大項目の1 コロナ感染から市民のいのちを守る取り組みを 未定稿
「災害レベル」と言われるコロナ感染の爆発的な拡大のなかで、医療が追いつかず自宅療養者は増え続けています。自宅で急変しても必要な医療を受けられない、深刻な状況です。医療体制もワクチンも検査体制も、今もって安心できるレベルに達していない、すべて後手後手で毎日大騒ぎしているのが今の日本の現実です。これで先進国と言えるのか、この1年半、政府はいったい何をしてきたのか、国民の怒りは沸点に達しています。
連日テレビで報道される首都圏等のコロナの状況に対して、「ひたちなか市はどうなのか」「大丈夫なのか」という不安の声がわたしのところにも多く寄せられています。そこで、以下の点について、質問します。
(1)本市の感染者の状況
感染者数の推移、年齢別の傾向、新規感染・濃厚接触者などの特徴について伺います。
特に、未就学児・児童・生徒の感染が広がっていますが、本市の感染状況について伺います。
(2)ワクチン接種状況と今後の見通し
集団接種と個別接種、大規模接種会場での接種について、それぞれ伺います。
(3) 市のコロナ対策の充実を
1点目 市独自にPCR検査実施を
緊急事態宣言下で強行されたオリンピックでは、選手等に毎日PCR検査が行われました。感染抑止の上で、頻回の検査、無症状の段階での検査の必要性は明らかです。
そこで、市独自に、全市民を対象にしたPCR検査費用の助成を求めます。すでに県内多くの市町村で実施されています。
これまでも要求してきたことですが、市内で感染者が増え続け、ワクチン接種がまだ十分ではない今が、まさにもっとも「いつでも・誰でも・何度でも」の検査が必要とされている時ではないかと考え、速やかな決断を、改めて求めます。
2点目 子どもたちに不織布マスクの支給を
コロナ禍、マスクの手放せない日常が続いています。不織布マスクが品薄でなかなか手に入らない時期、布マスクやウレタン製のマスクが多く利用されました。しかし、デルタ株の感染力の強さや教室等でのエアロゾル感染防止の意味から、不織布マスクが重視されるようになりました。布マスクは洗って何度も使えますが、不織布マスクは使い捨てです。そこで、特に、感染の広がっている今の時期、不織布マスクを推奨する意味で、子どもたちに不織布マスクの支給を求めます。
答弁 森山福祉部長
(1) 本市の感染者の状況
本市における7月下旬からの感染拡大、いわゆる第5波の感染状況についてですが、感染者数の推移については、昨年3月に一例目が確認されて以降、本年7月20日までに確認された感染者の累計数は349名です。一方、7月21日から9月7日までの感染者の合計は389名です。この約1か月半の期間でそれまでの感染者累計数を超える感染者が確認されています。一週間当たりの感染者数の推移をみますと、8月26日から9月1日までの一週間に104名を記録した後、現在は減少傾向に転じています。
次に7月21日から9月7日までの389名における年代別割合を上位から申し上げますと、20代が約27%でもっとも多く、次いで40代が約18%、50代が約14%、30代も約14%となっています。20代から50代で全体の約73%となっており60代以上の割合は約9%、10代以下が約18%です。
また、未就学児等の低年齢の感染状況については、未就学児が12名、児童が21名、生徒が26名、学生が12名となっています。現在のところ保育所や幼稚園、小中学校において集団感染疑い、クラスターは発生していません。
同期間の感染経路の状況については、感染経路不明者、いわゆる新規感染者は約43%、濃厚接触者は約57%となっています。濃厚接触者のうち、感染経路の内訳をみますと、知人・家庭内からの感染が約65%、次いで職場内が約17%となっています。これらの数値を見ますと、第5波よりも前に比べると感染力は非常に強く、感染拡大のスピードが速いこと、また若い世代にも感染することや家庭内での感染の割合が高いことなど、新聞やニュースなどで報道されている第5波の特徴やデルタ株の特徴が本市においてもおおよそ当てはまる状況であると認識しています。
(2) ワクチン接種状況と今後の見通し
