4 子どもたちの健康な体と心を育む学校給食をめざして 宇田たか子 未定稿
各学校ごとに給食室を持つ、いわゆる自校方式の本市の学校給食は、他市町村にも誇れる本市の宝です。令和8年度までの計画で毎年2校ずつドライ方式対応の給食室改修工事が進められ、より衛生的な環境でおいしい給食を提供する条件がすべての学校で整うことになります。そこで、自校給食だから誇れる、というだけではなく、どのような給食なのかという内容の充実が今後はますます重要になると考えます。義務教育の9年間、安全・安心でおいしい給食を市内すべての子どもたちに提供することは、本市の子どもたちの健康な体と心をつくる土台となります。そこで、以下質問します。
(1)地場産農産物の使用を増やすために
子どもたちの健康な体作りのために、安全・安心な地場産、無農薬有機栽培の食材をより多く学校給食で提供することが、今後の本市の目標であり課題であると考えます。昨年度から、学校給食における市内産野菜の活用に係る課題の解決を目的として、JA常陸のひたちなか地区学校給食部会に所属する生産者と市内学校の栄養教諭との意見交換会を開催しているということですが、市内産野菜の使用割合を何年以内に何割まで引き上げる、などといった目標を市側が提示してそのためにどうするか、何が必要かといった意見交換でなければ、なかなか前進しないのではないかと考えますし、そのために、市は、思い切って市内の生産者を支援する体制も必要だと考えます。そこで、意見交換会の現状と課題、今後の取り組みについて、伺います。
(2)公会計化で取引先の変更はあるか
給食費無償化を求めた3月議会での私の質問に対して、教育部長は「令和6年度からの給食費の公会計化に伴い、現在各学校でそれぞれに発注している食材の一括発注により、全体のコストを圧縮することも検討中」だと答弁されました。つまり、給食費を安くするために、現在各学校で取引している地元の業者ではなく、より大規模な業者に一括発注するということでしょうか。市は、学校給食を通して、地元の業者や農家を育て支える立場に立つべきと考えますが、いかがでしょうか。
(3)インボイス制度は取引に影響するか
インボイス制度は中・小規模事業者に新たな負担を課すものであり、日本共産党は中止・廃止を求めていますが、今年10月から開始された場合、取引のある業者に対してインボイス登録業者になることを求めたり、インボイス登録をしないことで取引を中止したりする事態が起こりえると想定されるのか、伺います。
答弁 岩崎教育部長
(1)地場産農産物の使用を増やすために
本市の学校給食においてはこれまでも那珂湊漁業協同組合女性部との協力により開発した水産加工品を給食で提供するなど地産地消の取り組みを推進しているところです。
地場産農産物の更なる活用を図るため、栄養教諭とJA常陸のひたちなか地区学校給食部会に所属する生産者との意見交換会を昨年の6月及び11月に実施しました。意見交換会では季節に応じて納品が可能な農産物を確認し、給食での使用頻度の高い野菜の種類や規格について生産者に伝えるとともに学校への納品量を増やすにあたって生産者に生じる課題等についてお聞きしたところです。
生産者からは本市の児童生徒のため、こまめに野菜の状態を確認し、日々品質の維持に努めていいただいているとの話がありました。一方で農地の面積が限られているため、納品先の学校を増やす十分な生産量を確保できないことや距離が離れた学校への配送は困難であるなどの実情についてのご意見がありました。これらを踏まえて今後は生産者一人一人に出荷量を増やすことを求めるよりも、学校給食部会に所属する生産者を増やすことを中心とした方策についてJA常陸と連携しながら検討して行きます。また意見交換会は学校給食の需要に対応した尺付けが可能となるよう毎年度定期的に開催することとし、学校給食における更なる地産地消の取り組みを進めて行きます。
(2)公会計化で取引先の変更はあるか
本市では令和6年4月からの学校給食費の公会計化を目指し現在準備を進めているところです。本市の学校給食の食材については、肉野菜などの生鮮食品については、各学校が契約する業者に発注しています。一方で調味料や油など使用頻度が高いものについては、市学校給食部会において一括で入札を行い決定した業者に対して各学校が発注するという方法により価格の抑制を図っています。
公会計化後についても、これまで通り献立に応じた一括発注の精査は行っていきます。しかし、現在各学校それぞれに発注している生鮮食品等の食材のすべてを一括発注に変更した場合、本市の食数を考慮すると使用できる業者が限られることや学級閉鎖等による急な数量変更への柔軟な対応が困難になることも予想されます。従いまして、公会計化に向けてはまずは食材の安定供給をしっかりと見据えたうえで最適な調達の方法について研究を進めていきます。
(3)インボイス制度は取引に影響するか
