ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

「おおすみ事件」を読んでる(20210226)

2021年02月26日 | 本の紹介・書評

 昨日、著者大内要三さんから「おおすみ事件」を送って頂いた(献本)。今読んでいる場合じゃないのだが、思わず引き込まれて読み始めてしまった。まだ読んでいる最中なので書評は書けないが、ひと言書いておきたい。

 何故思わずなのかと言えば、①私にとって輸送艦「おおすみ」は、従来の専守防衛型装備から外征軍型装備への飛躍的転換点だと考え、1990年代に「おおすみ」の追っかけをやっていたからだ。②さらに2月の米日共同演習で佐世保の水陸機動団がこれで沖縄まで来る予定だったのだが、エンストをおこして(詳細不明)頓挫したばかりだ。③この事件の海域が、瀬戸内であり、甲島や阿多田島などがでてくる。私にとっては岩国基地、呉海軍基地などの観察対象との関係で縁浅からぬ海域だからだ。④しかし私のこの事件への感度は鈍かった。「おおすみ」とプレジャーボート「とびうお」の衝突、後者の沈没、2名が亡くなった事件が2014年1月15日におきていた。私は沖縄に居を移したばかりで(2013年10月)全然他のことに関心を寄せている余裕がなかった。それだけに今こうしてこの事件の詳細を知る意味は大きいと感じている。

 自衛隊は、以前から民間船と衝突事件を起こしている。私が追いかけたのはイージス艦「あたご」が漁船とぶつけ、沈没させ、死者をだしている事件だった。大型船の操縦能力は悪い。これは常識だ。旋回能力も、まして停船をかけてもすぐにとまれない。ぶつかれば大きいものがたいてい勝つ。さらに軍艦は戦闘艦だから、操船能力よりも軍事能力が優先されており、安全性が軽視されている。死角ができており、それを見張りが保佐する。だから艦長と各見張りのコミュニケーションがとれていなければ、事故が起きかねない。そうした構造の欠陥をかかえている船が動くとすれば、それなりの対策と注意が不可欠だ。因にこの事件は天気晴朗な朝に起きている。まさか軍艦が優先だから、民間船、ましてちっぽけな船はドケということなのだろうか。

 著者の大内要三さんは、軍事・安保関連の著書がある方だが、こうしたある意味小さな事件にも目を注いできた。彼がこの事件をどのようにみているのか、じっくりと読んでみたい。こうした事件は今後沖縄でも起きないとは言えないからなおさらだ。

 「おおすみ事件ー輸送艦・釣船衝突事件の真相を求めて」大内要三著 本の泉社 2021年2月刊

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。