初めに本市のワクチン接種の状況ですが、国・県が示しました優先順位にもとづいて医療従事者、高齢者、高齢者施設および障がい者施設の従事者、そして基礎疾患を有する方に対し順次優先接種を行ってきました。その後は一般の方へ年齢の高い順から年代別に接種券の発送を進めてきました。8月5日までに接種対象者である12歳以上の方、138,654人全員への発送を完了したところです。また、市独自の優先接種の対象として、集団生活を行う子どもに頻繁に接する方、市民の生命保護を目的とする業務の従事者、接触者に感染させないことが特に求められる方として保育士・教員・放課後児童支援員のほか、災害対策に従事する市職員、留学を予定する生徒・学生等を指定して一般の方とは別に予約枠を設けるなど優先措置を図ってきました。さらに最新の知見により、重症化リスクが高いことが明らかになった妊娠中の方、及びそのパートナー、そして受験シーズンがまじかに迫っている大学などの受験生を新たに優先接種の対象とし、明日9月10日より予約受付を開始する予定となっています。
現在接種方法は、市が実施する集団接種、個別接種に加え県が実施する大規模接種にひたちなか市の市民枠の確保を図るとともに、事業者が自らの従業員等を対象とした職域接種の実施によって接種は進んでいます。
これまでの接種回数については、接種後に入力作業を行うワクチン接種記録システムよる集計によると8月末時点で1回目接種72,554回、2回接種56,281回で、合計128,835回分接種しています。内訳としまして、集団接種27,973回、個別接種と職域接種96,229回、県大規模接種4,633回になっています。
次に今後の見通しですが、個別接種、集団接種に要するワクチンの供給は9月から11月上旬までの間9,600回以上を確保できる見通しがついたことから、市医師会との連携のもと円滑な推進を図ってまいります。県大規模接種におけるひたちなか市民枠については県が9月10月分の本市接種枠を増やしたことにより8月分のほぼ倍増となる一日平均200回の接種枠を得ることができています。職域接種については、国によると市内8事業所において約31,000人分を行う予定となっています。このうち市内の接種予定者数は推定できないため、市内従業員を7割相当と想定し11月までに完了することを期待しているところです。
このようなことから9月から11月までの3か月間で概数にして、個別接種と集団接種で74,900回、職域接種で44,000回、県大規模接種で16,800回、計135,700回の接種機会を確保しています。市のワクチン接種の対象者数は138,654人であり、接種2回分にすると277,308回から、8月末時点の接種回数128,835回をひくと、残りは148,473回となります。確保した接種機会は135,700回でありますので、率にして対象者の91,4%の方が接種できるという計算になります。すでに希望者のほとんどが接種したとみられる高齢者世代の接種率は92.3%であることを考えますと11月中に希望する方全員のワクチン接種が完了できるものと考えています。
市としては、引き続き関係機関と連携を図りながら希望する方全員へのワクチン接種の早期完了に向けて調整を行っていきます。
(3) 市のコロナ対策の充実を
1点目 市独自にPCR検査実施を
本県においては、今般の第5波による急激な感染拡大により一日当たりの新規感染者の数は8月14日に最大391名を確認するなど、連日200名を超える状況となっています。また、すでに新規感染者のうち9割が感染力の強いとされる変異株いわゆるデルタ株に置き変わっているといわれておりなかなか収束が見通せない状況にあります。県の発表によると9月7日時点で療養中の方は1,606名おり、そのうち入院中が402名、宿泊施設での療養が295名、自宅療養が909名となっています。感染した患者であっても56.6%、5割を超える方が自宅療養をしている状況にあります。
このような中感染症対策の総括的な権限を持つ県は、県民の行動自粛の要請はもとより、医療体制の整備として病床及び宿泊療養施設の拡充、そして積極的疫学調査やPCR検査の実施などに努めてきました。PCR検査については、県ではこれまで飲食店でのクラスター発生に伴うローラー作戦や感染拡大が顕著な地域での住民等を対象にした集中検査を実施するなど、限られたエリアで感染拡大が発生している段階において有効に活用してきました。しかし、県内全域に急速に感染が拡大していること及び自宅療養者が療養者全体の5割を超えている現状においては、入院が必要となる患者の適切な処置に加え宿泊施設や自宅で療養している患者の状態観察など感染者への対応に注力せざるを得ないものと認識しています。このような段階を改善していくためには、市としてはワクチン接種を円滑に進めるほか県との効果的な連携が必要と考えています。
