ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】“I am not guilty“と被告は述べた(20240713)

2024年07月13日 | 米日地位協定-事件事故

 2024年7月12日(金)那覇地裁で、昨年12月24日に起きたわいせつ目的誘拐と不同意性交等罪に問われた初公判があった。被告Bは嘉手納基地所属の空軍兵長(25)だ。彼は被告人尋問でこう答えたそうだ。「私は無罪。誘拐もしていなければレイプもしていない」と起訴内容を全面否認した。

 弁護人は、被告が少女に年齢を確認し、18才だと認識していたと主張し、わいせつ目的の誘拐ではなく、同意の上の正当な行為だったと主張した。検察は、被告の行為に少女の同意はなかった、被告の自宅から帰宅した少女は、家族に泣きながら被害を訴え、母親が110番通報したと言う。(沖縄タイムス2024年7月13日から概略引用)

 この真逆な主張の違いに唖然とする。被告は少女が自宅までついてきた、18才だと思ったし、同意したと思ったというのだ。私は傍聴に出かけていないのでストレートには分からぬが、この被告のストレートすぎる居直りに絶句する。これほどの居直りができるのは、図太すぎるとしかいいようがない。たかだか25才の被告が…。事件を起こした2023年12月24日から2024年6月25日まで半年間も秘密にされ公開されなかったこと、身柄も短時日で保釈され、嘉手納基地に暮らしており(詳細情報は不明)、安泰だと思っているからこうした振る舞いができるのだろう。この背後には、彼の米兵らの友人たちからの強気の「激励」もあるに違いない。

 沖縄タイムスに上間陽子さんのリアルな想像力による傍聴報告記が掲載されている。やや長い引用になるがご容赦願いたい。「(前略)その子は、恐怖の中で警察の事情聴取を受け、堅い病院のベッドで体液の採取を受けていたことになる。/ここまで言わないと分からないのか? これが性暴力の起きるその日だ。それから続く、長い戦いの日々の最初の日である。/この国はなぜその事実を私達に話し、この子のケアチームを立ち上げ、子どもを守れなかったという謝罪をしないのか。黙り通し、隠し通し、口先だけの負担軽減を述べて濁す。それが暴力への結託でなくて何なのか。私たち沖縄に住むこどもや女性はいつまで米兵の獲物にされ続け、この国に見捨てられ続けるのか」(琉球大学教育学研究科教授)

 こういう現実を突きつけられた私は、これを泣かずして読めなかった。私たち男の感度が悪すぎることも、こうした犯罪の温床になっているのではないか。そして米日安保体制下、沖縄は蹂躙されており、嘗められているのだ。こうした怒りを如何にしたら形にできるのか? それが今、否、今も問われ続けているのだ。

 関連して、山城知加子さん(映像作家・東京芸大教員)が本日の沖縄タイムスにこう書かれている。「(前略)もう(政府や県警を)信用できないが、失望してはいけない。どれだけ怒れるかが大事だと感じる。今回の事件は急務な問題で、悠長にしていてはだめ。社会のある種の変化とも言える。/事件を受けた私にできることはアート表現だ。芸術は見えないものを見る訓練をしてゆくもの。隠蔽された現実をどう見える形にしていくかが、視覚表現の使命だと思っている。一人一人に命があり、人権があり、尊厳があることをアートを通して伝えたい」。

 なお、上間陽子さんは、「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」(2017年太田出版刊)等で有名だ。同書を私も読んでいる。山城知加子さんは、数多くの動画等の表現で著名であり、あるとき、東京芸大に招聘されていた。私も何作も見ている。

 また、昨日の公判で、フラワーデモ主催者の一人である上野さやかさんが造花を挿したリュックを持参したところ、那覇地裁に、それでは傍聴できないと止められたようだ。監視・表現の自由が司法の場でも大きく制限されているのが、この国の悪しき特徴だ。

 次回の公判は8月23日だ。私は三重に行っており、傍聴できないが、この写真展でも関連した写真も展示する予定だ。



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