日本共産党・宇田たか子です

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一般質問「保育園・幼稚園から小学校へのスムーズな接続について」 質問と答弁

2021年06月27日 | 日記

 6月議会 一般質問 (6月16日)                         宇田貴子

 

大項目の3 保育園・幼稚園から小学校へのスムーズな接続について              未定稿

期待と不安で胸をいっぱいにして小学校へ入学する子どもたちが、スムーズにそのスタートをきるためには、保育園・幼稚園から小学校への接続が一人一人の子どもの目線で具体的に配慮されることが必要です。そこで、以下の点について、質問します。

 

(1)子どもの荷物の重さの負担を少なく

 小学校の入学式、子どもたちはランドセルを背負って保護者と歩いて学校へ行きますが、その翌日からは、保護者の付き添いなしで自分で歩いて学校へ行くことになります。

 多くの子どもは、保育園や幼稚園の時は、保護者の車や通園バス、自転車の後ろに乗るなどして登降園し、歩いて通う子どもはおそらく少数です。保育園、幼稚園に通うための子どもの荷物もそう重いものではありません。

 それが、一転小学校入学と同時に、自分で荷物を背負って歩いて登下校することになるのですが、その時の荷物の重さが、あまりにも重すぎるのではないか、そのことを指摘し、改善を求めます。

 平成30年9月議会で私はアメリカの小児学会の、重い荷物と腰痛や猫背などとの関係から、バックパックの重さが体重の10から20%を決して超えないこととした研究を紹介し、子どもの荷物の重さの負担軽減を求めました。その年、文科省も全国の教育委員会に対して通学時の持ち物の負担軽減に向け,適切な配慮を求める通知を出しています。低学年でもランドセルの荷物の重さが体重の2割を超えている日があり,日によっては3割近くになる日もあると指摘した私の質問に、教育長は、「通学時に長時間重過ぎる荷物を背負い続けることは体に負担がかかり,健康へ何らかの影響があるのではないかと懸念している。現在、学校では毎日重い荷物を持って通学することがないよう、各学校において手だてを講じている」と答弁しています。

 今回私は、さらに配慮が必要な入学したての1年生の子どもの荷物が重すぎる、4キロ、5キロを超えるランドセルを背負って、入学式の翌日から登校していること。学童クラブに通う子どもは、お弁当や着替えまで持っていくことになります。これは、特定の学校の問題ということではなく、広く市内の学校に共通している問題として、改善を求めたいと思います。 市として、この現状をどう認識し、どのように改善を行うのか、見解を伺います。

(2)給食は入学式後速やかに開始を

 本市では、1年生に給食が開始されるのは、入学式の1週間後からとなっています。しかし、ほぼすべての子どもが保育園、幼稚園に通い、給食やお弁当を食べ午後まで集団生活をすでに経験しています。 

 また、4月1日現在で本市の1年生1294人中、公設学童クラブに 524人、民間学童クラブに155人が登録しており、これは1年生の2人に1人が入学式の次の日からお弁当を持参して学校へ通う必要のある子どもであると考えられます。

 このような状況をみるなら、新1年生だからと言って給食なしで子どもを下校させることを1週間も続ける積極的な意味は見出せません。1年生も入学式翌日から給食を開始し、食べてから下校させてもよいのではと考えますが、いかがでしょうか。

 

(3)文字学習開始へのきめ細やかな支援を

 小学校から本格的な文字学習が始まりますが、それによって保育園・幼稚園の話し言葉が中心の生活の中では気づきにくかった学習障がい児の困難さが顕在化することになります。発達性ディスレクシア、読み書き障がいといわれる子どもたちは、文科省の調査でも通常学級に一定の割合でいるとされていますが、小学校教育の基礎であるひらがなの「読み・書き」にまず困難を示すことから、楽しみにしていた勉強が人の何倍も難しく苦しく時間のかかるものになり、習得には特別の配慮と訓練が必要にもかかわらず、「努力が足りない」「頑張ればできる」「勉強が苦手」ということで見過ごされがちです。二次障害によるいじめや精神疾患、不登校などを防ぐためにも、早期からの適切な支援が必要と考えます。

 本市では発達性ディスレクシア・読み書き障がいについてどう考え、現在どのような支援体制があるのか、また、今後どのような支援が可能か、伺います。

 