本市を管轄するひたちなか保健所をはじめ県内各保健所においても感染症対策業務が日を追うごとに増えていることから、去る8月18日付で県より各自治体に対して保健師の派遣についての要請があり本市はひたちなか保健所管内の他市村に先駆けて8月25日よりひたちなか保健所に保健師1名を派遣しているところです。
無症状者へのPCR検査の実施については、PCR検査は検体採取の時点での陽性・陰性を判断するものであり、残念ながら継続的に陽性陰性を証明するものではありません、この検査を恒常的な感染把握に活用するには多大な費用と業務にあたる人員を要することから、財政面と業務体制において現実的には難しいと考えています。そのようなことから、県内の独自にPCR検査費用の助成事業を実施している8市町のほとんどの自治体において実施期間や対象者、回数に条件や制限を設けているものと考えています。
また、PCR検査によって感染状態を把握することはできますが、次の対策となる積極的疫学調査や病床の確保といった業務について市は関与することはできず、県や保健所にゆだねることになってしまうため、総合的な感染者の療養対策に当たる県や保健所の感染症対策業務をひっ迫させてしまうことも期せずして懸念されるところです。このようなことから市としては、本市独自に無症状者へのPCR検査の助成事業を行うことよりも感染症対策を総括し広域的に感染状況を把握している県が求める支援にこたえていくことが効果的であると考えています。
PCR検査の活用については、大規模なクラスターが発生するなど県が集中的な検査を実施すると判断した場合において、先の6月議会で予算を可決していただきましたPCR検査助成事業を活用し、検査希望者の自己負担分を助成することにより検査の実施を促進していきます。
今後とも感染状況の把握に努めるとともに、状況に応じて県や保健所とさらに連携し、新型コロナウイルス感染症の対応に取り組んでいきます。
答弁 野沢教育長
2点目 子どもたちに不織布マスクの支給を
マスクについては昨年の新型コロナウイルス感染症の流行初期には品薄状態が続いていましたが、民間事業所から寄付をいただいたものを児童生徒及び教職員に配布させていただくことができました。しかし、現在では、マスクの品薄状態は解消され不織布マスクのほか素材に特殊な加工を施したマスクや布マスクなどの内側に付けるフィルターシートなど様々な種類のマスクが購入できるようになっています。マスクの着用は子どもたちにおいても習慣化されていますが、現在デルタ株への置きかわりが進む中で最大限の感染症予防効果を発揮するためにはマスクを鼻あごに密着させるよう自分の顔の大きさに適したサイズを選ぶ必要があります。従いまして子どものマスクは、各家庭において用意していただくことが最良であると認識していますので、現在のところマスクの支給については考えていません。
ただし各校においてはマスクを忘れた場合や汚れ、破損等により使用できなくなってしまった場合に備えて保健室に予備のマスクを配備しているところです。変異株への対策として従来株と同様にマスクの着用や手洗いなどの基本的な感染症対策が推奨されています。各小中義務教育学校においてはサーキュレーターを使用しての換気や手洗いトレーニング機を用いた正しい手洗い指導による感染防止対策のほか、登校時の健康観察、風邪症状などの体調不良時の自宅での休養の徹底など、学校内にウイルスを持ち込まない対策を講じてきました。
今後の通常登校再開に向けては感染状況などによりその都度改訂されている国の学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルなどに従い学校内での感染拡大防止に努めていきます。また、学校内での感染拡大を防ぐためには各家庭での協力が必要不可欠です。引き続き保護者の理解とご協力を呼びかけ、学校教育活動を円滑に継続できるよう感染症対策に取り組んでいきます。
再質問 宇田
(1) 本市の感染者の状況
本市の感染者の傾向は、全国的な傾向と一致しているということがわかりました。
それで今、テレビ等で連日報道されている自宅療養者の状況についてですが、先ほども自宅療養の方が909人、56.6%の方が感染していても自宅にいるということでした。そういう中で、今、一番市民が心配していることは、本市の自宅療養している方の状況です。
