第七場(ブダペストのソ連大使館。アンドロポフ大使の部屋。 ミコヤン、スースロフ、アンドロポフがいる所に、カダル、アプロ、マロシャン、ミュニッヒが入ってくる)
カダル 「おや、ミコヤン同志、スースロフ同志もおられたのですか」
ミコヤン 「ええ、今日は重大な話しがあるので、あなた方をお待ちしていたのです。 さあ、そこに座って下さい」(カダルら、ミコヤンらとテーブルを挟んで椅子に座る)
カダル 「 . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
文芸評論などは滅多にしないが、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』については何か書かざるを得ない。ショッキングな小説である。一言で云えば“グロテスク”な嗜虐(しぎゃく)趣味の極致だろうが、なかなかこんな作品は書けるものではない。乱歩だから書けたのか。1929年(昭和4年)の作品というから、当時のエロ・グロ・ナンセンスの風潮を背景にしていたのか。それ . . . 本文を読む
三度読んで三度泣いた碑文がある。福島県の二本松城にある「戒石銘」の碑文である。
意訳すると「お前ら(藩士たち)がいただく俸禄は、民の汗と脂の結晶である。人民は虐(しいた)げやすいが、神を欺(あざむ)くことはできない」というものだ。 この碑文の精神を体すれば、全ての官僚・公務員は立派な“公僕”になれる。そして、あらゆる“税金泥棒”や“年 . . . 本文を読む
1963年(昭和38年)にリリースされたが、作詞は青島幸男、作曲が中村八大で坂本九が歌った。 今日が駄目でも明日があるさ、今年が駄目でも来年があるさと、この歌を聴くと“希望”が湧いてくる感じがする。歌詞もメロディーも大好きな曲だ。
【歌詞付き】 明日があるさ - 坂本九 . . . 本文を読む
第四場(ブダペストの首相官邸。 ナジがいる所に、国防相のマレテル・パール将軍が入ってくる)
マレテル 「総理、お呼出しにより参りましたが、どういうご用件でしょうか」
ナジ 「将軍、一体、ソ連軍の動きはどうなっているのかね」
マレテル 「東部国境から進攻してきたソ連軍は、一向に撤退する気配を見せていません」
ナジ 「うむ、アンドロポフ大使からの報告によると、ソ連政府はハンガリーにいるソ連人の . . . 本文を読む
若き日のゲーテ
ドイツの大詩人・ゲーテが満21歳のころに作った詩。青春の恋心と自然の情景がこれほど見事に融合した詩は滅多にない。そして、生の喜びを謳っているのだ。大好きな詩である。 訳者は大山定一氏で少し古い印象を受けるが、そのまま載せておこう。
『自然はうつくしく われに燃え 太陽はかがやき 野辺はわらう小枝に咲きみつる 花々 しげみを洩るる 鳥のこえわが胸にわく よろこび おお 大地よ . . . 本文を読む
<2021年12月に書いた以下の記事を復刻します。>
ふと、山口百恵さんと松田聖子さんのことを書きたくなった。そうは言っても、私は芸能界や歌の世界についてはまったく素人なので語る資格はない。しかし、なにか語りたくなったのでお許し願おう。一老人、一国民としてなんでもいいから話したくなったのだ。少し調べてみると、2人は1980年(昭和55年)ごろを軸に、国民的なアイドルとして人気を集めた。百恵さんは . . . 本文を読む
<この記事は2011年7月13日に書いたものです。>
「電気予報」が毎日出る世の中だが(注・東日本大震災の直後だったから)、近代国家には電気が欠かせない。昔、ロシアの革命家・レーニンのことを何かの本で読んだことがあるが、革命を起こして政権を取った後、レーニンが最も頭を痛めたのが電気・電力のことだったと覚えている。革命を起こす前は電気のことなど全く関心がなかっただろうが、自分が新政権をつくり「為政 . . . 本文を読む
第三幕
第一場(ブダペストのウィラキ家の応接間。 メレー、ノーラ、彼女の母親のアニコー)
メレー 「お母さん、退院できて良かったですね。病状もすっかり回復しましたね」
アニコー 「ありがとう、オルダスさん。もう、あまり咳き込まなくなったし、熱も治まってきたようです。 デアーグ先生の話しですと、このままゆっくりと療養していれば、きっと快方に向うということです。 でも、肺炎って怖いも . . . 本文を読む