武弘・Takehiroの部屋

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山上徹也被告と赤穂浪士(義士)の共通性について

2024年04月29日 14時18分24秒 | 社会・事件・事故

<2022年8月13日に書いた記事を“原文のまま”復刻します。>

1) 一国の元総理大臣が公衆の面前で暴漢に射殺されるというのは、尋常なことではない。ご存知のように、安部晋三元総理大臣が7月8日、参議院選挙の応援演説に行った奈良市内で、山上徹也という男に手製の銃で撃たれて死亡した。
この事件は日本中を驚かせた。戦前ならいざ知らず、戦後の平和な日本でこのような“テロ事件”が起きるとは、ほとんどの人が予測しなかっただろう。もちろん、私も驚いた。
しかし、その後の山上容疑者の取り調べで、彼が旧統一教会(現在の「世界平和統一家庭連合」)と縁の深かった安部元首相を狙ったことが分かってきた。 この辺の事実関係については連日、マスメディアが盛んに伝えてきたので大方の人は分かっているだろう。だから、詳しいことは省略し、私なりに事件の本質に迫っていきたい。
ご存知だと思うが、山上容疑者の母親は旧統一教会の熱心な信者で、教会に約1億円もの献金をしたといわれる。これが原因で、山上家の家計は破綻にひんし、苦しい毎日の生活が続くようになったという。
このため、山上容疑者は大学進学を諦めるなど、逆境にあえぐ青春時代を送ったが、この辺の事情は私より皆さんの方が詳しいと思うので、詳細は省略する。 ただ一つ、絶対に忘れてはならないのは、1億円もの大金を献金させ山上家を苦境のどん底に落とした旧統一教会への彼の恨み、憎しみ、怨念である。
もちろん、母親の信仰が破綻の原因だから、彼女との悶着が続いたのは間違いない。 それは当然だが、山上容疑者が彼なりに調べた結果、旧統一教会がとんでもない“カルト宗教”、邪悪な宗教団体であることが分かったのだ。
例の霊感商法などその邪悪さは枚挙にいとまが無い。この辺のことは誰でも知っているだろう。だから詳しく述べる必要はないが、山上容疑者がこの悪らつな宗教団体を恨み、憎んだことは当然である。もし、私が彼と同じような立場になったら、同様に恨み、憎んだことは間違いない。

2) この旧統一教会に対して、おもに自民党の国会議員らが親密な関係を深めていった。その先頭に立ったのが安部晋三氏である。彼は教会の関連団体にビデオメッセージを提供したが、山上容疑者は今年の4月にこれを見て、安部氏への殺意を固めたと供述している。
この辺のことはすでに明らかなので、いよいよ本題に入っていこう。 山上容疑者が教会のトップを狙ったのは当然だが、それが果たせなかったため、次の標的に安部氏を選んだというのもうなずける。日本の政界では、彼が旧統一教会に最も近い存在であり、また元首相という影響力のある人物だからだ。
ここから私は、今度の銃撃事件と、あの『忠臣蔵』との“共通性”について語っていきたい。なぜなら、赤穂浪士(あこうろうし)の討ち入りは元禄時代の人々に大きな衝撃を与えたが、これは今回の安部氏銃撃事件とよく似ているからだ。
両方とも平和な時代のテロ事件と言ってよいだろう。赤穂浪士の討ち入りは、主君・浅野内匠頭(たくみのかみ)のかたき討ちだが、それだけでなく、播州赤穂の浅野家の所領没収、お家断絶という政治的な理由もあったからだ。
これに対して、内匠頭を侮辱した吉良上野介(きらこうずけのすけ)にはなんのお咎めもなかった。もっとも、上野介は江戸城内で内匠頭に斬りつけられたから、その辺に幕府の配慮があったのだろうか。これついては、私よりはるかに詳しい方が大勢いると思うので、詳細は省略する。
つまり、赤穂浪士の仇(かたき)は吉良上野介であり、私には前者が山上容疑者、後者が安部晋三氏に見えてくるのだ。大石内蔵助ら赤穂浪士は、幕府への“抗議”の意思も込めて上野介を討ち、山上容疑者は旧統一教会への恨みも込めて安部氏を撃ったのである。
理屈っぽい話になって申し訳ないが、双方とも極めて政治的な意味合いが濃厚で、これは“テロ事件”と断定してもよいと思う。

3) もちろん、殺人は良くない。悪いに決まっている。しかし、その中には「やむにやまれぬ」事情や理由が存在するものもある。前述の赤穂浪士、山上容疑者などはその好例ではないだろうか。
吉良上野介の首を打ち取った赤穂浪士47人は、ただ1人(姿をくらました寺坂吉右衛門)を除いて全員が切腹の刑に服した。これは当然の処分である。人々の中には浪士を“義士”に見立て、救済を求める声も上がったというが、切腹の処分は妥当だったと思う。彼らは切腹によって本当の“義士”になったのだろう。
他方、安部元首相を殺害した山上容疑者の裁判はこれからである。どのような事情があったにせよ、日本は法治国家だから重い刑に服するのは当然だ。死刑判決が出るのかどうかは分からないが、今後の裁判を注目していこう。
重苦しい気分になってきたから、最後は言いたいことを言って終わらせよう。 こういうテロ事件が発生するのは、遠因として必ず“愚か者”がいるものだ。赤穂事件は江戸城で刃傷沙汰を起こした浅野内匠頭、安部氏銃撃事件は旧統一教会の信者である山上氏の母親だ。2人がいなければ、テロ事件は起きなかったはずである。
しかし、良い悪いは別にして、赤穂浪士山上徹也(被告)は日本史に永久にその名を留めるだろう。歴史とは皮肉なものである。 まだ言いたいことは沢山あるが、本日はこれにて終了する。脈絡のない文章で失礼しました。 (2022年8月13日)


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