保健所からの支援はしっかり行われているのか、保健所業務がひっ迫していて必要な支援が滞っているようなことはないのか、自宅で容態が急変したときの救急搬送はできているのか、ということです。この点について、本市の状況はどうなのか伺います。
答弁 森山福祉部長
感染者の自宅療養者の状況については、まず自宅療養者の救急搬送については、消防本部によると、一般的に容体が急変した患者やご家族の方からご連絡があった場合救急隊としては救急出動するとともに保健所に連絡を入れることになります。救急隊は到着後に状態観察や酸素の投与などの処置を行うわけですが、その間に連絡を受けた保健所は医療機関や県の入院調整本部と調整を行い、そして受け入れ病院を決定し、救急隊に指示するという流れとなっており、その指示を受けて救急隊は病院へ搬送するというような体制になっているということです。また、現在救急要請を受けた患者の方に対して、現在のところ遅延なく搬送の方はできているというふうに聞いています。
また、支援ということで、自宅療養者への飲食等の物資供給というのを県の方では行っていまして、この中で希望者に対して生活支援物資を配布する事業としまして、保健所によりましと、自宅療養者のうち支援可能な親族等がいるため、この事業の方は行っていますが今のところ希望者の方は少ないということで、希望された方が物資の供給を受けられないというような課題が生じていることは今のところないというふうに伺っております。
意見 宇田
今後も本市の感染者の状況については、できる限り県や保健所、医療機関、消防等と情報共有して、市民の不安にこたえる情報、正確な情報を、迅速に市民に提供していただくことを求めたいと思います。
再質問 宇田
(2) ワクチン接種状況と今後の見通し
11月中には希望する方にワクチンがいきわたるということでしたが、11月以降のワクチン接種体制はどのようになるのか、伺います。
答弁 森山福祉部長
12月以降のコロナワクチンの接種については、現在国が定めています新型コロナワクチンの接種期間は来年令和4年の2月28日までとされています。当然12月以降に12歳になる方もいらっしゃるわけですので、11月に接種ができなかった方等含めて接種ができるように継続して実施の方していきます。
再質問 宇田
そうして希望する方にワクチンがいきわたる一方で、ワクチンを打てない方、また打たない方もいらっしゃるだろうと思います。ワクチン接種は、あくまでも任意のものなので、ワクチン未接種の方が、今後どんな場面でも差別されたり、不利益をこうむったりすることがあってはならないと私は思いますけれども、その点については、いかがお考えですか。
答弁 森山福祉部長
国は新型コロナワクチンの効能については国内外の数万人のデータから発症予防の効果などワクチン接種のメリット、あるいは副反応といったデメリットよりもメリットの方が大きいことを確認しまして市民をはじめ国民の皆様に接種を進めているところです。
しかしコロナワクチン接種は予防接種法上努力義務であるので、法律によって接種が義務付けられているというわけではありません。そのようなことを十分踏まえ、ワクチン接種は強制ではなくあくまでも本人の意思に基づき接種を受けるものであって、受ける方の同意なく接種が行われているということではありません。ですので、接種を受けない方には、医学的な理由など様々な理由、ご事情がありそれぞれについては尊重されるべきものです。
このようなことを踏まえ、本市においてもワクチン接種を受けないことによる不利益や差別が生じることがないよう、ホームページ等を活用して啓発の方を行っていきたいと思います。
大項目の2 国民健康保険が社会保障として機能するための取り組みについて
来年度、国民健康保険の賦課方式の変更にともない税率改正が検討されています。これまで市は独自の財源を国保に繰り入れることで、長期にわたって税率を抑える努力をしてきましたが、今回、賦課方式の変更を機に、いわゆる決算補てんのための法定外の繰り入れをなくすとしています。すると、その分が賦課総額に上乗せされることになり、税額は現在よりかなり引きあがることになります。
今でさえ、払いきれずに滞納せざるを得ない方が多くいらっしゃる、これが国保加入者の現実です。これ以上の国保税の引き上げは、国保税を払うことによる生活困窮、さらなる滞納者の増加、医療を受ける権利を損なうことになると警告し、以下質問します。
(1)高すぎる国保税の引き下げを
1年半以上続くコロナ禍のなか、もっとも深刻な影響を受けている非正規雇用の方、自営業の方などに対して必要なのは支援であり、国保税の負担増など行うべきではありません。そこで、現在担当課でおこなっている税率のシミュレーションの結果、課題とその対応策について伺います。
