみ
名犬ジャック(愛犬コンクール第一位)
の記述が。どんな病気でも引き受ける・・・で、患者が出てくるのはわかるけど、なぜに博士??(医者じゃないんですかね。医学博士ってこと?)
どーやら山田周平、三木のり平はコメディアン、春江ふかみは歌手みたいですよ。ここはよーするに「バラエティ」の場面てことですか。
そしてこのショー、ラインダンスは「大原女ラインダンス」。(写真がついとるけど、うまく説明できんわ。頭に花と・・・手ぬぐい?)おおぅ、これが「地方色」?秦さんの理念は確実に息づいとります。
***
ところでさー。このパンフレット、映画のページもあるんですよ。宣伝・・・にしては、あらすじやらスタッフやらしっかり書いてあるから、もしかしてレビューも映画も、パンフを兼ねてたんでしょうか?
表紙には上のほうに「第一回春のおどり」、下のほうには「NO.51-13 日本劇場 ダンシング・チーム特集号」と書いてあります。ダンシング・チーム特集号なんて書くんだから、やっぱり日劇すべてひっくるめたパンフだったという解釈でイイんですかねえ?
●参考●
載ってる映画。
・続佐々木小次郎(製作:森田信義 宮城鎮治 原作:村上元三)
・無国籍者(製作;マキノ光雄 原作:高見順)
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http://blog.livedoor.jp/chidori527/archives/50604317.html
日劇でやって、好評だから真似したんでしょうか。
それから、映画のことですが、OSKの大阪劇場も、SKDの国際劇場も、映画の合間にレビューを上演してたらしいです。日劇もそうなんじゃないでしょうか。
NDTのことは全く知らないのですが、ネットであちこち検索して、衣裳やプログラムみると経営は東宝系だけど、作風は松竹に似たものがあるような気がしてます。「大原女ラインダンス」なんかも、OSKではつい昨年「ちゃっきりぶしラインダンス」してますし、「田植のラインダンス」とかもあります。ご当地レビューともいうべき民謡舞も松竹ではよくやってます。あまり違和感ないです。
検索してみるとこの1951年(昭和26年)のNDT「春の踊り」は、装置が三林亮太郎、山田伸吉(OSKの人)です。山田伸吉は例のOSKポスター「春のおどり」のロゴを作ったデザイナーですし、作曲・編曲に名前が見える松本四良は「桜咲く国」の作曲者です。(東宝に移籍)
まだまだ知らないことが多いですが目につくことを並べてもこんだけあるから、知らないことを含めると、レビュー界って本当に密接に関わり合ってるような気がします。
OSKでは昭和27年、日劇では26年だから、これはホントにダイレクトに「影響」したものっぽいですよね。
>レビュー界って本当に密接に関わり合ってるような気がします。
そうですね・・・。じつは狭ーッい業界のような気がします。(じゃあ、もっと仲良くすればいいのに。阪急と松竹・・・)
>それから、映画のことですが
あっ。そうだったんですか。わたしの感覚で、日劇とゆーハコを使って、一週間交代とか、期間によってレビュー興行だったり映画興行だたりしたのかなぁと想像してたのですけど、おもいっきり併演だったということですか。映画の合間に見られるなんて、ホントに手軽で身近な娯楽だったんですね。
>衣裳やプログラムみると経営は東宝系だけど、作風は松竹に似たものがあるような気がしてます
なるほど・・・。それはわたしでは気づけないコトです。勉強になります。ううーむ、じつは秦さんが「松竹っぽい」ものを志向したことが、一三との対立の一因だったりしてっ。(そんなワケないか・・・)
細かいことなのですが、
>1951年(昭和26年)のNDT「春の踊り」
日劇の正式表記は「踊り」でしたっけ。間違えてたなら失礼いたしました。(細かいけど、こういうディテールは大事だなと思いまして・・・)わたしが買ってきた昭和26年のパンフでは「おどり」表記だもんで、そのまま写したんです。宝塚はたしか「踊り」ですよね。
・・・って、あれっ。
じつはパンフ、3冊買ったのですが、3冊とも「おどり」だなあ。日劇による歴史的公称(?)はどうなんでしょうね。
OSKが元祖「おどり」(戦前は「をどり」が正しいところをわざわざ「おどり」とした)、SKDが戦後は春は「踊り」(夏は「おどり」、秋は「おどり」「踊り」混在・・・ややこしい)タカラヅカは一時期「おどり」だけど、「をどり」&「踊り」、NDTは「おどり」・・・だと思います。少なくともなまいきむすめKさんのおっしゃるとおり1951年(昭和26年)は「春のおどり」です。
>SKDが戦後は春は「踊り」(夏は「おどり」、秋は「おどり」「踊り」混在・・・ややこしい
宝塚はまぁ、「松竹とかぶるのを意識して、迷いながらつけてたのかなぁ」って感じしますけど、SKDはどうしてまた、こんな混ぜ混ぜなんでしょうね(笑)
チャット(笑)につきあっていただいてありがとうございます(笑)
ホント、勉強になります。うれしいです。