人権と命について考える緊急抗議集会 2024年7月4日 沖縄県庁前
主催:沖縄を再び戦場にさせない県民の会
「安和港ゲートで発生したダンプカー追突による死傷事故への抗議決議」採択。
宛先 内閣総理大臣 防衛大臣 沖縄防衛局長
沖縄県警本部長 沖縄県知事
去る6月28日、ついに恐れていた事故が発生してしまった。辺野古新基地建設のための土砂搬出港の一つである琉球セメント安和桟橋の港湾出口から国道に出ようとしたトラックが、土砂搬出反対行動を行なっていたメンバーのひとりと警戒に当たっていた警備員のひとりを巻き込む重大事故を引き起こした。その事故で警備員は、頭部を強打し、死亡され(ママー転記者註)、同様にトラックに巻き込まれた反対行動メンバーも、骨盤から下肢を粉々に骨折する痛ましい事故となった。心からお亡くなりになった警備員のご冥福をお祈りするとともに重傷を負ったメンバーの無事を祈りたい。
他方で、事故の重大さもさることながら、私達を驚愕させたのは、一部マスコミやネット上で氾濫する反対運動が招いた事故と決めつける言動が溢れていることだ。事実関係の検証も行なわず、反対派が動き出したトラックの前に飛び出し、それをとめようとした警備員が巻き添えになって死亡したという記事や主張である。それは全く事実に基づかないだけでなく、安和港、塩川港での、安全性を度外視したトラックの運送方法に大きな批判が起こることを恐れた政府・防衛省、現地沖縄防衛局が急遽流布した責任逃れの詭弁であり、許しがたい陰謀と言わなければならない。
真実は、反対派が牛歩行動を行なっているのに安全性を無視して、強引にトラックを国道に出そうとした運転手に、歩道から抗議した被害者がすぐ近くにいることを知りながら、トラックを走行させた運転手にこそ、第一義的責任があり、同様にトラックの周辺に人間がいることを十分に予想されるのに、安全性も確認せずに出庫誘導した道路側の警備員の判断にある。
ことの真実は、以上の通りである。さらにより根源的に言えば、埋め立てに血眼となり、土砂搬出港の違法且つ強権的管理運営をはじめ安全性を度外視したトラック搬送のありかたを運送会社や警備会社に強制し、今回の事故を発生させた政府・防衛省そして現地沖縄防衛局にあることは、誰の目にも明かであり、私達は満腔の怒りを込めて抗議する。そして事故原因が検証され、明らかにされるまで全ての工事を中止することを要求する。
他方で、今回の重大な事故の背景に以上のことが充分に推察されるにもかかわらず、「捜査関係者の話によれば」とマスコミに、事故の原因があたかも反対運動のありかたにあると、リーク記事を垂れ流させた警察当局の罪は大きいものがある。この重大事故を2度と繰り返させないためには、意図的とも言える、世論をミスリードする捜査姿勢をあらため、事故原因を徹底的に究明し、忖度を入れずに対策を立てるほかない。その対策がなければ、無情にも今回の事故を繰り返すのは必至である。そのことを警察・捜査当局に注意喚起し、要求する。
結びに、玉城デニー県政は、今回政府防衛省、沖縄防衛局によってもたらされた重大事故を受けて、これまで県が沖縄防衛局に認めてきた埋め立て工事のための県の公有財産の使用を見直し、使用許可に制限を加えるほか、現在の使用状況が県有財産の管理規定やその精神に反する事案については使用許可を取り消すなどの断固たる措置を執るべきであることを要請するものである。 以上、決議する。
2024年7月4日
安和港ゲートで発生したダンプカー追突による死傷事故に抗議する緊急集会 参加者一同