(2) 医療費の自己負担が払えないときにも医療の保障を
高い国保税を何とか払いはしたけれども、3割負担の医療費が払えず、医者にかかれない、あるいは治療を中断せざるを得ない、こういう事態は十分起こりえます。そのため、国保法44条では、加入者の医療機関での窓口負担の減免、免除、支払いの猶予を行うことができると定め、医療を受ける権利を守っています。そこで、本市ではどのような基準を定めて、運用しているのか。また、実績についても伺います。
(3) 受診権を奪いかねない資格証明書の発行はしないこと
高い国保税を払いきれずに滞納が続くと、短期保険証や資格証明書が発行されます。特に、病院に受診したら全額医療費を支払わなければならない「資格証明書」は、実質的には保険証の役割を果たさず、国民皆保険制度の下、自治体が自ら無保険者を作り出していることになるのではないでしょうか。そこで、本市の資格証明書の発効要件と直近3年間の発行件数をお聞きします。また、資格証明書でも、医療を受ける権利は守られているのか伺います。
答弁 森山福祉部長
(1) 高すぎる国保税の引き下げを
昨年、令和2年10月に県国民健康保険運営方針が改訂され、茨城県内すべての市町村においてに賦課方式を統一し所得に対する税率である所得割と一人当たりに付加される均等割の2方式化を、来年度令和4年度から目指すよう示されました。このことから本市においても2方式化を目指し、現在税率改正に向けた検討を行っているところです。
税率改正にあたっては、税源不足分の補てんを目的とした一般会計からの法定外繰入金を解消し、県に収める国保事業費納付金に見合う賦課額を確保することが必要となってきます。これは、国・県から強く求められているところであり、解消されない場合交付金が減額されるという厳しい政策が導入されています。本市としても、将来にわたる安定的な運営をしていくためには適正な賦課額を確保することが必要であると考えています。この考え方に基づきシミュレーションを現在行っているところです。
7月時点での当初課税データでの試算ではありますが、所得200万円未満でかつ世帯人数が1人もしくは2人の世帯は国保世帯の約75%を占めています。これらの世帯については、年間の税額が若干の減額もしくは数万円の増額となる見込みです。一方所得が200万円から700万円の中間所得層でかつ世帯人数が3人以上の世帯は国保世帯のうち約3%となっています。これらの世帯については年間税額が10万円以上増額となる見込みです。このように影響が大きい世帯については緩和策による対応が必要であると考えており、現在検討を重ねているところです。
現状の具体策としては、国の制度改正により未就学児の均等割が半額となり市においても4分の1を負担することとなります。また、県において子育て支援策として保険税を軽減する交付金が2方式に移行した場合に交付されることからこれを活用した軽減策を検討しています。さらには、均等割が増えることで世帯人数が多いほど影響を受けることを考慮し、世帯人数に応じた軽減策を検討していきたいと考えています。
今回の改正は18年ぶりの改正となり、その分影響が大きいものであるため国県の施策を含め市独自の軽減策をしっかりと検討しできるだけ影響が緩和されるよう配慮して行きます。
(2) 医療費の自己負担が払えないときにも医療の保障を
本市としましては、国民健康保険法第44条を受け、市の国民健康保険規則第26条第1項及び平成21年作成の市の国民健康保険一部負担金減免の運用基準に基づき適用をしています。対象者は震災などの災害により死亡した方や資産に重大な損害を受けた方、また事業の廃止や失業などにより収入が著しく減少した方としています。具体的には運用基準で減免認定基準を設け、それに基づき当該年度中における収入金額や資産状況等を調査し総合的に判断することとしています。そして生活困窮状態にあり病院などの窓口において一部負担金の支払いが困難であると認められた場合には支払いを全額減免することとしています。なお減免期間については申請年度としていますが、生活困窮が改善されない場合には翌年度以降も更新できるとしています。
これまでの実績としては、運用基準を適用した平成21年度からの累計で21件、すべて全額免除となっています。
(3) 受診権を奪いかねない資格証明書の発行はしないこと