答弁 野沢教育長

(1)入学したばかりの1年生は自分で荷物を持つという経験も浅く、重すぎる荷物を背負い登下校することは配慮が必要であると認識しています。現在登下校の荷物については、子どもの発達段階や学習上の必要性、登下校での負担等を判断し、教科書やその他教材などは何を持ち帰らせ、何を学校に置くこととするかについて各学校で取り組んでいるところです。教育委員会としましても各学校には子どもたちにとって加重にならないよう配慮を求めてきました。

 今年度入学後2日間の1年生の学習用品・用具を全校に調査したところランドセルを除く荷物のみの重さが平均で約1.5㎏となっていました。1.5㎏の重さの具体例を挙げますと教科書3冊、ノート2冊、水筒500gの学習用具等となります。しかし一部にその重さを大きく上回っていた学校があり、直ちに校長会等を通して荷物について配慮するよう求めたところです。登下校の荷物については学習指導上の必要性もありますので、指導内容やカリキュラムも含めて考えていく必要もあると考えます。

 本市では幼稚園と小学校、教育委員会とで市独自のアプローチスタートカリキュラムを作成し、それをもとに各園や小学校の実態に合ったカリキュラムを作成するよう推進しています。本年度はその見直しに取り組んでいるところですので、荷物の重さや量に関してもスタートカリキュラムに関連させて記載し、指導者が変わっても適切な指導ができるよう検討していきます。

 

(2)入学したばかりの1年生は学校生活への大きな期待とともに様々な不安も抱えています。1年生は遊び中心の生活から45分間椅子に座っての学習中心の生活へとかわります。環境の変化になかなかなじめず集中しての学習が困難であったり、友達とのかかわり方がうまくできずトラブルになったりするケースも出てきています。今までとは異なる小学校での環境や学校生活のリズムになれたり新しい友達との関係を築いたりする活動は、子どもたちの精神的負担につながるものと考えます。

 本市は入学式後の約5日間のカリキュラムを組み、スモールステップで小学校生活への移行や学習開始を進めています。そして入学後の小学校生活が安定してスムーズに送ることができた後に給食の準備や片付け、当番の仕事、食事のマナーやルールなど次のステップに取り組ませたいと配慮してきました。

 他市町村の給食開始状況を調べてみますと、学校生活に慣れるための期間として本市と同じ5日間程度設置しているところと、8日間のところもあります。一方で給食を提供している幼児教育施設の割合が多い市町村では入学式翌日から開始している市町村もあります。また、開始日を早くしたが再び遅くした市町村もあります。

 本市としては、改めて給食開始日まで1年生が小学校入学から学校生活に慣れていくために必要な期間について校長会等や担当教員、専門家からご意見をいただきながら検討していきたいと考えています。1年生担任から入学したばかりの子どもたちの現状や給食開始までの必要なスタートカリキュラムの内容、また給食開始時に1年生担任をサポートする学校の体制等をもとに総合的に判断したうえで校長会から学校給食会に提案をしていただき決定したいと考えています。

 

(3)発達性読み書き障がいとは全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く・話す・読む・書くなど特定の能力に困難があることを指すものです。文部科学省が通常学級に在籍する児童生徒を対象に実施した2012年の調査によると日本の小中学生の4・5パーセントが学習で著しい困難を示しているという結果が出ています。

 発達性読み書き障がいについてはその発見が難しいという側面がありますが、早期に発見し適切な指導や必要な支援を行うことで生活や学習が円滑に行われるようになると認識しており、早期からの指導や支援が大変重要であると考えています。

 現在の支援体制ですが、本市では令和元年度に市内幼稚園小中学校の教職員を対象に元筑波大学教授、NPO法人LDディスレクシアセンター理事長の宇野あきら先生を講師に迎え発達性読み書き障がいの理解と対応という演題で講演会を実施しました。また、令和元年度及び令和2年度には同じく宇野あきら先生を講師として言語通級教室担当者等を対象に発達性読み書き障がいについての検査法、指導方法の技術研修会を実施しました。市内の小中学校の教職員に発達性学習障がいについて見識を広めるとともに、言語通級教室担当等が専門的な知識を習得することで障がいを早期に認知し適切な指導が行われるように努めてきました。また、学校では言語学級や自閉症情緒学級において一人一人の読み書きの課題に応じた個別指導の実施や通級等による専門的な指導など子に応じた指導を行っているところです。

 さらに市教育研究所に在籍する特別支援教育研究推進員が発達性読み書き障がいに関する専門的な知識を持っており、市内各小中学校を巡回し、教員に対し指導についての助言を行っています。