本年10月から開始する消費税のインボイス制度は複数税率に対応した新たな仕入れ税額控除の方式です。インボイス制度の導入後は、売り手が適格請求書いわゆるインボイスを発行し、買い手はそのインボイスを計算根拠として仕入れ税額控除を行うこととされています。
現在学校給食費は私会計により処理していますが、令和元年8月に文部科学省より通知のあった「学校給食費にかかる消費税の適応税率について」では、保護者から集めた給食費が食材の納入業者に対して支払う食材費相当額を預かったものと考えられる場合には、私会計における課税関係は生じない」との見解が示されています。また令和6年4月から学校給食費を公会計化した後においては市の一般会計となるため消費税の申告義務は生じないこととなります。
このため本市の学校給食においては、現在の私会計においても公会計となった後においても、取引のある業者に対してインボイスの発行を求めることはありません。したがってインボイス登録業者になることを求めたり登録をしないことを理由に取引を中止することはないと認識しています。
再質問 宇田
(1)地場産農産物の使用を増やすために
ひたちなか市は、農地も限られているということもあると思いますが、生産者の方も子どもたちのためにと意見交換会の中で語られているということなので、ひたちなか産の農産物を少しでも増やしていってほしいと思っています。どんな取り組みができるかと思うわけですが、何かそのあたりお考えがあるでしょうか。
答弁 岩崎教育部長
生産者との意見交換会を昨年度から始めましたけれども、これを定期的に実施していくということですので、市側の考えですとかもしくは生産者のいろいろなご意見を今後もお聞きしながら、市内産の食材の増産に取り組んでいきたいと思います。
再質問 宇田
生産者と栄養教諭と市と、三者で意見交換ができるようになったということは、これは大きな第一歩だと思いますので、これを有効にこれから活用して、ひたちなか産の野菜、どんどん給食で使えるように取り組んでいただきたいと思います。一方、お米に関しては100%市内産で使われていると聞いておりますが、それがなかなか生産者さんも自分が作ったお米、ひたちなかの子どもが食べているんだという実感を持った形になっていないというふうに思うんですけれども、そのあたりどうお考えでしょうか。
答弁 岩崎教育部長
学校給食に使用される米については、銘柄を指定して茨城県学校給食会から調達しているところです。市内産のコシヒカリが使用されていることについては、毎年給食便りの4月号により児童生徒及び保護者に案内をしています。一方でこれまでコメの生産者に対して、学校給食で市内産のコメが使用されていることお知らせする機会はありませんでしたので、JA常陸による農家回覧を活用しまして、学校給食
で市内産のコメが食べられる様子を戸報するなど、生産者の皆さまに学校給食とのつながりを認識していただくための取り組みについて今後検討していきたいと思います。
再質問 宇田
野菜についてはいろいろ課題もあるかと思うんですが、お米については今もうすでに市内産が使われているという状況がるので、いま部長がおっしゃったように、生産者の方がそれをあまり知らなかったということで、それをお知らせしていきますということもあるので、ぜひ今もうできていることなわけですから、それをしっかりアピールして、生産者さんもそれをしっかりわかれば農業を続けていく誇りにもなるし、張り合い、やりがいにもなりますし、そこをきっかけに低農薬とか有機とか、今他の地域でも進んでいますから、そういう発展につながっていけるといいなと思いますので、そういう取り組みをすすめていただきたいと思います。
(2)の公会計化の問題ですけれども、答弁の中で、一括発注の課題の中で何点か答弁されて、公会計になったら最適な方法を検討するというご答弁で、明確な市内の業者さんを守るとゆんですか応援するとゆんですか、そういう答弁ではなかったと思うわけですが、私は学校給食こそ市内の小さな業者を守っていく最後の砦っていうんですかね、そう思っておりますので、そこもうちょっと明確にご答弁ほしかったなと思うんですけれどもいかがでしょうか。
答弁 岩崎教育部長
食材の調達方法については、公会計化後も基本的にはこれまでの対応と同じような形で取り組むものと考えます。ですが、まずは学校給食の安定した提供を第一に考えているということです。
意見 宇田
安定的な供給は本当に大切なことですから、それを大事にしながらも市内の業者さんを守る取り組みもしっかり行ってほしいと思います。
最後になりますが、私は地場産の給食をと求めると同時に、引き続き学校給食の無償化を求めたいと思っています。ひたちなか市で育つすべての子どもたちの健やかな成長を願い、地元の生産者が作ってくれた食材で、おいしい給食を無償で提供してほしい、そう願っています。
周辺の市町村では、すでにやり始めていることでもありますから、大きな予算がかかりますが、
できるところから努力してほしいということを申し上げ、質問を終わります。