本市の発効要件及び発行までの流れとしまして、前年度8期分の納期のうち5期以上に滞納がある方に対し、まず7月に納税相談の通知を送付します。この通知に対し応答がない方に有効期限を短くした短期保険証を9月に送付します。さらに応答がなければ11月に再度納税相談の通知を送付します。そして翌年度7月には、これらの数回にわたる通知に対して応答の無い方に弁明の機会を設け保険証返還予告を行います。この弁明の機会にも応答の無い方に保険証返還命令を行い、やむなく資格証明書を発行することとしています。
直近3年間の発行件数については、令和元年度が148世帯、令和2年度が100世帯、令和3年度が89世帯と減少傾向となっており、これまでの滞納者への丁寧な対応の結果納税相談に応じていただける方が増えてきていると認識しています。以上のことから本市としましては、再三にわたる納税相談のお願いをしたうえでの資格証明書の交付をさせていただいているところです。
なお資格証明であっても国民健康保険の資格がなくなり、無保険となるわけではありません。また、病院に行く際には事前に納税相談に来ていただければ短期保険証を交付しています。さらに資格証明書は窓口で10割の負担となりますがその後市役所窓口に申請をしていただければ後日7割分を支給する仕組みとなっています。 これらのことから、医療を受ける権利は確保されているものと認識しています。
今後も資格証明の発行については被保険者が診療の機会を損なうことがないよう適切に運用していきます。
意見 宇田
(1) 高すぎる国保税の引き下げを
国民健康保険というのは、国民皆保険制度を下支えする医療保険であって、自助・共助の民間の医療保険とは根本的に異なります。本来国による財源保障が必要ですが、それが不十分であるとき、加入者で支え合ってとするには、無理がある、それは現在の滞納者の割合をみれば一目瞭然です。
税率改正に当たっては、地方自治法の第1条、地方自治体の役割は住民福祉の増進だという立場を貫いて、検討を進めていただくことを強く求めます。
再質問 宇田
(2)医療費の減免
医療費の3割自己負担の全額免除の対象になった方が平成21年から現在までの実績で21件というのは、1年間に1件から2件ということですから、これはあまりにも少ないと思います。
この制度は、ご本人が申請して初めて適用される制度ですので、こういう制度があるということを今後はしっかり周知することが必要だと思いますが、いかがですか。
答弁 森山福祉部長
こちらについては、この度市ホームページにおきまして、一部負担金の支払いが困難な場合の相談について掲載の方をしたところです。一部負担金の支払いが困難であることを理由に適切な医療を受ける機会を逸することが無いよう今後さらに納税通知書等の送付時おける周知等を検討していきたいと考えています。
意見 宇田
短期保険証の再交付で窓口に毎月とか来る方がいらっしゃると思いますので、個別にも周知をしていただきたいと思っています。
再質問 宇田
(3) 受診権を奪いかねない資格証明書の発行はしないこと
資格証明書発行に当たっては、再三にわたる納税相談に応じない場合に、ということでしたが、再三にわたる納税相談とはどういうことかと言えば、納税相談に来てくださいという通知を出すということだけであり、役所が何度も通知を出しているのにそれを無視しているあなたが悪いと、これは、市民の立場に立ったやり方ではないと思います。
保険税を滞納し、役所の通知にも応えない、こういう方は、そうせざるを得ない事情を抱えていて、もっとも支援を必要としているのではないか、そういう想像力を働かせてほしいと思います。そして、その方が役所に来ない来ないと言っているのではなく、市の職員がその方を訪ねて、どういう状況なのか、実際に対面して状況を把握してほしい、それこそが、住民の福祉の増進を第一の役割とする自治体職員の本来やるべきことではないかと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 森山福祉部長
先ほどそれぞれのご事情を踏まえた、あるいはご事情を把握した中での対応が必要ではないかというご質問をいただいたところですが、確かに資格証明書が交付されていて、たとえば小さなお子様がいらっしゃって、それで納税相談にも応じられない、確かにそういうような世帯も中にはあるのかなということは感じております。
