ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【少々補足】三沢基地のF-16戦闘機の補助タンク投下と緊急着陸(20211202)

2021年12月02日 | 米日地位協定-事件事故

 私は11月23日の件を旅から帰宅後の30日に書いた(以下参照)。そしたら同日夕刻、米軍三沢基地のF-16戦闘機が補助タンクを投下し、青森空港に緊急着陸する事態が発生していた。

【拡散願います】【補足】オスプレイが水筒を落とした件への若干のコメント(20211130) - ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

 三沢基地の米空軍はF-16を主力戦闘機として配備され、ロシア・中国・朝鮮民主主義人民共和国を主なターゲットとしている。同機は比較的軽量、機動性の高い多用途戦闘機だと言われている。エンジンは1基である。

 今回の事故を東奥日報などから事実関係を拾い、私なりに検討しておきたい。2021年11月30日、同機は2機編隊で三沢基地を離陸(時間不明)。日本海沖で訓練中あるいは帰還途上で油圧の低下の警告ランプが鳴り、緊急事態発生となった。どの時点(時と場所)で、なのか全く不明だが(公表されていない)、三沢基地との交信を経て、青森空港への緊急着陸を決めたのだろう。

 同機は、緊急着陸に当たって、18時頃、補助タンク2基を投下。このうち1基が、深浦町深浦猿神鼻岩下の公道脇に落下。場所は人家から20m余の場所であり、国道101号線沿いだ。JR五能線も近くを走っている。もう1基は見つかっておらず、捜索中だ。事故機は18時10分頃青森空港に無事に着陸している。

 緊急着陸に当たって、機体を軽くし、また炎上事故を起す確率を軽減するため、補助タンクの着陸前の事前投下は、米軍の運用マニュアル通りどおりだろう。しかし、住民不在地区に投下したと確認したと言ったものの、これは嘘であった。少なくても確認不足だったのだ。

 ところで、落下地点から三沢基地までの直線距離は東へ約120km、青森空港まで北東へ約65kmだ。同地上空から三沢基地まで飛べば、15分程度の距離だ。米軍は、青森空港への着陸を決めながら、補助タンクをどこに投下すれば、相対安全(絶対安全はない!)かをいかに検討したのだろうか。瞬時のことだから、ゆっくり考えることはできまい。コンピュータの指示待ちだろう。また投下する際の高度、飛行速度、風向・風力なども影響するだろう。軍用機にこうした地上の安全を配慮する機構が埋め込まれているのだろうか。三沢基地の管制官とパイロットの意識下に、こうした「安全配慮義務」がインプットされているのだろうか、甚だ疑問である。

 今回の事故は、補助タンク一基を地上に落とした明らかな事故であるが、これまた米日地位協定によって、青森県警の捜査もできず、闇に葬られるのか。すでに米軍は破損物を回収したようだ。証拠隠滅。

 こうした事故が発生する度に私は考えるのだが、類似のことは沖縄以外でも起きているということだ。米軍優先という主権侵害をあらためるべき時だろう。日本政府は、今回の事故の事実関係を明らかにし、何が解決のネックになっているのかを検証し、改めるべき事を改めるべきだ。この程度のことができないまま、「日米同盟」などというホラを吹くな!

三沢基地上空を飛び交うF-16戦闘機。2019年8月29日 9:20 山本英夫撮影

同上。補助タンク2基を搭載しているのが分かるだろう。胴体下部の両脇の太い奴。主翼の両サイドはミサイル。2019年8月29日 9:15

三沢基地を離陸するF-16。2019年8月29日 9:18

太いのが補助タンク。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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