 今後の取り組みについては、現在発達性読み書き障がいのある児童生徒が自己の障がいに気づかず通常学級で困難さを抱えながら学んでいる可能性があると予測されます。このような児童生徒に対し、担任などと連携し早期に把握し適切な指導や支援をすることが必要であると考えます。そこで障害の認知体制、および障害の支援体制を確立するために本市では今年度中核的教員養成プログラムを実施する予定となっています。このプログラムを実施することで、研修を受けた中核的な教員が研修の成果を各学校に広げ、教職員が発達性読み書き障がいについてより理解し担任などと連携した児童生徒の早期把握や効果的な指導が可能になると考えています。また市内の全小中学校に貸与されているタブレットを有効活用し、読み書きに関する困難さを軽減させたり、ひとり一人の特性に応じた支援をおこなったりすることも必要であると考えます。

 今後も読み書きに課題のある児童生徒の把握や指導について、市内小中義務教育学校と密接に連携を取り合いながら一層の支援の充実に努めていきます。

 

再質問 宇田

(1)の荷物のことについては、さっそく2日間の、入学後2日間の調査をしていただいたということで、お礼申し上げます。アプローチスタートプログラムにもしっかりと入学後の荷物の重さについても書き入れていくということで、毎年同じような問題が起こることがないようにしっかりと今後、制度として確立していただきたいと思っています。

 

(2)の入学式後速やかに給食を開始をということで求めたわけですけれども、確かに子どもたち学校という場に慣れる期間というのは必要ですけれども、最初に私が申し上げたように、もう2人に1人の子どもはお弁当をもって学校に行く必要のある子どもたちなんだということも重く受け止めて頂いて、なるべく早い時期に給食の提供をできるようにしていただきたい、私も給食の後すぐ5時間目の授業までと望んでいるわけではありません。給食を食べて下校するということをなるべく速やかにできるようにぜひ検討していただきたいと思っています。

 

(3) 文字学習開始へのきめ細やかな支援についてですが、言語学級や情緒学級などで専門的な指導を行っているというご答弁でした。

発達性ディスレクシア・読み書き障がいを診断する医療機関が実際にはまだまだ少ないために、発達性ディスレクシアだと診断されている子はあまりいないというのが現状だと思います。

しかし、診断があろうがなかろうが発達性ディスレクシアの子どもにとって文字の習得に向けた困難は明らかに次元が異なり、特別の配慮は診断が出てから、ということでは子どもの苦しさにはこたえられません。

そこでお聞きしたいのは、今すでに言語学級や情緒学級で専門的な支援を受けているお子さんがいらっしゃるということですが、その判定はどのような機関でどのような基準で判定されたのか、伺います。

 

答弁 野沢教育長

 ディスレクシアの判定ですが、現在は医療機関で判定を受けたお子さんが情緒学級で指導を受けています。

 

再質問 宇田

 今、私申しあげましたが、なかなか医療機関で診断されるまでが時間がかかる、難しいということでは、最初の教育長の答弁の中でも、中核的な教師の養成をして検査方法なども習得していくということでしたけれども、本市独自に判定するというような、医療機関の診断を待たずにですね、そういうことはお考えでしょうか。

 

答弁 野沢教育長

 本市独自で考えています中核的教員養成プログラム、これは以前よりご指導いただいています宇野あきら氏が、ディスレクシアの研究をしている方でありましたので、1回の講義、実演、演習、それを5時間程度、全4回で、読み書きに困難を持つ児童生徒に対する検査の方法とか、それから発達性読み書き障がいのある児童生徒に対する有効な指導方法、こういったものについてのスキルを身につける研修を行う予定です。この本プログラムで検査方法及び指導方法を身につけた教員、これに対しましては検査の実施や指導のみならず、他教員に発達障がい、発達性読み書き障がいについての理解を広める活動も期待しています。ですので、まず自校のなかでそういうお子さんを早めに見つけて、検査をしたりそれから指導をしたりということが可能になると考えています。そのためにその4日間は非常に中身の濃いもので、テストをしたり実習をしたり、というようなものを考えています。

 

再質問 宇田

 そうしますと、最初の教育長の答弁で、文科省の、国の調査ですか、4・5パーセント、通常学級でも著しい困難を抱えている子どもがいるという調査結果を示されて、本市にもそれが当てはまるということでしたので、今後検査を独自にやる中で、今後の方向性として、通常の学級ではなくて、言語学級や情緒学級での専門的な指導体制を増やしていくということでよろしいんでしょうか。本市の方向性としては。