こういったことから、先月の事例としまして、私どもの方が連絡等取っている中で、市の子ども政策課と情報共有したうえで、お子さんがいらっしゃって事情が確認できた世帯6件については訪問の方を行い、生活の状況等をですね、の確認等を行ったという経緯がございます。
今後も連絡がつく中で訪問が必要であると判断した世帯については、福祉事務所等を中心に情報交換を行いながら訪問することも検討していきたいと考えています。
再質問 宇田
資格証明書は必ずしも発行しなければならないものではありません。国保は、たとえ滞納している方であっても、命と健康を守る立場での取り組みをなにより大事にすべきだと思います。
6月議会で市長は、「市民一人一人が社会保障制度として必要な医療をしっかりと受けられる権利を確保する」「病気になった場合に、だれもが安心して医療を受けられることが、国民健康保険の本来の役割」だという答弁をされました。
先ほどの答弁では、1回目の答弁ではですね、資格証明書でも医療を受ける権利は確保されている、ということでしたが、本当にそうでしょうか、検証もせずにそう言い切れるのか、はなはだ疑問です。資格証明書を発行された方が、医者にかかりたくてようやく市の窓口に行ったときには、たとえそれで医者にかかれたとしても、病状が進んでもう手遅れだったということは十分あり得ます。そうなる前に、市として、なるべく早い段階で市民の状況を把握し、必要な支援につなげていくことが必要ではないでしょうか。そのためには、国保の担当課だけでなく、一体となって取り組む必要があると考えます。そうしなければ、市民の命と健康を守る責任を果たすことはできないと考えますが、これについては市長に答弁を求めます。
答弁 市長
先ほど担当部長より答弁させていただきました通り、中には状況を実際に確認すべき世帯もあるというふうに私も思います。各セクションで把握している情報をしっかりと共有をして生かしていくということは、社会保障制度を運営する行政にとっては非常に大切なことであるというふうに認識しています。現状把握が必要であると判断される世帯につきましては状況に応じ各関係部署で連携を図りながらしっかりと対応していきたいというふうに考えています。
意見 宇田
状況把握、現状把握は、その方がどういう生活実態なのか訪問して、話を聞いて、初めてできることだと思いますので、1年以上も窓口に来ない方は現状把握が必要だと判断し、対応をお願いしたいと思います。そのための体制の保障もあわせて、市長にはお願いしたいと思います。
意見 宇田
もうすでに政府の方では、行動制限の緩和に向けての検討がいろいろ話題になっていまして、ワクチン接種済みのパスポートというか証明書があれば行動制限が緩和できるとか、後加えて陰性証明書ですね、ということも言われていますけれども、今朝ニューを見ておりましたら、パリでは、同じようにワクチン接種証明とPCR検査の陰性証明の提示を求めているわけですけれども、その陰性証明の提示を求めることに関して、街の中のあちらこちらに検査をできる場所を設けて、だれでも予約なしで無料でPCR検査ができて、15分もするとスマホに結果が送られてくると、そこまでやらないと、ワクチンを打たない方の不利益を被らないということにはならないと思いますので、国の動向も注視しながら、本市としても主体的に市民の、特にワクチンを打たない方の安全とか権利を守るという立場をぜひ貫いてほしいということは市長にお願いしておきたいと思います。
大項目の3 コロナ禍、さらなる生活支援を
コロナ感染が長期化する中で、不要不急の外出自粛が日常化しています。ワクチン接種が進んだとしても、どこまで今までの生活に戻せるかは見通せません。コロナ禍の経済の不安定化の中で、深刻な影響を受けている方への生活の支援も必要です。
そこで、以下の点について質問します。
(1)エアコンの購入に補助を
災害級の夏の猛暑が毎年続き、室内にいても熱中症になり、最悪死に至るという状況が看過できなくなり、国は、新規に生活保護を受給する場合に限り、エアコン代を補助する制度を3年前に創設しました。これは、国がすべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するとうたった憲法25条の要請にこたえる大きな前進ですが、生活保護の捕捉率の低さからみて、同じように生活困窮している方はもっとたくさんいるだろうことは容易に想像できます。
コロナ禍、自宅で過ごす時間が増える中で、自宅の環境を良好に保つことはより重要になっています。コロナ感染予防のために自宅で過ごす方が、熱中症で死の危険にさらされるようなことがあってはなりません。特に、高齢者等には特段の配慮が必要と考えます。
そこで、エアコンを必要とするがなかなか購入に踏み切れないという方に対して、市として一定額を補助することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
(2)市営住宅家賃のさらなる減免制度の導入
公営住宅法を根拠とする市営住宅は、健康で文化的な生活を営むに足りる 住宅を、低廉な家賃で、住宅に困窮する低額所得者に対して提供する、重要な役割を持ち、憲法25条の「生存権保障」にこたえるものです。そのため、家賃は所得に応じた応能負担となっていますが、さらに減免制度も設けています。しかし、コロナ禍が長引くなかで、支援する対象をさらに広げる必要性が大きくなっていると考え、以下の点について、質問します。
1点目 現在の減免制度の基準と実施状況について
2点目 さらなる対象者の拡大として、住民税の非課税世帯まで減免の対象とすることを求めます。県営住宅では、そのような運用がされており、水戸市では昨年から対象を広げていることから、本市においても、今後検討をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 森山福祉部長
(1) エアコンの購入に補助を
近年真夏日や熱帯夜が増加する中、新型コロナウイルス感染症予防によるマスクの着用や外出自粛により熱中症のリスクが高まっていると認識しています。本市の熱中症の現状ですが、本年4月から8月までに救急搬送された熱中症患者数は55人となっており、そのうち約半数を65歳以上の高齢者が占めています。
高齢者は暑さを感じる感覚機能が低下しており、のどの渇きを感じにくく水分が不足がちになるため日中の炎天下に限らず夜間や屋内においても発症する方が増えています。熱中症予防にはエアコンの使用は効果的なものであると認識していますが、一方で高齢者の中にはエアコンの風が苦手な方や扇風機で十分といった理由で設置を好まない方もいます。このため高齢者に対してはエアコンの利活用のほか、こまめな水分補給、適正な室内温度調節、暑さに備えた体づくりなど効果的な予防策について注意喚起や日頃の声掛けを行っているところです。
具体的には地域包括支援センターの職員が高齢者宅への訪問時に助言を行うとともに、各センターにおいて啓発用のパンフレットを作成し、高齢者世帯へ配布を行っています。また、市職員が健診会場や各地域で開催される体操教室などにおいて生活状況や健康状態などを確認し熱中症を含む必要な保険指導を行っています。さらにはひとり暮らし高齢者を見守る緊急通報システムには今年度より新たに熱中症の危険を知らせる警報機能を加え予防の強化を図っています。
エアコンの購入費の補助ですが、財源の確保や公平性など課題が多く現在のところ導入は難しいものと考えています。引き続き国の動向や他市町村の状況を注視するとともに、熱中症にかかる高齢者を少しでも減らせるよう今後も効果的な予防策の普及啓発に努めていきます。
答弁 三木経済建設部長
(2) 市営住宅家賃のさらなる減免制度の導入
1点目 現在の減免制度の基準と実施状況について
本市の減免制度については、入居世帯の収入が著しく下がったとき、また病気や災害時により家賃の納付が困難な方に対して世帯収入と生活保護基準額との比較に応じて家賃を減額する制度となっています。令和2年度の減免世帯数は110世帯、減免額は1430万円となり、近年増加傾向にあります。その要因としては、コロナ禍の中不安定な雇用状況などが考えられます。
また、市としては来庁時に状況を伺い家賃の納付が困難な場合に申請を促すことや以前から減免を受けている方に対して引き続き減免申請を行っていただくよう個別に連絡を行うなど、申請に漏れがないよう広く案内をさせていただいているところです。
2点目 さらなる対象者の拡大として、住民税の非課税世帯まで減免の対象とすること
市営住宅設置および管理条例第17条において、収入が著しく低額であるとき減免することができるとされています。本制度は生活保護基準額との比較に応じて家賃を減額していることから、世帯収入が生活保護基準以下で生活保護を受給していない真に支援が必要となる入居者を対象としています。そのため現制度においてもある程度支援できているものと考えています。
また減免世帯を非課税世帯まで拡充することについては、一概に非課税世帯といっても収入に差があることから、その必要性を十分に精査していきたいと考えています。