 

答弁 野沢教育長

 先ほどお答えしたように中核的教員ができましたら、その方が指導やまた検査等ができますので、その時点で通級学級や情緒学級の中に入ったり、また通常学級の中からピックアップして相談や支援にのったりすることが可能であると考えています。

 

再質問 宇田

 言語学級などで専門的な支援体制をぜひ強化していっていただきたいと思います。一方で、通常学級にいながらしっかりと適切な支援が受けられるということも必要だと思っています。最初の教育長の答弁で1人1台のタブレットの有効活用も必要だということも言われましたけれども、教育のICT化も進んでいきまして、私はそれを無条件で推進する立場ではありませんが、こと発達性ディスレクシアの子への配慮については、積極的に使うことが必要な場合がある思っています。

例えば、タブレットの写真機能で板書を写す、拡大機能で必要な場所を特定する、紙に字を書くのではなくキーボードを使う、自分で読むのではなく読み上げソフトを使うなど、その子に合わせて活用することで、普通学級にいてもスムーズに学びを進めていく可能性は大いにあるのではないかと、思っています。

普通学級での、そのようなICT機器の積極的な活用については、いかがお考えですか。

  

答弁 野沢教育長

 通常学級でのICTの活用については、今後学習のツールとして子どもたちが日常的に使えることを目標に現在進めています。それぞれの発達障がいだけではなく、先ほど申しましたようにディスレクシアは非常に多様な偏りというか、困難な場面がありますので、その子によっていろいろと違いがあります。それを補充するためにはICTは大変有効であると考えています。そしてまたそれを記録したものを後で見たりすることもできますので、全教員、全学校、小中義務教育学校含めて現在ICTについては、校長会また担当会、また推進委員会をもって重点的に今進めているところでです。

 

再質問 宇田

目の悪い子がメガネをかけ、聞こえの悪い子が補聴器をつけるように、読み書きに困難のある子が適切にICT機器を使う、そういうことが普通にできるようになることを願っています。

もう1点、発達性ディスレクシアについての理解という点では、先生方には非常に研修を充実していくということでしたが、私は保護者に対しても必要だと思っています。

例えば、宿題が出ましたと、たった1枚のプリント、たった1ページのドリルに1年生の1学期から、2時間も3時間もかかる子がいるんですね。夜中までかかってもできない。夜遅くまで、泣きながら、それでも最後までやりたい思っている子は多いんです。そして、保護者も一緒に苦しい思いをしています。

保護者の側にも知識や理解がないと、必要以上にわが子を追い詰めたり、親自身が追い詰められたりすることになります。そういう意味で、先生たちに研修を行うのはもちろんのこと、保護者に対しても知識の普及が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 

答弁 野沢教育長

 保護者が発達性ディスレクシアについて知識を持たないことで、障がいであることを認識できず保護者や本人を苦しめているということは、学校現場では非常にあることです。そういった点でも発達性ディスレクシアについて本市の小中義務教育学校について児童生徒が通う保護者については広く周知し、発達性ディスレクシアについての認識を深めていくようその方策について検討していきたいと考えています。たとえば教育支援センターから毎年チラシが配られますが、そういったところでそのなかに発達性ディスレクシアに対しての知識を掲載するなど、すべての保護者に広く発信できる方法を検討していきたいと考えています。

 

意見 宇田

 今、教育支援センターからのチラシにも載せていくというご答弁いただき非常にありがたいと思いました。ホームページを見ましても、教育支援センター、教育相談、いじめなどの相談にのりますということは出ているんですけれども、読み書きに困難がある子どもたちの相談にものりますっていう記載がまだないんです。ぜひ、そういうことにも相談にのると、困ったらここに相談してくださいっていうことを広く周知する必要があると思いますので、お願いしたいと思います。

発達性ディスレクシアという学習障がいは、今に始まったことではなく、ずっと以前から苦しんでいた子はいた、その原因が発達性ディスレクシアという障がいによるものだということが、ようやくわかってきたのだと思います。そして、この障がいは、親の育て方や育った環境によるものではなく、生まれながらの脳の機能の問題によるものと推定されています。 本市の教育において、この障がいが正しく理解され、必要な子どもに必要な配慮がしっかりと行われることを、心から願っています。

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